最新情報へジャンプ コラーゲンとは、動物の皮、骨、腱などに存在する物資腕、主要成分はタンパク質です。 その用途は古くから使われ、食用、接着剤そして化粧品など幅広く、コラーゲンのから作られたゼラチンまでも含むと医薬品で使われるカプセルなどもソレに入ります。 BSE問題が生じるまでは、主にウシから取られていました。しかし、最近では、鯛のウロコや舌平目やマグロの一種、鮭の皮などから抽出されるようにもありました。 基本的な構造は、3本のヒモ状の繊維が絡んで1つのセットになっていて、適当な熱を加えると柔らかくなります。動物特有の成分です。 しかし、「植物由来のコラーゲン」とか「植物コラーゲン」なる宣伝を目にしたことはないでしょうか? 先に述べたように、コラーゲンは動物特有の成分です。植物にはないはずです。 では、「植物コラーゲン」とは、いったい何なのでしょうか? 一般的に化粧品で「植物コラーゲン」と表現されている成分は「エクステンシン」という成分です。 エクステンシンは、植物の細胞壁に存在する糖タンパク質で、アミノ酸組成にヒイドロキシプロリン(旧名称:L−オキシプロリン)を含むことが特徴です。このヒドロキシプロリンというアミノ酸は、動物コラーゲン以外にみられない成分であった為、「エクステンシン→植物コラーゲン」と表現されるのです。 エクステンシンは、化粧品原料ではニンジン(カロットであり人参ではないです)の根からPGやBGで抽出され、商品化しています。全成分表示的には「カロットエキス」になうのかな? 性能的には、50%以下のアルコールなら変性もないようですし、pHも10以下なら問題ないようです。 他にも、プラセンタエキスも「植物プラセンタエキス」などの表現を聞いたことがあるでしょう。 そのそも「プラセンタ」とは「胎盤」のことです。当然、植物には胎盤はありません(笑)。 植物プラセンタなど以ての外の表現なのですが、大豆由来のエキスなどには女性ホルモン様の働きがあると言われ、それをもって「植物プラセンタ」などといった表現をしているようです。 オイルにもありますね。「植物性スクワラン」がそうです。 スクワランとは、もともと深海サメの肝臓に含まれる魚油であるスクワレンを処理したものです。 その成分は、オリーブオイルにも少量含まれていましたので、オリーブオイルなどからその成分だけを非常に上等な精製法で抽出したモノが「植物スクワラン」です。 ついでですが、「植物性グリセリン」などもありますね。 グリセリンはもどもど、動物の皮脂に含まれる成分です。グリセリンは、化学構造的には3本の「手」を持っていて、そこに脂肪酸が付いた形で存在します。それを油脂(ウシ由来を特に牛脂)といいます。 その油脂から、工業的に脂肪酸を取り出して、残った「廃物」がグリセリンだったのです。 今では、同じ方法で椰子やパームなどの植物の油脂から作られます。現在化粧品メーカーが使用しているグリセリンの99%以上は植物性グリセリンです。 同じ「植物」と付いても、スクワランやグリセリンは本来植物自体にもある成分ですが、コラーゲンやプラセンタなどは植物にはない成分です。植物コラーゲンや植物プラセンタなどはちょこっと、無理があるなぁ〜と、いつも思うのです。 海洋性コラーゲンの話 コラーゲンは脊椎動物に最も多く存在して、生体内タンパク質の約1/3を占めると言われています。構造的には、3本の繊維状のタンパクが螺旋状によじれて集合しています。特徴的な成分として、グリシンやプロリンといったアミノ酸が多く、アスコルビン酸(ビタミンC)が関与して、プロリンはヒドロキシプロリンに変換されます。コラーゲン1分子中に含まれるアミノ酸は以下の表の様になります。 一般的なコラーゲン組成
特に他のタンパク質とコラーゲンが異なるアミノ酸はプロリンやヒドロキシプロリンを含む点です。 BSE問題を境に、コラーゲンの由来も、ウシから魚に移行しつつあります。表示義務として、ウシコラーゲンを使用している場合は(ウシ)と表示されています。表示のない場合は、ブタ若しくは魚由来のコラーゲンが使われています。 一般的に、ウシ由来のコラーゲンとブタ由来のコラーゲンは殆ど同様と言われます。そては、共に哺乳類で近い存在だからでしょう。では、哺乳類と魚類はどうでしょうか?体温維持の方法も呼吸法も異なる、決して近いとは言いがたい種です。しかし、化粧品表示上、区別はないのです。 では、ウシと魚のコラーゲンは同じものなのでしょうか? 再びアミノ酸の成分で比較してみましょう。
上記の比較表を見ると、グリシン、プロリン、アラニンはほぼ同じ%で入っていることが分かります。しかし魚の方が、ヒドロキシプロリンが少ないですね。ほぼ半分でしょうか。化学的にみて、ヒドロキシプロリンは作用を持つアミノ酸の1つですから、ウシと魚ではやはり違うかもしれません。 ただし、この表には示しませんでしたが、他の多くのアミノ酸組成は類似しています。全体的には5%ほどヒドロキシプロリンが低い程度の差・・・ともいえますね。 では、次に、コラーゲンの特徴とも言える「柔らかくなる性質」について比較してみます。 コラーゲンは、その動物種によって「柔らかくなる温度」が異なります。ウシと魚のコラーゲンの「柔らかくなる温度」を比較してみました。
魚の方がかなり低いことが分かりますね。そもそも、コラーゲンが「柔らかくなる温度」とは、その動物の体温あたりだそいです。ですから、恒温動物のウシの方が、高いのですね。 今回この表で用いた魚は、暖流魚といい暖かい海を泳ぐ魚(例えばマグロ)です。その反対を寒流魚といい寒い海を泳ぐ魚になります。 暖流魚のコラーゲンは寒流魚に比較して熱安定性に優れているといわれています。ただ、市販されている化粧品に使われる全ての魚コラーゲンが暖流魚という訳ではありません。寒流魚の代表としては鮭などが上げられますが、これはこれで肌なじみが良いとされています。熱安定性というのは、あくまでも原料としての安定性や処方上の安定性の問題で、使用感とは別の話になるのです。 コラーゲンは非常に多くの化粧品に添加されています。コラーゲン高配合の化粧品でも効果や使用感が異なる1つの要因は、やはり、コラーゲンの由来の差があるのかもしれません。 ヒアルロン酸Naの話(用途) 規制緩和前、ヒアルロン酸Naには3種類が分類されていました。ちょっとそれを表にしてみました。 ヒアルロン酸Naの分類
最近では、ヒアルロン酸Naの使用用途も広くなり、化粧品にとどまらず、医薬品や食品にも含まれます。 医薬品の用途しては、美容注射、目薬、人工皮膚、癒着防止剤として使われます。 美容注射とは、今流行のプチ整形ですね。目元に注入してシワを伸ばしたり、顎や鼻に注入して形を変えたりします。このプチ整形が流行った理由は「安価なヒアルロン酸Na」の出現です。この安価なヒアルロン酸Naとは、基本的にバイオヒアルロン酸Naを指し、上記のヒアルロン酸ナトリウム(2)にあたります。元々、ヒアルロン酸Naは、鶏トサカタイプしかありませんでした。しかし、1985年に資生堂がバイオタイプを出してから急速に世に広まりました。ただ、由来の菌による溶血作用を懸念して、トサカ由来のヒアルロン酸Naにはない試験項目が設けられていた他、体内に注入するなどの医薬品用途としては長く使うことが出来なかったのです。 続いて、癒着防止剤とは、臓器を取り出す手術をした場合に、臓器が乾燥することや、隣接する臓器に引っ付いてしまうことを避ける為に、その臓器にシート状のヒアルロン酸Naを付けるのです。元々ヒアルロン酸Naは生体高分子ですから、ソレごと体内に入れても問題ないので、非常に重宝されているようです。 次に食品ですが、最近流行の健康食品やサプリに配合されています。勿論、謳いは「美肌」や「肌のヒアルロン酸アップ」なのですが、2004年4月現在で、食べたヒアルロン酸がどれだけ肌に有効であるかのデータはないそうです。ただ、医食同源という言葉があるように、欠乏した成分を食べると吸収がいいことは昔から知られていますので、無意味ではないでしょう。 最後に、化粧品用途ですが、ネットで「1gのヒアルロン酸で6Lの水を抱える」と、謳っていますね。それはそれで事実なのですが、実は、ヒアルロン酸Naだけを肌に塗ってもそれほどの保水力はないのです。驚きの話だったかもしれませんが、ヒアルロン酸Na単体では、塗布して20〜40分で殆どの水分はとんでしまいます。高い保湿力を長時間維持するには、グリセリンとの併用が必須なのです。 通常の化粧水中には、ヒアルロン酸Naは0.1〜0.5%配合されています。そこに5%以上のグリセリンを配合することがコツなのです。勿論、グリセリンではなく、オイルや他の保湿剤でもOKです。 世にある、「ヒアルロン酸原液」とかいう可笑しなネームの商品がありますよね。本来ヒアルロン酸という名は化粧品にはなく、「ヒアルロン酸Na」であり、しかも、100%モノなら白色の粉です。 更に言うなら、分子量が高いとコクがありますし、分子量が低いとさっぱりしています。しかし、保湿力は同じだと言われています。 「そんなはずない!コクがある方(分子量が大きい方)が保湿力が強いはずだ!」と、思った方も多いでしょう。では、こう考えてみましょう。下の図をご覧下さい。 肌の上に5cm平方の脱脂綿を置きます。コレがヒアルロン酸Naのつもりです。そこに、水を注ぐと脱脂綿が湿って保湿力が生まれますね。今度は同じ質の脱脂綿1cm平方を25個並べます。すると見た目は5cm平方の脱脂綿を1枚置いたのと同じですね。勿論、抱える水の量も同じ。 細かく刻んで分子量を小さくしても、刻ますに大きいままでも、あくまでも塗ったときのコクの差だけなのです。 ヒアルロン酸Naの話(グレード) ヒアルロン酸Naは非常に高価な原料の1つです。元々は鶏のトサカ由来のものでしたが、最近は乳酸球菌を使って醗酵法で作ることができるようになり、かなり安価になってきました。 と、言っても、原価は、1kgあたり数十万円なのですが・・・。 バイオタイプのヒアルロン酸Naは多くのメーカーで発売されています。