最新情報へジャンプ 香料というモノは、揮発性の液状油であるコトが殆どです。 その原料は、大きく分けて、3つに分かれます。 1)植物由来(花、種子、果実、葉、樹脂等) 2)動物由来(麝香等) 3)合成香料(木材系、アルコール系等) 天然であれ、合成であれ基本的に香料は非水溶性であり、化粧水や美容液には界面活性剤フリーではなかなか溶かすコトができません。実際に、香料業界では「水溶性香料は業界の永遠のテーマ」と言われています。 でも、少し考えてみて下さい。ローズ水などの◯◯水という言葉を聞いたことはあると思います。 精油を作る際に、水蒸気で蒸留するのですが、その回収した高温の蒸気を冷却して、下に溜まるのが水相、上に浮くのが油相であり、この油相が精油となります。そして、下の水相がローズ水などになります。 つまり、精油の中にも水に溶けやすい成分があるのです。 また、実際に、精油などを蒸留すると、水相と油相は奇麗に分離しません。水相と油相の間に「懸濁相」といって「濁った部分」が出来ます。この部分は自然に出来た乳化部分です。 いま、この「懸濁相」にあたる部分を回収して、天然由来の水溶性香料を作る技術が出ています。 また、柑橘系などの精油は、加熱して蒸留などしません。主に、圧搾法という方法で精製されます。 ご存知の通り、精油は複数の成分が混在して出来ています。柑橘系のような精油の場合、リモネンなどの非水溶性成分を多く含みますから水には溶けません。そこで、精油中の水に付けにくい部分を精製して除去すれば、「割と水に溶ける精油」になります。 こういった精油中の非水溶性成分を除去するコトで、天然由来の水溶性香料を作る技術も出ています。 こういった話は、アロマテラピーの考え方からすると、トンでもない話です。が、化粧品屋が匂い付けとして天然精油を使用する際には非常に有意義になります。 こういった水溶性の精油は実際どこで使用されるかといいますと・・・ 加湿器に使うリネン水や、トイレなどの紙を使って蒸発させるタイプの香料品雑貨です。 精油を溶かしているリネン水は、精油を溶かす為に界面活性剤が添加されています。しかし、その界面活性剤が蒸発後機械に付着して機械をつぶしたりします。 また、紙を使って蒸発させるタイプの香料は、界面活性剤が紙に付着して途中から気化しなくなってしまいます。 そういったトコでの実勢を踏まえて、今、水溶性香料は化粧品業界に浸透しつつあるのです。 生後3年と汗 汗についてちょっとお話しましょう。 まず、汗の成分のお話です。汗には、なめるとしょっぱいですから塩がある、そして臭くなるからアンモニアが入っている!って思っている方は多いのではないでしょうか? 実際には、汗の98%以上が水です。次に多いのは塩化ナトリウムで、0.648〜0.987%です。他にも尿素、乳酸、硫化物、アンモニア、尿酸、クレアチニン、アミノ酸などもありますが、何れも0.1%も存在していません。アンモニアなどは、0.010〜0.018%と非常に少ないのです。 因に、汗は、弱酸性でpH4〜5.5です。 さて、汗はどこから出ているか知っていますか? 「え?毛穴でしょ」 と、答えた方は△です。 汗には、毛穴から出る「アポクリン汗腺」と毛穴なではない部分から出る「エクリン汗腺」の2種があります。 アポクリン汗腺は、脇などの特殊な場所にしかありません。体のほぼ全体から出る汗はエクリン汗腺で、皮丘の真ん中(肌のキメの膨らんだ部分)から出てきます。 また、エクリン汗腺は、約300万個あると言われていて、生後3年くらいの間にその働きを誘発するかどうかで、その働き具合が変わってくると言われます。つまり、最近のこどもは、生まれた時からクーラーなど温度管理された環境で育ちます。その事が、逆に、汗をかきにくい体質に育ってしまう可能性があるのです。汗には、免疫グロブリンAも含まれています。 総合的に考えて、汗のかきにくい体質に育ったヒトは、乾燥肌、敏感肌になる可能性が高いというコトです。また、その原因は、遺伝や家系というよりも、3歳までの過ごし方が大きな影響であるというコトなのでしょうね。 旧表示指定成分クイズ 化粧品には、旧表示指定成分ってのがありますよね。今回は、その旧表示指定成分に関するクイズです。 クイズ1 香料は、旧表示指定成分である? A:はい B:いいえ クイズ2 次の内、旧表示指定指定成分はどれでしょか? A:BHT B:ラウレス硫酸Na C:メチルパラベンNa クイズ3 2001年4月の薬事法改正以後、規制緩和になってから、 各社配合成分は自社責任になりました。だから、パラベン の配合量の上限はなくなった。 A:はい B:いいえ さて、如何でしょうか? では、回答をいきましょうか。 