それぞれのメーカーには特徴があって、安いトコや分子量の非常に大きいトコなどがあります。 安価なメーカーと高価なメーカーでは、1kgあたりの価格で5〜15万円違います。勿論、鶏トサカタイプは更に高価で、バイオタイプの最も高価なモノよりも更に5〜10万円高いです(つまり、最も安いバイオタイプと最も高いトサカ抽出タイプではkg当たり20万円くらいの差があります)。 では、その「差」とは何でしょうか? 実は、精製度が大きく異なるといわれます。 我々処方担当の者は、1つの原料を使うにあたって、何社かから購入し、最良の原料を使用します。それは、やはり不純物や精製度などに差があるからです。 バイオタイプには、水に溶かした際に濁りが生じるモノがあります。生じた濁りは、菌を培養した培地成分を十分に精製できていないからだといいます。その精製技術には多額の費用と、技術力が必要です。 バイオタイプでも透明度の最も高いのメーカーのモノは、やはり、そういった面で優れています。 また、由来が違うと、使用感も違います。ヒアルロン酸Naで言うなら、トサカ由来のタイプは分子量数万〜500万以上のタイプがあります。一方、バイオタイプは数万〜200万までです。ちょっと小さいですね。因みに、同じ分子量でも、トサカ由来とバイオタイプでは、塗った感触は異なります。 同じように、スクワランやオリーブオイルでも各種メーカーで違います。 それは、使用感だけではなく、製品の安定性にも関わってくるのです。 同じようなモノが入っているのに、非常に価格の異なる化粧品ってりますよね。 それには、こういったこだわりがあるのです。 パラベンとフェノキシエタノール 国立医薬品食品衛生研究所は様々な分析を行っています。 その1つに、一般化粧品中からのパラベンやフェノキシエタノールの定量があります。 そのデータによりますと、 42品目の市販化粧水を調べた結果、全ての化粧水にパラベンが検出されたそうです。まぁ、そんなコトをしなくても全成分表示ですから、入ってるかどうかは判断できるのですけどね(ただし、キャリーオーバーとして消されてると別ですが)。 それから、更に調べますと、検出したパラベンとしては、メチルパラベンが全てに含まれていました。 その濃度は0.01〜0.2%だったそうです(平均0.1%)。(パラベンと一言で言っても、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン・・・と、色々あります) パラベン全体の濃度は0.01〜0.27%で平均0.12%。敏感肌の方が、スティングング(刺激、ピリピリ感)を感じるパラベン濃度が0.25%だと言われますから、パラベンの平均濃度はその半分の濃度ですね。 中には5種類ものパラベンは入っている化粧水もありました。これは、アメリカなどで有名なフェノニップが使われていると思います。このフェノニップとは、混合パラベンで、化粧品に直接添加される場合もありますが、原料の防腐剤として添加されている場合もあります。 また、42品目中31品目にフェノキシエタノールが入っていました(これも、全成分表示を見たら分かることなのうですが、キャリーオーバー扱いで消されてると不明になりますからね)。 フェノキシエタノールの平均濃度は0.27%。因みに、フェノキシエタノールは防腐剤ですが、表示指定成分でもありません。しかし、配合上限は1.0%です。ただし、やはり、フェノキシエタノールに特異的に反応する敏感肌の方も多いようです。 フェノキシエタノールは、先に述べたように、配合上限がありませんが、今回の調査データでは、最大で1.04%だったそうです。また、その化粧水には更にメチルパラベンが0.2%含まれていました。 逆に、パラベン、フェノキシエタノール共に0.1%以下で更にエタノールフリーの化粧水も7品目あったそうです。おそらく敏感肌タイプの化粧水なのでしょうね。 敏感肌やアトピーの方の肌は、バリア機能が低下しています。従って、通常のヒトよりも、不必要にパラベンやフェノキシエタノールなどが血中に入り込んでしまう可能性があると思われます。 やはり、パラベンフリー、フェノキシエタノールフリーの化粧水が欲しいですね。 わたしの嫁も重度のアトピーでエタノール配合の化粧水は痛くて使えません。でも、エタノールフリーの化粧水には必ずパラベン、フェノキシエタノールが配合されています。今回の調査では、エタノールの有無に関わらず、パラベンが配合されていました。 しかし、7つあったエタノールフリー且つ低濃度パラベンの化粧水は、その企業の深い思いを感じますね。 ビタミンCのマグネシウム塩タイプの話 最近、手持ちの化粧水にネットで買った色んなモノを後入れ配合する方も多くなっていますね。 特に、ヒアルロン酸NaとかビタミンC系が多いと聞きます。 今回は、そのビタミンC系の1つについてお話しましょう。 ビタミンC系には多くのタイプがありますが、今回は、最もポピュラーなリン酸Mgタイプについてです。 ビタミンCのリン酸Mg塩タイプは、化粧品の全成分表示では「リン酸アスコルビルMg」と表記されます。細かい話になりますが「アスコルビン酸Mg 」とは少し違います。 この「リン酸アスコルビルMg」は医者系が処方する美白剤に使われる傾向が高いですね。勿論、一般的な美白化粧水にも配合されています。 ただ、医者が配合する場合(ネットで見た限り)10%近い配合量で「リン酸アスコルビルMg」を使っている旨が書かれています。 リン酸アスコルビルMgは、確かに美白効果が期待されますが、同時に多量に塗ると乾燥を招きかねません。また、ピーリング現象やスティングング(ピリピリ感)も生じるでしょう。 勿論、この濃度は、医者の監視下で使用することを前提としています。つまり、「やり過ぎで肌が荒れたら、使用を中止すればいい。目的は「美白」なのがから、肌荒れ乾燥は別の話!」と、いった全くもって医薬品と同様の扱いで使われます。 化粧品は、「毎日使用して、トラブルがないこと」が前提です。 ネットで簡単に化粧品原料が手に入る昨今、自分の化粧水に後からビタミンC誘導体を配合する方も多くなる季節でしょう。しかし、その配合には「危険」もあると思って下さい。 更に話を深くしましょう。 リン酸アスコルビルMgは、他の配合成分によって溶解性が減少してしまします。 つまり、沈殿やオリが生じるってことです。 例えば、2%リン酸アスコルビルMgの化粧水を作る時に、エタノールなら5%以上配合すると、沈殿が生じます。他にも、BGでは10%で、グリセリンなら15%以上の配合で沈殿やオリが生じるのです。 ここで注目なのは、エタノールが5%以上配合できないってことです。 このことは、一般的な商品として出す場合、エタノールで防腐がとれないことを意味します。また、BGの濃度から考えても、BGで防腐をとることもできないでしょう。リン酸アスコルビルMgを配合する場合、パラベンやフェノキシエタノールなどが必要になるということです(最も、界面活性剤を使える乳液などの場合は、その限りではないでしょうけどね)。 更に、リン酸アスコルビルMgはアルカリ側で安定です。 下に、各pHに調節したリン酸緩衝液にリン酸アスコルビルMgを配合し、200日間一定条件下で安定性をみたグラフです。縦軸がリン酸アスコルビルMgの濃度、横軸がpHを示しています。中性及び酸性側で激しく分解していること、アルカリ側で安定であることが分かると思います。 化粧品は、使用期限の表示のない場合、未開封で3年間の保障です。中性とか弱酸性の商品にリン酸アルコルビン酸Mgが配合されている場合、大きく疑問に思う方がいいですね。 また、お持ちの化粧水にエタノールが入っていたり、その化粧水が弱酸性なら後入れは以ての外ですのでご注意下さいませ。 セラミドの話 肌バリアは多重2層構造が角質層の細胞間を埋めることで生じる機能です。その構成成分はセラミド以外にもコレステロールや多くの物質を含みます。セラミドは、年齢と共に減量することが報告されています。 このようにセラミドという言葉を化粧品の宣伝でよく耳にされるでしょう。でも、実際に、セラミドとはどんなモノでしょうか? 一言でセラミドと言っても人の皮膚上だけでセラミド1〜6までがあります。 日本人の女性の場合、思春期から大人になると、セラミド1及び2は増加し、セラミド3と6は減少するとの報告もありまが、一般論は、セラミドタイプの比率はどの年齢でも一定で、ただ、歳をとると量が減るとなっています。 下に、セラミド3の構造式を示しました。二本の長い側鎖を持つのが特徴です。化粧品原料でもセラミドと表示するには、これと同じ構造を持つ必要があります。 皮膚の疾患とセラミドは大きく関係があるとの報告もあります。例えば、セラミド1は角化症やアトピー皮膚炎との関係があり、セラミド1、3、6は、乾癬斑と関係があるらいいです。 セラミドの配合される化粧品の多くはクリームです。これは、セラミドが水にもエタノールにも、油にも溶けない性質だからです。つまり、「練り込んでいる」って形ですね。 もっと効果を挙げる為に乳化する必要があります。例えば、乳液タイプに配合されている場合は、エマルジョン構造に組み込まれています。 何れにせよ、配合の難しい原料の1つで、化粧品界の学会発表でも、処方への添加方法がよく発表されるくらい、かなり工夫が必要な原料です。 ただ、効果も高く、保湿性はアップしますし、シワの改善もされます。 ただし、どうも、塗っている間だけの効果らしく、止めると元に戻ってしまうようです。 セラミド3を0.5%配合した乳液塗布後の角質水分量。 塗布して1週間で既に角質水分量はセラミド3未配合に比べて大きく差が生じ、30日後も同様の結果となっています。ただ、塗布を止めて2日目にはかなり、ダウンしているのが分かります。 これは、シワの深さの改善データです。塗布して1週間目に比べて、30日目までどんどん改善されているのが分かります。ただ、止めると、2日ほどで元も戻り始めます。 因に、中国語でセラミドを「分子釘」と書くらしいです。 セラミドは細胞質に刺さる形で存在しているので、イメージをよく表現しています ね。 セラミドと生薬濃度の話 漢方薬には化粧水として使う以上に、入浴剤として使う方法があります。 今回は、アトピー皮膚炎に効果があるとされた漢方薬の入浴剤のデータを紹介しましょう。 ただし、データを取ったモノが、ヒトそのものではなく、ヒトの表皮角化細胞を培養したモノで、データは、その細胞から抽出して測定したものです。 まず、セラミドの合成をみると、トウキやクジンヨクイニンに高い効果があります。 次に、トウキの濃度と生産されたセラミドの量を調べた以下のグラフ結果があります。 結果によると、0.01%、0.1%ではセラミド合成を示したが、1%にすると細胞に異常が生じました。(トウキ濃度0%はコントロールになります) また、先の入浴実験で細胞にに用いたトウキの濃度は、0.00025%とされたので、0.01%よりも低い濃度でした。 ヒトそのもののデータと培養細胞を用いたデータは直接同じ結果とはならないのが常識となっています。しかし、今回のデータから、効果を望んで濃度をあげるとかえって、悪影響が生じる可能性を示していると思われます。 「過ぎたるは及ばざるが如し」と、いうこというか、「薬も過ぎれば毒となる」ってことですね。 目立つ毛穴の話 資生堂さんは、色々な研究をやっておられます。その中に、「毛穴の目立ちに関する報告」がありましたので、ご紹介しましょう。 一般的には、毛穴が目立つ原因は「角栓」にあると思われているようです。 角栓とは、毛穴に皮脂が詰まって、まさに「コルク栓」のようになっている状態です。この角栓は、オイルクレンジングでマッサージをして除去したり、「テープ」を貼って引き抜いたりする化粧危惧(危惧なのか?)があることをご存知でしょう。個人的な話になりますが、あのテープを貼って取り除くヤツは、病み付きになりますね(汗)。「取れた〜!」って見えるのが快感です(笑) 話を戻しましょう。今回、資生堂さんの見解では、毛穴が目立つ原因は、角栓だけにあらず!ってことです。 角栓によって毛穴が目立つのは、角栓によって毛穴そのものが広げられているからです。しかし、同じ状態でも目立たないヒトもいますよね。 目立つヒトの原因は、毛穴の周りの皮膚が、毛穴を中心にすり鉢状にへこんでいるらいいのです。そのすり鉢状のへこみに「影」が出来ることで、毛穴が目立つらしいのです。 また、そのすり鉢状の肌の部分を詳しく調べると、角質の代謝が不完全であることが分かったのです。この「角質の代謝が不完全」とは簡単にいうと肌荒れしかけの肌状態ですね。 つまり、すり鉢状になる原因は一種の肌荒れで、角栓を除いても、それだけでは不十分。やはり、肌質の改善が必要ってことですね。 また、肌から出る総皮脂量を比較したところ、毛穴の目立つヒトはやはり、皮脂量が多いようです。 きちんと洗顔、きちんとケア!この2つが必要なのですね。 SPFの実話 化粧品のパッケージに「SPF」という表示をご覧になられたかたも多いでしょう。もう、周知になりつつあるこのSPF表示ですが、実は、結構、その事実を知らない方も多いようなので、ここにカキコしましょう。 SPF18とは、「そのUVカット化粧品を塗って、18時間は日焼けをしない」という意味です。 「そのくらい知ってるよ♪」 と、いう方もおられるでしょう。しかし、実際に、そのSPF18のUVカット化粧品を塗って、18時間も日焼けしないなどと感じる方はあまりいないのではないでしょうか?事実、1日は24時間しかなく、太陽が昇っている時間は12時間程度ですから、SPF50とか必要なはずがないのです(笑) でも、事実、SPF18程度では、海に行ったり、スポーツをしたりしたら焼けますよね。 SPFの差って何でしょうか? SPF50とかの商品は、ウォータープルーフタイプ(水や汗で落ちないタイプ)が多いので高いSPFは「汗でも落ちにくいからSPFが高いのだ!」と、思われた方もおられるでしょか?でも、そうではないのです。 SPFは、一定の量を一定の範囲に塗った場合、そこに紫外線を当てて日焼けをみます。これは実際に「ヒト」でやります。しかし、 1:その被験者は寝た姿勢で動くことがない、 2:被験者の試験を受けている環境はエアコンで快気温、湿度共に快適にされています、 3:塗布する量は、実は実際に使う量よりもかなり多い(1.5〜2倍多いかもしれませ ん)、 などの条件でSPFは測定されます。 3については、試験時の塗布量は2.0mg/cm2であるのに対して、実際の塗布量は、1.3mg/cm2と言われています。 つまり、汗をかくこともないので、その試験中にUVカット化粧品は流れたりすることはありません。厚く塗っているので、通常塗布よりも当然効果が高い。ですから、SPF18でも、実際は18時間も日焼けを守ってくれません。 また、SPF50がウォータープルーフなのは、そもそも、スポーツ用に開発されますので、汗や水で流れないようにシリコンや粉体に工夫がされいるだけで、SPF自体とは直接関係ないのです(つまり、SPF10でもウォータープルーフタイプは作れます)。 現在、SPF50以上は「SPF50+」と、表示されます。嘗てはSPF60とか、SPF110とか表示されていたのですが、「世界共通の表示形式にあわせる」ということで、SPF50以上の数値は表示しない「自粛制度」がとられています。 そう、自粛なのです。ですから、未だにSPF60とか110などの表現を書いているメーカーさんもあり、ちょと問題になっています。 洗濯物の部屋干しの話 洗濯物といえば、日中に十分に日に曝されてホカホカのイメージがあるのではないでしょうか。 しかし、現在、独り暮らしや共働きの家庭も増え、また、女性の場合、治安的な問題から「部屋干し」が多くなっているようです。室内に洗濯物を干す場合のある人は、84%もの上るというデータもあります。 しかし、部屋干しした洗濯物には「独特の臭い」を感じる方も多いのではないでしょうか? 「生臭い」とか、「すっぱい」、「雑巾臭い」などの嫌なイメージの臭いです。 ライオンさんの報告によりますと、臭いの原因成分は炭素鎖7〜9個の中鎖脂肪酸が臭いの原因のようです。また、それよりも短い炭素鎖をもつタイプ(短鎖脂肪酸)は「すっぱい」感じを与えるそうです。 つまり、あの嫌な臭いは、脂肪酸の臭いなのです。 臭いの発生としては、室内は湿度が高いので脂質や垢由来の分解物が自然分解(酸化)して中鎖(短鎖)脂肪酸が発生して臭いがでます。しかし、自然分解だけではなく、そのにいる「菌」による分解でも中鎖(短鎖)脂肪酸が発生して臭いがでます。 最近では、室内干し用の洗剤なども売っていますね。あれらの洗剤には、この「菌」を抑制する効果があるのです。 本当は、日の当たる時間に干せたら、乾燥も速いし、殺菌もできますのにね。 UVカット化粧品の選び方 地球には様々な光が降り注がれています。簡単に分けると、X線、紫外線C波、紫外線B波、紫外線A波、可視光線、赤外線、電波と分類されます。その中で、特に化粧品分野で注目されているのが、(ご存知)紫外線A波、紫外線B波です(以後、UVA、UVBと略します)。 UVカット化粧品は、このUVA、UVBから肌を守る働きがあります。例えば、UVAをどれだけ守るかの表示は「PA」という形で表示され、「PA+++」が最もUVAを防ぐ事を意味します。そして、UVBをどれだけ守るかの表示は「SPF」という形で表示され、「SPF50+」が最もUVBを防ぐ事を意味します。 「そのぐらいのことは知ってますよ♪」 と、いう方も多くなりました。で、今回は、その点を再度チェック、再認識する話です。 UVAは地表に届く紫外線の90%以上を占めます。しかし、UVAはUVBに比べて「生物効果(生物に害を与える力)」が100〜1000分の1とされています。 そういった面で、UVカット化粧品でも、UVBを防ぐ「SPF」が強く宣伝されます。 ここに朝6時から夕方6時までに地表に照射されるUVAとUVBの紫外線強度をグラフにしてみました。案外、UVBが少ないと、思われませんか?いや、その逆に、意外にUVAが多いと感じられたかもしれません。 では、UVAとUVBは、肌にどんな現象を起すのでしょうか? 「共に、日焼けする」、「肌を癌にする」 などの回答を思い浮かべたのではないでしょうか?更には、 「老化を促進する」、「シワをつくる」 と、回答した方も多いでしょう。 それは全て正解ですが、ここではもう少し簡単な面を見ましょう。 まず、UVAを浴びると、肌が「黒く」なります。 そして、UVBを浴びると、肌が「赤く」なります。 もう少し具体的に言うと、海に行って、日焼けしたとします。1日経つか経たない内に、体が真っ赤になって痛くなったり水膨れになったりしますよね。あれはUVBの仕業です。そして、数日経つと、体が黒く日焼けした事に気付くでしょう。これはUVAの仕業です。 「お?」と、思われた方もおられるでしょうか? 「わたしは、黒く日焼けしたくないから、SPFの高いUVカット化粧品を使っていたのに・・・。SPFが高いのと黒くなりにくいのは関係ないの?」 と、思われませんでしたか? 答えは・・・・ 「そう、関係ないです(無念)」 SPFが高くなるように処方すると、結果としてPAも高くなる場合があります。しかし、SPFはあくまでUVBのカット力です。赤くなるのを抑える表示です。 肌が黒くなりたくなければ、PAが高いモノを選ぶ必要があるのです。 更に、UVAはUVBに比べて肌への浸透性が高い・・・つまり、肌深くまで害を与えることが分かっています。また、UVAはUVBとは異る位置のDNAの損傷を与える事、UVAは水中深くまで浸透すること(UVBは深いとことまで浸透はしない)、白い壁での反射率は、UVBの3倍もあること・・・、などが知られています。 さぁ、この夏は、UVA対策として、「PA表示」に着目しましょう♪ 敏感肌用化粧品の防腐剤を考える 最近は、ネットでの情報も多く、多くの方がパラベンに関する悪い影響のイメージを持たれています。 