クイズ1の回答。 答えは、「B:いいえ」です。 ここんトコはよく間違ったサイトもあります。もともと、香料を表示していたのは「香料表示の義務」であって、表示指定成分だから表示していた訳ではないのです。「香料表示の義務」とは、「香料が入っているかどうか分からない商品に香料を配合した場合、「香料」と表示するコト」というモノです。ですから、化粧水や乳液、シャンプーなどに香料を配合した場合は、香料表示が必要です。しかし、「香水」など明らかに香料が配合されている商品では表記の義務がないです。 ですから、「香料は旧表示指定成分ではない」のです。 クイズ2の回答。 答えは、「A:BHTとB:ラウレス硫酸Na」の2つです。 ネットで、「表示指定成分」と「BHT」と検索してもなかなか掛からないかもしれません。それは、旧表示指定成分のいくつかは、化粧品の全成分表示になった時点で、名称が変わったモノが多くあるのです。 例えば、、BHTは、旧名称では、「ジブチルヒドロキシトルエン」ですし、ラウレス硫酸Naは、「ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩(若しくはナトリウム)」になります。 BHTは、「パラベンフリー」をもって勝手に「無添加化粧品」などと謳っているメーカーさんがよく配合しています(笑)。本来「無添加」を使うなら何を無添加なのかを表記の義務があるのです。パラベン無添加をもって、無添加化粧品と謳うなら、BHTも配合するなよ!って感じです。 また、市販のシャンプーの主剤として未だに多く使用されているラルレス硫酸Naは、昔から悪名が高い石油系合成界面活性剤のラウリル硫酸Naよりも非常にマイルドになっているという話は、このサイトで多くしていると思いますが、そのラウレス硫酸Naも実際には、旧表示指定成分なので、肌に合わない方がいておかしくないのです。 そんでもって、メチルパラベンNaは、旧表示指定成分じゃないんですよね(汗) 旧表示指定成分には「パラオキシ安息香酸エステル」という表記があって、これがメチルパラベンやエチルパラベン、ブチルパラベンなどの多くのパラベンに当たります。しかし、この表記は「パラオキシ安息香酸エステル及びその塩類」じゃないいですよね。だから、メチルパラベンNaは旧表示指定成分じゃないってコトになるのです。おかしいですよね(汗) クイズ3の回答。 答えは、「B:いいえ」です。 パラベンなどの防腐成分は、表示指定成分という名がなくなりましたが、新たに「ポジティブリスト」というリストに記載されて、その配合上限が規制されています。 如何でしたでしょうか? 精油と「あるある?」 「 AP通信によると、シャンプーや石鹸、ローションなどに含まれるラベンダー油やティーツリー油が、まれにホルモンのバランスを崩し、青少年の胸を発育させる「女性化乳房」現象があることが、米コロラド大学と国立衛生研究所の調査で明らかになった。この研究内容は、医学専門の週刊誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌」の2月1日号に掲載された。」 というネット記事を読まれた方も多いのではないでしょうか。 その続きに、 「それによると、これらの植物性油を含んだスキン・ローション、ヘア・ジェル、シャンプーまたは石鹸を使用していた4歳と7歳、10歳の3人の少年の胸部は、思春期初期の少女のように発育し、中には痛みを訴える少年もおり、これらの製品の使用を止めると元の状態に戻ったという。問題の油がヒト細胞の中で、どんな働きをするのかを調べたところ、油は、体内で胸を豊かにする働きがある女性ホルモン「エストロゲン」に似た作用を示し、男性ホルモン「アンドロゲン」の働きを阻んでいることが分かった。」 と、なっています。更に、 「米コロラド州グリーンウッド・ビレッジのホルモン専門家で、3人の少年の治療にあたったクリフォード・ブロッホ医師は、ラベンダーの香りがする洗剤で哺乳ビンを洗っている家庭では、生後1年5カ月の女の赤ちゃんを始め、ほか何人かの少女にも同様の症状が見られたこともあり、少年らの両親には、製品使用について、特に長期間にわたる使用について注意を促したが、別のホルモン専門家は、「子供の場合、ごく少量のエストロゲンを摂取しても乳房は発育するものであり、摂取期間が短い場合には、まず、長く苦しむような問題になることない」と、楽観的だ。どの専門家も症状が見られるのは、まれで、製品の使用を止めれば、問題は解決するため、販売禁止にするほどではないという。」 となっています。 結論から言いますと、ラベンダー油で豊胸など起こらないでしょう。 