パラベンは、表示指定成分であったこと、非常に多くの化粧品に配合されていたことなどから周知の成分となり、それが逆に「悪玉」のイメージを加速させました。 そんな中、時代は、敏感肌化粧品に突入し、「パラベン未配合!」が大きな謳いになってきました。 特に、敏感肌用の化粧品に「パラベンフリー」の宣伝が流行ってますね。 パラベンの代替として投入されたのが、エタノール、BG,そしてフェノキシエタノールです。 この3つは、表示指定成分に属しません。ですから、安全性が高い!と、イメージ付けされたのでしょう。 ところが、エタノールで防腐をとると、敏感肌やアトピーの方は「痛み」を感じるケースが多くありました。傷口にしみるのですね。 また、BGで防腐をとると、ベタベタしたり、過剰にしっとり感になってしまったりしました。 そこで、使われだしたのが、フェノキシエタノールです。 しかし、エタノールやBGに配合上限がない事に対して、フェノキシエタノールは1.0%までしか配合が許されていません。このことがどういう意味かお分かりでしょう。 また、パラベンはその濃度に比例して肌トラブルを感じる方がいるのに対して、フェノキシエタノールは少しでも入っていあたらダメって人もいます。 そんな中、フェノキシエタノールもフリーの化粧水などが敏感肌用に現れています。その防腐は、DPG、BHT、 BHAなどが配合されています。 この成分、成分名としても見慣れない上に、何の為に配合されているのかもイメージがないのではないでしょうか? DPGとは、旧名称を「ジプロピレングリコール」といい、表示指定成分ではありません。配合上限もありません。しかし、肌トラブルに関しては、フェノキシエタノールより高いと言われている成分です。 BHTに至っては、表示指定成分であり、配合上限も1.0%でした。また、BHAも表示指定成分であり、配合上限も0.2%でした。 しかし、これが何気なく配合されているのは、「表示指定成分でチェックしても見つからないから」です。 BHTは、旧名称をジブチルヒドキシトルエンといい(BHAは、旧名称をブチルヒドロキシアニソール)、この名前で検索すると直ぐに表示指定成分であったことが分かります。名前が変わっていることで見つかりにくくなっているのですね。 このトリックをプロの処方家が気づかない訳がないのです。 本来、敏感肌用であれば、配合上限があるような成分であったり、表示指定成分などで防腐をとること自体が考え方としておかしいはずです。 「パラベンさえ入っていなければいい」、「エタノールフリーも謳いだいし」、「名前が変わったらから、皆気づかないだろう」と、いう軽率な発想が想像されます。 因みに、パラベンやフェノキシエタノール、BHTなどの急性毒性の検査結果を下記にカキコします。 急性毒性のチェックは色々ありますが、今回は「マウスに食べさせて半数が死ぬ量」を示しました。 LD50 5g/kg(マウス 経口) などと表現されます。これは、 (マウス 経口) → マウスに食べさせて試験しました。 5g/kg → マウスの体重は実際は数gなのですが、それを1kg換算したときに、5g食べたら、半数のマウスが死にました。 と、いう意味です。 つまり、60kgの人がこれを食べたとしたら、5g x 60 = 300g食べたら、50%の率で死にます。 と、いう意味です。 ただし、LD50 >8g/kgと表記された場合、8g以上食べても大丈夫という意味で安全性の高いことを意味します。 通常、LD50 >5g/kg以上であれば安全性が高いといわれます。 急性毒性の値
BHTやフェノキシエタノールに比べて、パラベンはいい成績ですね。50kgの人が数百g食べても死にません。BHTなどは、美容液ボトルより少し多い量(リポビタンDの半分の良)で、50%の率で死にます。この結果、意外だったでしょうか? 逆に言えば、皆配合上限が1.0%なのに、パラベンが多く使われた理由は、表示指定成分といえども、パラベンが断トツに安全性が高いからです。 この結果をどう見られますか? パッチテストと動物実験 新商品開発に当たって、よく人を用いたパッチテストが行われます。商品の宣伝として「パッチテスト済み」との表現もありますよね。 しかし、人によってアレルギーの原因は異ります。また、敏感肌とひと括りにして表現されますが、その原因も様々なのです。 実際に、0.25%以上のパラベンを使用したらピリピリくる方でもフェノキシエタノールは平気だったり、逆にフェノキシエタノールは少しでも入っていたら肌が反応するのもパラベンは全く大丈夫だったり・・・。他にも、クエン酸に敏感に反応する人や乳酸に反応する人、特定の植物エキスに反応する人、エタノールが駄目な人・・・。 敏感肌の原因も様々なのです。 パッチテストの試験は外国で行われる場合があります。特にアメリカに出される場合が多いですね。その理由は3つです。 1.契約をきちんと守れる試験機関が多く存在する 2.被験者が白人の方が反応がみやすい 3.安い です。 1の「契約をきちんと守れる試験機関が多く存在する」は、当り前のようですが、実際に試験を行うにあたってこっちが「見る」ことは出来ませんので企業としては信頼を置ける場所がいいわけです。 2の「被験者が白人の方が反応がみやすい」というのは一種の 奇弁ですね(汗) 皮膚や感作の問題は人種で差があるという説もありますので、日本人に使いたいなら日本人でパッチテストするのが一番です。しかし、日本人は「高い」のです。費用がメッチャ高くつくのです。そこで、中国などのアジア人種って手もあるのですが、今度は1の「契約をきちんと守れる試験機関が多く存在する」ってとこで引っ掛かる場合があるのです(全てがそうではないですが、現場では未だに日本の感覚と事る場合が多いようです)。 3ですが、なぜ安いのか?それは、アメリカでは囚人を使ってパッチテストを行ったりするからです。 「ひどい!」 と、思われたでしょうか?でも、日本でも、囚人は時給数円って環境で労働させられているのです。 また、医薬品と異なり、化粧品はその原料1つ1つは既に安全性のデータがあるで、化粧品のパッチテストは危険率が非常に低い仕事となる訳です。 上記に述べたように、化粧品やその原料の多くは既にデータ取りされた物が殆どです。ですから、今から新たな原料を作らない限り、動物実験は行われません。既存の原料を上手く調合して良いものを作る!これが処方師の腕の見せ所ですね。 ですから、「化粧品には新たな原料を使う必要はない!」という波があります。動物を使った試験を非動物実験に代行する事は難航しています。「化粧品には新たな原料を使う必要はない!」という波は、動物実験禁止の1つの方法ですね。 処方担当の仕事 処方担当とは新商品を開発する花形のように思われがちです。まぁ、そういった面もあるのでしょうが、実際には「世で最も下手くそな製品を毎日使う人」でもあります。 つまり、きちんと商品になるまでは100程試作を繰り返す訳で、その初期段階は、「すごい」製品となるのです。 例えば、泡の立たないシャンプーたっだり、3日したらドロドロになってしまう洗顔でであったり、髪がバシバシになるトリートメントだったり・・・。そんな有る意味多くの(自虐的な)人体実験を繰り返し、ちょっといいのが出来たかなぁ〜♪と、思ったら研究室の仲間に、更にいいのが出来たら、研究部全員に使ってもらって、ようやくモニターされ評価されます。 その他にも、車の中に置かれ高温に曝されることを設定した安定性の実験とか、長野や東北の冬場を設定した低温の安定性を確認する実験も行います。 人を使ったパッチテストは完全に商品化されることが決定した時点で行います。 こういった影ながらの自己犠牲(人体実験)が繰り返されて商品が生まれます。 勿論、器械にて測定できることも多くありますが、「器械の結果」=「人での結果」とはならあにのですよねぇ〜。 ベビー用日焼け止め 個々数年、化粧品のこどもブランドの市場も大きくなってきています。 そんな中、毎年話題になるのが、「こども用の日焼け止め」の是非です。 その昔は、「こどもは日焼けした方がいい!」と、間違った解釈がされていました。 オーストラリアなどでは、「12〜14時はこどもを外であそばせないように!」と国からのCMが流れているらしいです。今、日焼けは、百害あって一利なしと言われます。 こういうと、「日光に当たらないと出来ないビタミンもある!」と、反論される方もいますが、こういったタイプのビタミンは、日焼けしなくても、通常の日の光をあたっていればOKなのです。 話を戻しましょう。 最近話題のこども用の日焼け止め。そもそも、こどもの肌は新陳代謝(細胞分裂)が激しく、そういった状態にあまり化粧品を塗るのは如何なものか?と、いう発想があります。まして、化粧水やシャンプー・リンスとことなり、日焼け止めは色々特殊な成分が入っているので危惧される訳です。 その一方、やはり皮膚癌を懸念して日焼け止めは必要とする派もあるのです。 わたしは化粧品市場の人間ですが、こどもには日焼け止めは不必要だと、思っています。人も動物の1種です。自然治癒力があります。十分その力がある状態の時に、化学物質でフォローする、化学物質を肌に塗ったままにする方が懸念されるからです。 勿論、大人は別です。ストレスや食生活、加齢、体質変化などの理由で、自然治癒力の限界を超えている場合があるからです。その限界を超えてしまった状態に、ちょっとお手伝いをするのが化粧品だと思っています。 ちょこっとフォロー。これですね。 ですから、20代後半の大人の場合も、皮脂がきちんと出ているのなら乳液は不必要ですし、10代でも肌質的に皮脂の分泌が不十分なら乳液やオイルが必要です。自分の肌質、きちんと観察しましょうね。 アイメイクのポイント 「目は口ほどにモノを言う」と、いうように目は人に与える第一印象に大きく関与します。就職活動の時期になると、最近では面接用のアイメイクのコツなども紹介があるようですね。 一時期のアイメイクブームは去りましたが、まだまだアイメイクに凝る方は多いです。 クレンジングをするかとの回答には、1日1回行う方が6割を超えていると言われます。勿論、この全ての方がアイメイクを行っている訳ではないのですが、思った以上にクレンジングは多く使われているようです。 先日、自作の生薬化粧水などで有名なしんちゃんのサイトから発行されているメルマガ(5月15日号)にもカキコしたのですが、オレス−2、オレス−5、オレス−10という成分がアイメイク用のクレンジングに配合されている場合は、使用を差し控えた方がいいと、いうことをお知らせしました。 これは、平成16年4月7日に、東京都生活文化局消費生活部長から出された要望書がきっかけとなっています。 オレス−○とは、旧名称でいうポリオキシエチレンオレイルエーテルのことです。油分へのなじみがよく、メイク落しの機能を向上させます。 最近のアイメイクは「マスカラをまつげの内側に塗る」などひどい指導を行っている方もおられます。また、落ちにくくする処方上の工夫も向上して、簡単に洗顔だけではメイクが除去できません。 目の際ギリギリにメイクをすると、そこまでクレンジング剤を届かせる必要が生じます。クレンジング剤の多くはアルカリであったり、強い洗浄能力を持っていたりします。この働きは「タンパク変性」という現象を起こします。タンパク変性とは、(簡単に言えば)生卵がゆで卵になる現象。つまり、透明な白味が白く濁るように変化することです。こんな原料が目で起きたら大変です! 美を追求するあまり、安全性を忘れてはいけませんね。 そこで、ありきたりではありますが、安全なアイメイクのポイントを1つカキコします(因みに、わたしは処方担当者なので、メイク自体は詳しくないです 汗)。 それは、ホワイトスポット!実際に、白い点を付ける訳ではなく、周りの肌よりも2トーンくらい明るい色をちょこっと塗るって技です。 塗る場所は、「目頭」若しくは「下まぶたの外側から1/4辺り」です。 実際に、映像で見ると分かりやすいので、見比べて下さいね。 目元にホワイトスポットをあしらった場合。 目がきりっとしますね。
目じり側にホワイトスポットをあしらった場合。 目じりにアクセントがあると目が大きく感じられますね。
両方をナチュラルにつけてみましょう。
この技は、実は黒目を強調することで目の印象をアップさせているのです。 目をはっきりさせるために、目の周りをやたら黒いラインで覆うよりも、ちょっと明るいスポットをあしらうたけで目の印象は強調できます。色の変わりにそこにパールをちょっと塗布するって手段もありますね。 この技は、舞台や演劇で役者さんがよくつくぁれています。歌舞伎や宝塚歌劇団なんかでも目にするメイク法です。 緑茶カテキンの話 今、化粧品や食品系統で緑茶のカテキンが再認識されつつあります。 特に、脂肪の燃焼などを謳いにした健康食品系が多くありますね。 そんな中、緑茶カテキンはピロリ菌に効くという報告がありましたので、ちょこっと触れてみましょう。 まず、ピロリ菌とは、胃潰瘍や胃ガンの原因とされる菌です。胃の中に存在し、種類的には「グラム陰性のらせん菌」に属します。一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? さて、このピロリ菌に有効な食品として、緑茶カテキン以外にも、シナモンのエタノール抽出液、タイムの水抽出液、ニンニクエキスなどもあるようです。 その中で、今回紹介する緑茶カテキンについて、お話をしておきましょう。 緑茶カテキンは(ご存知の方も多いでしょうが)緑茶の苦味成分です。乾燥茶葉の15%を占め、熱水抽出される成分の50%を占めるといわれます。 そもそもカテキンとは、総称名でして、熱水抽出されたカテキンは、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンなどがあり、特にエピガロカテキンガレートはその50%近くを占めます。 これまで、カテキンには、抗菌作用、抗酸化作用、アポトーシス誘導作用などの報告があります。 さて、どのくらいの濃度の緑茶カテキンで、ピロリ菌に有効なのでしょうか? 試験管内の実験では、緑茶カテキンの主成分である「エピガロカテキンガレート」が500μg/mLあればいいそうです(静岡県立大学 高岡氏 報文参照)。これは、濃い目の緑茶程度の濃度らしいです。 しかし、これは動物実験では上手くいきませんでした。実際にその濃度を飲ませても、ピロリ菌に関して効果がないのです。 その理由は、試験管と違い、胃の中では緑茶が流れてしまうからです。つまり、 その点に関して、高岡氏は、ショ糖エステルの一種を用いて成功させています。 ショ糖エステルの一種に緑茶カテキンを吸着させることで、胃の中での滞在率を3〜13倍にアップさせました(カテキンの種類によって滞在率は変わる)。この一工夫で、ショ糖エステルの一種に吸着させた緑茶カテキンを食べることによってもピロリ菌を抑制することが出来るようになりました。 ポイントは、「持続」、「長期滞在」でじわじわ効かせるってトコですね。 同じような工夫が、美白化粧水にもあります。 ビタミンC誘導体は多く存在するのですが、その中に「アスコルビルグルコシド」という名称のビタミンC誘導体があります。これは、弱酸性の処方上で安定していて、肌に塗ったときに、徐々に分解してビタミンCとなり、長い時間を掛けて美白の仕事をします。 効果を得るには、「濃度」以外にも「持続性」も大切な要因なのですね。 夏色ファンデーションと冬色ファンデーション 皆さんはファンデーションを何色お持ちでしょうか? 化粧品の宣伝では、大きく春夏用と秋冬用のファンデーションが区別して販売されますよね。 1年中日焼けしなければ、同じ色のファンデーションでもよさそうなものなのに、実際に、冬に使っていたファンデーションをこの時期になると合わなくなってきます。 その理由は、肌の乾燥による「ノリ」もあるのですが、実際に肌の色も(日焼けに関係なく)季節変動しているのです。 季節の変動で、大きく気温が変わります。それに伴って、恒温動物である人は体温を維持しようと生理機能が働きます。具体的にいうと、肌表面近い部分の毛細血管の拡張に差が生じて、夏場は黄色みが増し、冬場は赤みが増します。微妙ではありますが、この色変化がファンデーションを塗った時に強調されるのです。 黄色みが増すということは、見た目上くすんで見えるので、夏のファンデーションはそういった色対策がされているのです。 紫外線吸収剤ってどれ? UVカット化粧品を多用する季節になりましたね。 何かとトラブルの多いUVカット化粧品。少しでも安全性の高いモノを選びたいものです。 その方法の1つとして、「紫外線吸収剤の添加された処方を避ける」という手段があります。 その前に、なぜ、紫外線吸収剤が悪いといわれているのか、簡単に紹介しますね。 まず、紫外線をカットする原料として、紫外線吸収剤と紫外線反射剤があります。紫外線吸収剤とは、紫外線のエネルギーを自ら吸収して、自分自身は分解されてしまうというモノです。問題点は、「どんどん分解されるのでSPFが使用中にどんどん変化する」、「分解されたモノが肌に悪影響を及ぼす可能性が危惧される」の2点です。 一方、紫外線反射剤とは、文字通り、鏡のように紫外線を単純に反射させるモノのことです。具体的には「酸化チタン」や「酸化亜鉛」がソレにあたり、使っていて効果が減ることはありません。紫外線吸収剤に比べて「配合上限がない」、「安全性が高い」、「機能が衰えない」などの良点があります。 では、紫外線吸収剤の見分け方をご紹介しましょう。 「○○PABA○○」と書かれているモノが基本的に紫外線吸収剤だと思って下さい。 後、サリチル酸オクチルやサリチル酸グリコールなど「サリチル酸○○」てのも吸収剤ですね。 更に、「オキシゾン-数」ってのも吸収剤です。 全成分表示になって、名称が多く表示されて分かりにくいですよね。そこで、 「○○PABA○○」 「サリチル酸○○」 「オキシゾン-数」 以上、3つをまずチェックですね。 (注意:以上の例は、「UVカット剤」に使用されている成分についての簡単な吸収剤の見つけ方です。シャンプーなそもにもサリチル酸○○が入っていますが、それらは紫外線吸収剤ではないでしょう。) 後、紫外線吸収剤は、SPF30以上の処方に多く添加さてている可能性が高いです。酸化チタンや酸化亜鉛でフォローしきれなかったSPFを補う為に、紫外線吸収剤が添加されるのです。 これから、夏のシーズン、毎日使われる方も多いでしょう。折角の全成分表示ですから、上手く活用したいですね。 ありえないリスト ありえないリスト1 海藻コラーゲン、植物性コラーゲン コラーゲンとは、動物の腱の部分に多く含有するらせん状のタンパク質繊維です。皮膚では真皮に存在して肌のハリ感をつかさどります。動物特有の成分で植物からは取れません。従って、海藻コラーゲン、植物性コラーゲンなどは存在しないのです。 無いのに有るという理由 コラーゲンは他のタンパク質に比べて「プロリン」や「ヒドロシキプロリン」を多く含むことが特徴です。勿論、最も特徴的なのは、3本のらせんで出来ていてで繊維状の構造を持つことです。この後者(らせん構造)を無視して、ただ単に「プロリン」や「ヒドロシキプロリン」を含むことを理由に勝手にコラーゲンの仲間入りをさせたのが海藻コラーゲン、植物性コラーゲンです。 因に、「海洋性コラーゲン」とは、魚由来のコラーゲンのことで、これは存在します。 ありえないリスト2 植物性プラセンタエキス プラセンタとは「胎盤」を意味します。胎盤は哺乳類特有の器官ですね。植物にあるはずなどないのです。 無いのに有るという理由 プラセンタ→胎盤→女性の器官→女性ホルモン→女性ホルモン様物質含有という連想ゲームで勝手に生まれたのが植物性プラセンタエキスです。主にダイズイソフラボン系の抽出液を指すようです。因みに、プラセンタエキスには美白効果がありますが、イソフラボン系には美白効果はありません。 ありえないリスト3 液状の「ヒアルロン酸原液」、「セラミド原液」 これはご存知の方が多いでしょうか。