知り合いの精油メーカー数社に聞いてみたところ、 「そんなコトがラベンダー油で起きるなら、画期的なコトです!すごい市場性があるコトですよ♪もし事実なら、一儲けどころじゃなくて、会社設立だって出来ますよ!ただ、実際に、過去そういった事例はなく、業界に於いても聞いたコトがないです。」 と、そろった回答を頂きました。(笑) アロマテラピーの長い歴史の中で、ラベンダー油で豊胸するなら、その筋で有名になりますよ! 実際に、今、エキスで女性ホルモン様作用が期待できそうだと、言われているので、ダイズエキス程度です。 上記の記事を見ると「あるある」を思い出しますね(苦笑) まず、国立衛生研究所の調査で明らかになったと言うのが一般人を信じ込ませる一文になっています。でも、実際に載ったのは、論文ではなく、週刊誌です。(笑) 論文と週刊誌の違いは何か? 論文は、その論証を検証された上で記載されます。しかし、医学専門でも週刊誌は週刊誌!視聴率が取れるモノなら、信憑性の検証などなしでも載ります。たった一人の持論でも載るってコトです。 更に、油は、体内で胸を豊かにする働きがある女性ホルモン「エストロゲン」に似た作用を示しと、あります。 英語を日本語に訳してしまっていますので何とも言えませんが、エストロゲンは分類的に「oil」には分類されません。また、過去、女性ホルモン様成分もoilとは分類されません。 ついには、ホルモン専門家まで参上です! しかし、そのホルモン専門家達のコメントは、完全に無視状態ですね。科学者ですから、「可能性はない」なんてコトは口にしません。0.00001%でも「可能性あり」とするのが科学者の常識です。 ですから、遠回しに、「そんなんある訳ないじゃん。気にし過ぎだよぉ。」って言っています。 環境ホルモンなんて言葉が脳裏にある一般人を狙った新手の視聴率詐欺みたいに感じます(笑)。 因に、ラベンダー油についてちょっと調べてみました(って、やっぱり興味あるんじゃん 自爆。でも、わたしだけじゃなくて、どの精油メーカーも夢見て再調査したそうです♪) ラベンダー油の成分は、 酢酸リナリル、リナロール、カンファー、カリオフィレン、テルピネオール、γ-テルピネン、ラバンデュオール ラベンダーの精油は、酢酸リナリルは海抜が高い程多く含有し、よりラベンダーらしい香りになる。 一方、海抜が低いと癌ファー臭が強くなることが知られているなど、地域によってその成分の組成差はあります。 また、海抜が高い程精油量も多く、低い程少なくなるとされ、酢酸リナリルの含有量により38-40%モノ、40-50%モノ、50-52%モノなどに分類されて、値段も違ってきているようです。 通常、ラベンダー油は、低木の2/3ほどの全草をを刈り取り、水蒸気蒸留または溶媒抽出し精油とされます(本格アロマの方からすると、溶媒抽出のヤツは本当の意味でのアロマの精油とは言わないようですが)。 精油はこのように、「全草」から抽出されますが、部分的には何の成分が多いかといいますと、 花部は酢酸リナリル、里奈ノールといった軽いフローラルな香り成分が多く、葉や茎にはテルペンやセスキテリペンといったツンとした油臭い臭いの他、ボルネオールやカンファーなその樟脳臭と干し草様の臭いであるクマリンが含まれます。 ここまでのラベンダー油の説明にいくつかのカタカナ名の成分が出ましたが、何れも女性ホルモン作用はないですね。残念! タミフルから見る医薬品原料と化粧品原料 厚生労働省の医薬品等に関する規制について、毎度毎度問題になりますね。 今回はタミフルですか。 タミフルの有効成分は、リン酸オセルタミビルだそうで、そのままでは天然界にはない成分です。 ウィキペディア(Wikipedia)によりますと、トウシキミの果実である八角の成分であるシキミ酸から化学就職を得て作られるようです。因に、八角をそのまま食べてもインフルエンザには効かないそうです。(平成19年3月26日現在で、ウィキペディアから検索不可能になっていますが)。 化粧品原料の管理も厚生労働省が関与します。コウジ酸は発ガン危惧が理由でしたし、ユビデカレノン(コエンザイムQ10)、フィトナジオン(ビタミンK)、イオウの配合などは医薬品原料であるコトが原因で、使用に条件がついています。 化粧品や医薬部外品原料に関しては、割と早い時期に、「使用に関する調査」が行なわれます。例えば、「ナノ粒子」に関する直接の健康被害はないですが、既に、厚生労働省は調査に掛かっています。 化粧品に関しては、もし、その原料の配合がストップしても、死ぬようなコトはありませんがら、厚生労働省もストップ・ゴーを掛けやすいのかもしれません。 しかし、医薬品に関しては、使用しないコトによる健康被害も想定されます。 