元々、ヒアルロン酸Naも、セラミドも100%なら白い粉です。 無いのに有るという理由 原料メーカーが、化粧品販売店に卸すヒアルロン酸Na水溶液やセラミドグリセリン混合液をそのまま瓶詰めにしたのがこの「原液」と表現されるモノです。ヒアルロン酸Naの場合は、多くが1%水溶液です。1%水溶液と表現すると「薄い!」と思われる為、それを避けた宣伝戦略ですね。因みに、ほぼ100%の率でパラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤が添加されています。 ありえないリスト4 黒く染め上がる天然成分100%のヘナ ヘナによるヘアカラーリングはもう有名になってきていますよね。未だに雑貨扱いの原料であるヘナですが、好きな方は多いようです。ヘナ自体は確かに天然物なのですが、ヘナ100%で染めると「赤系」に染まり、決して「黒系」にはなりません。因みに、ヘナで染めるとトリートメント効果もあり、髪にはいいというデータもあるようです。 無いのに有るという理由 黒く染め上がるヘナには酸化鉄や染料などの混ざり物が入っています。よく「ブラックヘナ」と称されるモノはその系統ですね。天然100%のイメージで売っておきなから、実際は化学系の成分を含有させている悪質なイメージ戦略の1つです。また、こういったモノに含まれる酸化鉄や染料は粗悪なものが多く、それがトラブルの元になっている場合もあります。 ありえないリスト5 植物性だから安心と謳われる「植物性乳化ワックス」 これは、わたしのサイトへの質問によくあるモノです。自然派コスメ、手作りコスメの方が多く使われる「植物性乳化ワックス」は、植物性だから大丈夫!といわれているそうです。しかし、調べてみると、この「植物性乳化ワックス」の殆どは「セタノール(セチルアルコールも同意語)」だったり「ステアリルアルコール」や「セトステアリルアルコール」などの表示指定成分で出来ています。手作りする理由の1つは、表示指定成分を除外したかったらじゃなかったのでしょうか・・・。 無いのに有るという理由 石油系→悪、植物系→善 というイメージを逆手にとった販売戦略ですね。因みに、表示指定成分だから万人がかぶれる訳ではなく、たまに肌トラブルを生じる可能性があるという成分です。ただし、手作りとか天然にこだわる理由に、表示指定成分を除きたいという意図があるはずですよね。 ありえないリスト6 「石油系、合成だから必ず悪い」と、一括してしまう原料紹介。 最近は、そうでもなくなってきましたが、「石油系」とか「合成」という言葉に過敏に反応して、そういった全てのモノが体や自然に悪い!と決めつけ、情報を固定していまう方(サイト)がいます。 原料も、動物実験も昭和の時代と今では随分変わりました。 同じ原料でも、その精製度が上がったことで、トラブルが生じなくなったモノは多く存在します。つまり、そのモノが悪い訳ではなく、そこに含まれていた不純物が悪かったのですね。 また、ちょと化学系の部位を付けることで、今まで刺激が強かったモノを改善した例は数多く存在します。 石油系でも安全性の高いモノとして、ミネラルオイルやジメチコン(シリコン)、ワセリン、カルボマー、BGが有名です。また、合成されるモノとして、尿素、ビタミンC誘導体、コハク酸、セラミドなどはまず合成です。 石油系だから、合成だから危険という考えは、そろそろ古い時代遅れの考えになってきていますね。 最近はやりのパイナップル酵素を検証する パイナップル酵素は、最近TVでやってから流行のようですね。手作りコスメなどでは、パイナップルの芯の部分に多く含まれるなどと紹介しています。 さて、このパイナップル酵素、化粧品に配合可能な成分でもあります。全成分表示では、「ブロメライン」という名で表されます。定義:は、「本品は、パイナップル果汁から得られる酵素である。」となっています。 実はこの原料、医薬品としての使用もされています。蛋白を分解する作用があり、「蛋白分解酵素薬」とか「消炎酵素薬」と呼ばれています。 そういえば、料理の際に、肉を柔らかくさせる為にパイナップルやその果汁を使いますよね。 このブロメラインは、医薬品の効果としては、炎症による腫れをやわらげたり、傷んだ組織をきれいにして治りをよくします。また、痰や膿を分解して、排出しやすくします。そのような作用から、カゼを含めて、気管支炎や喘息、外傷など炎症を伴う病気に使われています(ヒト以外に、兎の膿症の治療に使われた例もあるようです)。 ただ、医薬品として扱われる場合、症状により、飲む量や飲み方が違がったり、飲み合わせの悪い成分があったりするようで、注意が促されています。特にアレルギーのある人は注意だそうです。 勿論、医薬品には副作用もあり、「発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃の不快感、吐き気、鼻出血、血痰などの出血傾向」などが報告されています。 医薬品で使う場合、高濃度で使用しますので、上記のような症状がおこります。 化粧品の場合、元々の原料自身がデキストリンなどの糖で薄められてブロメライン自体の濃度は9%程度です。それを更に数%しか配合しないので、かなり薄いですね。そこで、じっくり使って頂く為に、化粧水よりもパック剤やクリームに配合される場合が多いようです。 しかし、パイナップル酵素やパパイン(パパイヤ)酵素は、粉の状態なら安定ですが、水に溶かすと即分解が始まります。パックやクリームといっても水が入っています。水のリッチな製剤中では、何日ももたないと思われるのですが・・・。 そういえば、「ノニ」というフルーツ(?)をご存知でしょうか?そのノニにもこのブロメラインが含まれているようです。しかし、ノニは不味いらしいですね。TV番組では罰ゲーム的な扱いで飲まれていました。 最後に、 やはり手作りでパイナップルを使ってみたい人へ 缶詰のパイナップルは熱加工がしてあるのでブロメライン活性は無くなっており期待出来ません♪酵素は熱に弱いですからね。でも、お肉を柔らかくする為に、缶詰パイナップルとかを使ったような・・・。 弱酸性の化粧水のプロの技 医薬部外品の化粧水には有効成分というものがあります。美白ならビタミンC誘導体であるアスコルビルグルコシドなどがそうです。 このアルコルビルグルコシドは、ビタミンCに糖が付いた形です。この糖が付いた形では、美白効果を示しません。しかし、弱酸性の処方に添加した場合非常に安定します。逆に、ただ単にビタミンCを弱酸性の処方に入れると、皆さんの手元に届くまでに(商品の中で)酸化されて効果がなくなってしまうのです。 しかし、このアルコルビルグルコシドは、先に述べたように、弱酸性処方中では安定しています。ただのビタミンCのように商品の中で分解されることはありません。 そして、この成分は、肌に塗った時に、もともと人の肌にある酵素の働きによって、じわじわとビタミンCと糖に分けられ、美白の効果を示します。 じわじわ効く! これがいいのですね。 それから、医薬部外品の有効成分のもう1つにグリチルリチン酸2Kというものがあります。これは生薬である甘草由来の消炎剤です。肌荒れの改善効果を持ちます。このグリチルリチン酸2Kは、実はpHによって肌への吸収率が異なるのです。 この用に、pH4〜5の弱酸性で処方された場合、肌への吸収が高くなります。 「弱酸性がいい」理由として、(宣伝文句として、)誰もが分かり易い理由をあげて、肌のpHと同じであることを謳いにしますが、「肌と同じ弱酸性だから♪」と、いう簡単な理由だけで弱酸性が選ばれている分けではないのです。やはり、機能や効果への配慮がプロの処方には隠されているのです。 アカネ色素にご注意 平成16年7月5日に、厚生労働省から「食品添加物であるアカネ色素」について発がん性の疑いがあるので、製造・使用禁止措置の発表がありました。 これは、平成16年6月18日に、厚生労働省宛に、国立医薬品食品衛生研究所から「食品添加物であるアカネ色素について(未だ全ての試験結果は得られていないものの)腎臓に対し発がん性が認められたとの中間報告」に起因する対応です。データ的には「アカネ色素が5%混入したえさを2年間与え続けたマウスのうち、雄の80%が腎臓がんを発症」とう高い確率のモノです。 ただ、平成16年7月の地点ではアカネ色素やこれを含む食品による人への健康被害は報告されていないようです。 アカネ色素とは、元々食品添加物で、天然の赤色色素です。ハムやかまぼこ、中国製の輸入菓子などに使われていました。 一方、化粧品原料としてあ、アカネ根、セイヨウアカネ根、セイヨウアカネ根エキスがあります。その定義は、 アカネ根→定義: 本品は、アカネ Rubia cardifolia の根である。 セイヨウアカネ根→定義: 本品は、セイヨウアカネ Rubia tinctorum の根である セイヨウアカネ根エキス→定義: 本品は、セイヨウアカネRubia tinctorumの根のエキスである。 と、あります。どうもアカネとセイヨウアカネは近種のようです。 今回、食品部門で問題になった「アカネ色素」の定義は、「セイヨウアカネの根から得られる」だそうですので、化粧品原料のセイヨウアカネ根やセイヨウアカネ根エキスにもろ相当します。ただ、化粧品でいうアカネ根はちょっと違うかもしれませんが・・・学術名的に近種なので、避けたいですね。 こういった色素に関しては米の方が厳しいようで、食品添加物として米では既に認められていません(欧米では天然のアカネ色素に含まれるアントラキノン系物質は、肝臓障害や発ガンの原因物資として疑われていました)。しかし、日本を含め韓国や中国では使われていました。 ただ、食品の表示欄には、「着色料(アカネ)」や「アカネ色素」と表示義務がありますので、入っているかどうかは見れば分かります。 しかし油断も禁物です。食品ではないですが、セイヨウアカネは「マダールート」という全く別の名でハーブとして販売されている可能性があるそうです。 因みに、食品用の赤色天然色素は下記のようなモノがあります。その内多くは、多少の呼び名は異なるものの、化粧品原料としても登録されています。(注意:今回のお話は、アカネ色素の危険性を話したもので、「赤色色素=危険」という意味ではありません。) また、今回のアカネ色素についての厚生労働省からこコメントを見たい方は以下を参照下さい。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0618-1.html
アカネ色素問題に学ぶこと 天然だから、安全というのは神話になってしまっていますが、(造語ですが)偽話である事もご存知でしょう。今回はいい機会なのでそのあたりについてお話しましょう。 「天然色素だから、いいのよ♪」 と、言われると確かにそう思ってしまいます。しかし、逆に 「アントラキノンやL-アスペルロサイドは体に悪いそうよ!」 と、言われるとそういった化学物質は体に悪いと思ってしまいます。実はこの2つの言葉は、同じ「モノ」についての話なのです。つまり、アカネ色素にはアントラキノンやL-アスペルロサイドが含まれているので、アカネ色素を使うという事は、アントラキノンやL-アスペルロサイドを使うということなのです。 では、ここで、アントラキノンとL-アスペルロサイドというモノの話と、アカネ色素の元となったセイヨウアカネの歴史をお話しましょう。 まず、アントラキノンですが、アントラキノン系成分は大黄、センナ、アロエなどに見られる淡黄色の成分です。大黄、センナ、アロエなどは生薬抽出されている方は少なからず耳にしたことのある植物名ではないでしょうか? 生薬の大黄はアントラキノンを多く含み、中国の漢方の書である神農本草経では下品(あまり良くないモノの集)に収録されているようです。 アントラキノンには強い下剤効果があり、含有量の多いセンナが、下剤のメジャーな ようです。 医薬品の一部にはアントラキノンの毒性を軽減すべく工夫がしてありますが、ダイエットや便秘治療に使用されている、薬草茶や健康食品にはそのような細工は期待できません。アントラキノン系成分を含有する薬草茶や健康食品の常用や多量摂取には危険性があると言われています。 更に、L-アスペルロサイドについてお話しましょう。 これは、わたしは詳しくはないのですが、ネットで調べると、L-アスペルロサイドはノニの主成分として紹介されているイリドイド配糖体のようです。ハワイ、フィジー、メキシコなどで健康食品として強壮、腫瘍治療などに用いられるらしいです。ノニは食品系でちょっと知られてきていますよね。ニノ自体の有害性については不明です。しかし、L-アスペルロサイドなどのイリドイド配糖体は酸化すると、毒性を示すといわれます。ですから、ニノのジュースは市販しても大丈夫?と、いつも思います。そこんトコどうなのうでしょうか?詳しい方はおられますか? 今度はアカネ色素の元となったセイヨウアカネの歴史です。 南ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ アカネには利尿剤などのハーブ、生薬として使用されていた歴史がありますが、効果が疑わしいために現在ではあまり利用されていません。ヨーロッパの民間では、胆管結石治療などに、現在も使用されることがあるようです。 主成分は、先のあげたアントラキノンとL-アスペルロサイドの他にルベリトリン酸、アリザリン、プルプリンなどが知られています。 実は、上記にちょっと触れたように、セイヨウアカネの安全性の危惧は、アロマ系の世界では既に周知の風があったようです。また、欧米では天然のアカネ色素に含まれるアントラキノン系物質は、肝臓障害や発ガンの原因物資として疑われていました。 しかし、日本では1997年に、名古屋市立大学、大雄会医科学研究所などから、発ガン性を否定する研究(ラットによる)が発表されており、この度、厚生労働省がその決着を付けるべく、国立医薬品食品衛生研究所に試験を依頼し、使用停止の指示を出しました。 美白で有名になったコウジ酸の問題もそうですが、即効性のある原料には、天然であろうと無かろうとそれなりの副作用があるのです。 だって、「即効性がある」ってことは、「弱った細胞を無理に働かせている」ということなのです。「自然治癒力の補助」などのいった生易しいモノではないのですね。 嘗て、「漢方薬には副作用がない!」と、信じられてきました。しかし、そう信じていた時代の漢方薬の使い方は、「病気になった時に使う」のではなく、「病気になる前の健康な状態の時から使う」方法でした。 日頃の健康な状態の時からのケアこそが、「自然治癒力の補助」だと思います。それこそ、化粧品の分野なのではないか?と、思うのです。 コエンザイムQ10について 2004年1月23日にニベア(花王)さんから、4月10日にニベアからコエンザイムQ10入りのクリーム「ニベアボディバイタルファーミングQ10」が全国販売されるとありました。しかし、この7月の時点で、ネット上に商品を発見できません。 また、この5月にDHCさんもHPでコエンザイムQ10配合のクリームの販売中止を発表しています。 化粧品は、2001年の規制緩和に伴って、何でも自社の責任で配合が可能になっています。ただ、本当に何でもOKという訳ではなく、配合して製造する事のできない理由が大きく2つあるのです。 1つ目は、旧表示指定成分を含めたトラブルを生じる可能性のある成分です。具体的にはパラベンなどは、配合上限1%です。また、コラーゲンなどウシ由来の原料の使用も何かと限定されています。美白で有名なコウジ酸も安全面の保障ができなく配合が不可となりました。 もう1つは、医薬品としての効果が期待される成分です。具体的には、抗シワ効果を期待されたビタミンKです。その他にも、抗老化を期待された(今回話題の)コエンザイムQ10も化粧品への配合が困難になりました。 このコエンザイムQ10、元々栄養機能食品用として2001年より流通し始めました。しかし、メーカーによって錠剤の溶ける時間が5〜90分と大きく幅があったりして、「医薬品程ではないが、一定の品質試験を課す必要がある」という声も上がっていました。 何かと曰く付きの原料ですが、その働きは医薬品レベルだってことでしょうかね。データで紹介を受ける限り、優秀な原料です。しかし、医薬品並みに効果が期待されるという裏には、それなりに副作用もある可能性が高いってことですね。 そもそも、コエンザイムQ10とは、ユビキノン-10といわれ細胞内の代謝に大きく係る補酵素です。それだけでも効果がありそうですが、抗シワ、抗酸化、美白などのデータも存在します。 使えなくなるのは残念ですね。 セルロース、キトサン、ヒアルロン酸 皆さんは、化粧品の原料として、セルロースやキトサン、ヒアルロン酸などをよく耳にすることでしょう。しかし、そのモノについては結構知っていないヒトが多いのですよね。 今回は、そのセルロースやキトサン、ヒアルロン酸の話です。 まず、その起源をお話しましょう。 セルロースは、植物繊維です。ですから、植物由来になります。セルロース自体は、水に溶けないのですが、このセルロースにちょっと合成をした「○○セルロース」などが、シャンプーやリンスなどに配合されます。 次に、キトサン。これは、わたしが絶賛する原料の1つです。化粧品原料としての由来は、カニが多いですね。他にも、実験レベルでは、烏賊(イカ)の軟骨から取る場合もあります。医療的には、火傷した部分に使う人工皮膚に使われるなど、アレルギー性の極めて低い原料です。 最後に、ヒアルロン酸。化粧品の原料としてはヒアルロン酸Naとして有名です。起源は、鶏のトサカ由来のものと、乳酸菌から作るバイオタイプがあります。 この3つは、それぞれ、性質がかなり違います。ヒアルロン酸Naなどは、保湿力で有名ですし、キトサンは被膜性で有名。セルロースは、反応性が低いので、パウダーとしても使われます。 しかぁ〜し、この3つ、非常に似ているのですよね。 基本構造は「糖」が直線的に繋がった形です。下記に図を示します。六角形をしているのが「糖」です。 キトサンとセルロースは本当に似ています。一部がOHかNH2かの差です。 ヒアルロン酸は糖2つで1組になって、繰り返し繋がっています。 モノを扱っている時には、全く違う感じなのですが、実は構造的には似ているのですよね。 因に、「植物性ヒアルロン酸」などと戯言を言っている「ポリグルタミン酸」はヒアルロン酸とは似ても似つかない形をしています。 図の最後に示しましたのが、合成系で有名なカルボマーの基本構造です。アクリル酸とう構造の連続なのですが、非常にシンプルです。合成物ですが、アレルギー性の非常に低い安全性の高い原料です。 名前や由来だけでは、そのモノの本質には近づけません。こんな構造のことまで考えて我々は処方を組んでいるのです。 肌の断食 肌の断食、そんなことばを始めて聞きました(汗) 実は昨年くらいから話題だったようですね。 肌の断食とは、週末などにスキンケアを行わないコトらしいです。メイクじゃなくて、化粧水も乳液もクリームも使わないコトらしいです。どうなのでしょうか?実際・・・。 現在、日本の女性の半数以上が自称敏感肌だと言われています。自称ですから、本当はどうか分からない訳です。しかし、欧米で人気のあった化粧水を日本に輸入したら、トラブルが多く発生した!って話はよく耳にします。欧米の処方開発者は、日本向けに再調節するとも聞いています。そのくらい国際的にも敏感肌体質の国なのです。 日本の敏感肌が増えた原因は、ストレスだのエアコンだの、空気の汚れだの言われていますが、基本的には「洗いすぎ」が原因と考えられています。 朝起きて、洗顔フォームで顔を洗う習慣があるのは、日本だけです。外国では、水やぬるま湯だけで洗います。寝る前だってそうです。 他にも、日本人は(今は減りましたが)、朝シャンと称して、朝、晩にシャンプーをしたりします。また、お風呂に入浴するという習慣も日本独特ですね。外国は「毎日入浴」などという習慣はないですからね。 これだけ綺麗好きの日本人。そりゃ、肌の油分やバリア成分も、洗い流されて、バリア機能も薄くなってることが想像できます。 わたしの嫁も、重度のアトピーなのですが、汗でかぶれると言って、毎日朝晩にシャンプーしていました。 「今時のシャンプーは、1日2回使っても問題はないけど、あぁ〜た(あなた)の場合、肌バリア弱いのだから、朝はシャンプーなしで、すすぎだけにしなさいな。」 と、いうと、 「それで汚れが落ちるのか?」 と疑問視されました。そこで、シャワーの温度をいつもよりも1℃上げてやるだけで、随分感じが変わるといい、今では、朝はシャンプーは使っていません。どうしてもゴワゴワする時は、リンスだけを使っています。 業界のわたしが言うのもなんですが、「1日や2日、風呂に入らなくても、病気にはなりません」です。 肌の断食、無理せずやるなら、結構いい発想なのうではないか?と、思いました。 化粧品のQ&A ここのところ、様々な化粧品に関する質問が寄せられていますので、そのへんをまとめてここにカキコしますね。と、いうことで、今回は、化粧品に関するQ&Aです。 Q1 トリートメントやリンスを髪につけて、タオルで巻くと、効果があがりますか? A1 トリートメントは髪の修復作用が主な仕事です。従って、髪の傷んだ部分から浸透したり、傷んだ部分に吸着いたりするので、トリートメントは、タオルを巻いて、すすぎまで時間をおくのは有効です。と、言っても、3分も巻いていたらOKです。 一方、リンスは、髪をコートすることでキューティクルの修復をしたり、髪の手触りを改善したりすることが仕事です。主に、その仕事はシリコンが行います。リンスの仕事の仕方は、「リンスを髪に付ける」→「水を多量に加える(すすぐ)と、リンス内のシリコンがリンスから溶出し、髪に吸着する」→「髪がコートされる」と、なります。 シリコンが髪に付くのは、髪が疎水性だからです。水に溶けないシリコンは、多量の水の中では居場所がないので、疎水性の髪に引っ付くのです。(ここでポイント:頭皮は親水性です。ですから、リンスのシリコンが頭皮に選択的に吸着することはないです。) ですから、リンスは髪に塗って、直ぐにすすいでも効果は同じです。 ただ、最近はコンディショナーなるリンスとトリートメントの両方の成分を持っている商品があります。そういった場合、修復成分を考慮すると、タオルを巻くのもいいでしょう。 Q2 リンスインシャンプーはどういう仕組みになってるの? A2 シャンプーは、頭皮や髪の汚れを取るコトが仕事。主にアニオン界面活性剤が主剤となります。 一方、リンスは髪に修復成分や柔軟性を与えるコトが仕事。主に、カチオン界面活性剤を使います。 シャンプーもリンスも同時に!と、なると、一般の方は「シャンプーとリンスを混ぜる!」と思われるでしょうか?実は、それは無理です。アニオンとカチオンは性質が反対なので、両方を入れると、沈殿してしまいます。そこで、シャンプーもリンスも1つの商品でやる場合、「両性界面活性剤」というまた違った性質の活性剤を使います。これは、洗浄力もありますし、リンス効果もあります。 ただ、器用貧乏なトコがありまして、洗浄力はアニオンに劣りますし、リンス効果はカチオンに劣ります。 ただ、2つの機能を適度には持っています。「リンスインシャンプー」はこの両性界面活性剤で出来ています。まぁ、食品でいうなら、「リンスインシャンプー」はレトルトとかのイメージかな。便利だけど、やっぱりちゃんと調理した方が美味しいでしょ。・・・でも、便利なんですよね(笑) Q3 化粧品業界は、どう変わっていくの? A3 イメージでいうなら、昔は「効果」でした。それが今は「癒し」ですね。次は「エコ」だそうです。 ヨーロッパでは、もう「エコ」が定着しています。「エコ」とは自然に優しいこと。排液の分解性は勿論、製造時の加熱温度を低くすることで使うエネルギーを減らす→電気に使う火力燃料が減る→エコ と、なります。 他にも、ある植物オイルは、アマゾン原産のオイルなのですが、その売り上げの一部で、森林伐採に寄付され、焼畑農業から定置方農業に移行する手伝いなどをしています。 それから、昔は医者と化粧品業界は仲が悪かったのですが、最近はタッグを組みつつあります。医者も化粧品の持つ力は保湿力だけではなく、精神的な面も大きくカバーすることを認めたようです。「病も気から」は、案外嘘じゃないんですよね。 後、余談ですが、サロン業界も変化しつつあります。今まで野放し状態に近かったサロン業界ですが、今後は業界的な改善の動きがあり、悪質なサロンは減るようです。 Q4 動物実験はどうなりますか? A4 既に、欧米の流れを受けて、動物実験は日本でも行われない方向にあります。 動物実験に於て、「御社は動物実験を行っていますか?」などと、化粧品メーカーに打診しているナンセンスなサイトがあります。なぜ、ナンセンスかというと、化粧品の場合、動物実験は主に、その原料の段階で行われます。原料は、化粧品メーカーではなくて、化粧品の原料を扱う、原料メーカーの域なのです。 その化粧品メーカー自体は動物実験を行っていなうても、その化粧品メーカーの原料購入先は必ず行っています。と、いうか、動物実験とヒトパッチテストの陰性データのない原料は扱われることはまずありません。 ただ、日本の化粧品原料の安全性の確立は既に10年程前に完成しており、新規の原料以外で原料メーカーが新たに動物実験を行うことはありません。つまり、10年前のデータを使い回ししているのが多いのです。 (ここだけの話ですが、新規の化粧品原料をまじめに審議する場合、動物試験、ヒトを用いた実験で使われる総額は数千万円です。そりゃ、10年前のデータでも使い回ししますよね。) 逆に、化粧品メーカーで行われている動物実験は、製品を使ったヒトパッチテストが主です。ヒトも一種の動物ですからね。最近は、敏感肌様に「パッチテスト済み」などの表示がありますが、大手のメーカーはその表示の有無に係らす、必ずパッチテストを行っていますよ。 Q5 医薬部外品は全成分表示をしないの? A5 数年内に、医薬部外品も化粧品のような全成分表示を行う予定です。今のところ、平成18年がメドのようですが・・・。その前は、平成15年がメドとか行ってましたから・・・。でも、必ずやるでそうね。 それに先駆けて、幾つかの化粧品会社は、医薬部外品の全成分表示を行っています。しかし、そこにも問題があるのです。 厳密な話ですが、化粧品と医薬部外品は別になります。今、行われている化粧品の全成分表示は、化粧品用の表示名称を新たに作ったものです。ですから、医薬部外品に使う全成分表示の名称をどうするかが決まっていないのです。 具体的には、「ニンジンエキス」などの表示が医薬部外品の育毛剤にあります。化粧品でも、以前はニンジンエキスと称していたのですが、今は、「オタネニンジンエキス」と名称が変わっています。他にもそういった例は多く存在しますので、そのあたりの調整が遅れているのですね。 他にも、どんどん、質問、お待ちしていますね。 最近、思ったこと 最近は、商品だけでなく、サイト斬りも影ながらやったりしています(苦笑) やはりネットは玉石混合だなぁ〜と、つくづく思うのです。 その中には、サイトをやっているヒト自体はきっと悪くないのだけど、商品を売りたいが為か、その商品を説明した業者の言葉を鵜呑みにしすぎているのか、過剰な表現が沢山存在します。 「ああ、こういう表現を読んで、買ってしまって、その結果『化粧品のメーカーは嘘が多い!宣伝の為に平気でだます!』と、思われるのだなぁ〜(泣)」 と、悲しくなります。 そんな中、美しい表現や、良いポイントを表現されているトコもあります。 今回は、そんなお話です。 例えば、岡部美代治さんのサイト(わたしのリンクから行けます。@コスメなどにもコメントを書かれていますので、ご存知の方も多いでしょうか)から、「最近の気になる美容の話 →話題 90、「化粧品専門店に行ってみよう (3)」 (2004年 6月29日)」を拝読させて頂き、その中に2つ「いい表現だなぁ」と思ったモノがります。 1つは、「美容発見」です。 美容とは、その方の中にある美を気づかせ、気づいてくれると、表情だけでなく、実際の肌質も変化すると思うのです。薬の様に化粧品を扱う時代になっていますが、自分の中の今ある「美」に気づく方がよっぽど美しい表情になれるコトを忘れてはいけませんよね。 もう1つは、「例えどんな些細な疑問でも積み重なっていると、意外に気持ちの上で負担になっている」です。 自分の肌に自信がない方や、悩みの多い肌質の方は、特に化粧品に関する多くの疑問を持っています。その反面、メーカーに問い合わせると「宣伝」や「都合のいい話」ばかりされそう・・・更には(カウンセリングなんか行ったら)何か買わされそう! と、思い、多くの疑問を抱えつつ化粧品を使っている方が多いですね。それに、パソコンじゃぁないですが「今更聞けない・・・」って、話もありますしね。 その為に、ネットという道具があると思うのです。どんどん聞いちゃいましょう! (因に、わたしのサイトに質疑する際に、過去ログチェックの必要はありません。いつでも、気軽にご質問下さいね。また、折角ハンドルネームがあるのですから、「今更聞けない話」も募集しています♪) 最後に1つ。これは、サイトではないのですが、最近行われた発表です。 「医療現場からみた香粧品(化粧品)への期待」と題して、 皮膚科の先生の発表がありました。 そこには、「化粧品の有用性の1つに心身医療的な効果があり、欧米では早くからcosmetic therapy(化粧品療法)としてのうつ病や精神性の病の患者に有用されている」とありました。 実は、今まで、化粧品業界と医療業界は犬猿の中だったのです。しかし、ここ数年でかなり互いに歩み寄り、医療関係でも、化粧品による保湿効果は勿論、心理面への効果も認められつつあります。 化粧をするということは、社会の中に自分の存在を「自分が認める」ということです(ちょっと難しい表現ですが)。人と接することが、人を元気にします。そんな元気のお手伝い・・・化粧品にも出来るのではないか?と、思っています。 |