ただ、やはり、医薬品に関しては、研究に多額の費用が発生しているコト、製造メーカーはその費用を回収しなくてはいけないコト、また、その額が半端ではないコトは事実ですし、わたしも勘ぐってしまいます。 化粧品メーカーやバイヤーが皆、聖人君子ではないです。バリバリの商売人というか守銭奴の場合もあります。どっちかというと、そういうヒト達が目立ったので、化粧品の悪い面のイメージが未だにあるのだとも思いますが・・・。 しかし、医薬品の場合、守銭奴がいるなら止めて頂きたいモノです。 pHと泡立ち アミノ酸系界面活性剤と言っても色々な種類があります。 例えば、ココイルグリシンKやラウロイルメチルアラニンNaやラウロイルアスパラギン酸Naなどです。アミノ酸系界面活性剤ならどれでも、性質は同じか?と、言われるとそうでもないです。 では、今回は、その泡立ち(気泡力)から見てみましょう。 グラフの一番左が石鹸です。 石鹸をpH10.3で泡立てると、いい泡量になります。 しかし、その石鹸をpH5.4(弱酸性)にすると、泡は殆どなくなってしまいます。 これはご存知の方も多いでしょう。 アミノ酸系界面活性剤の最大の特徴は、「弱酸性でも泡が立つ」コトです。 実際に、pH5.4に調節したラウロイルメチルアラニンNaやラウロイルアスパラギン酸Naは、弱酸性でも泡立ちます。しかし、グラフを見て頂けると分かるのですが、ラウロイルメチルアラニンNaなどは、中性(pH7.6)の方がもっと泡立つのです。 このように、アミノ酸系界面活性剤は、正確には「弱酸性でも泡立つ能力を保持している」という感じでしょうかね。ですから、「アミノ酸系界面活性剤=弱酸性処方」ではないのです。 でも値段は、石鹸の20倍くらいしますから、アルカリ側で使うなら、石鹸で充分ってコトのなので、経済的に、アルカリ側でアミノ酸系界面活性剤が配合されるコトはないでしょうね。(ただし、中性はありますよ。) さて、アミノ酸系界面活性剤の中でも、ココイルグリシンKは石鹸に似ている脱脂力を持つと言われます。ココイルグリシンKの泡立ちを見ても、弱アルカリ(pH7.9)ではいい泡立ちですが、弱酸性(pH5.4)にすると、石鹸並みに泡立ちが落ちます。 逆に、アスパラギン酸タイプは、中性(pH7.2)ではそこそこですが、弱酸性(pH5.4)では非常にいい泡立ちになります。 一言で、アミノ酸系界面活性剤と言っても、処方担当者にとっても、色々な長短があるのです。 活性酸素を見直す よく、活性酸素という言葉を耳にされると思いますが、いったいどんなモノなのでしょうか? 活性酸素と言われるモノには、4つの種類があります。ちょっとご紹介しますね。 1)スーパーオキシド(O2-) 体内で最初に、しかも大量に発生する活性酸素で、エネルギーを作るトキに必然的に発生します。 2)ヒドロキシラジカル(HO-) 活性酸素の中で最も酸化力が強く、生活習慣病やガンの一番の原因にもあげられます。 3)過酸化水素(H2O2) 髪の色抜きや消毒剤として有名ですが、生体内でも存在します。協力な浸透性を持ち、細胞膜を簡単に透過します。 4)一重項酸素(1O2) 強い紫外線などを浴びると体内に大量に発生します。日焼けの後の火照りや赤み、ガンなどの原因です。 まぁ、どの化粧品サイトを見ても、「活性酸素=悪」って構造のトコしか紹介がないですね(笑) でも、例えば、上記に記しましたスーパーオキシドは、細胞が生きる為のエネルギーを発生させるミトコンドリア内の1つの代謝残物です。いま、多細胞生物として、ヒトをはじめ多くの生物がエネルギッシュに生命活動を行い、進化をしているのは、この「酸素」を活用できたからなのです。 地球創世記の話からすると(どこから話すんねん 自爆)、最初の地球の海には酸素はありませんでした。その後に、太陽の光を使って酸素を発生する生物が生まれます。それまでの海は、鉄が多量に溶解していて透明ではなかったのですが、この生物の発生で、鉄は酸化鉄となって沈殿して、透明な海が出来ました。酸素を発生させる生物が進化の主力となった理由は2つ。 1つ目は、酸素の毒によって他者を死滅させるコトができた 2つ目は、酸素の高いエネルギーを活用するコトで強くなった コトです。 今も、生体内では、この活性酸素を使って、高いエネルギーを得ています。 また、生体内では、この活性酸素を使って侵入した最近やウイルスを殺したりもしています。 その反面、生体内で発生する活性酸素に耐えられるトコまでがその生物の寿命とも言われます。 まさに、諸刃の剣ですね。 しかし、活性酸素もプラスのトコもあるコトを知っていて下さいね。 ヒ素、重金属の規格 今は、化粧品の原料は各製造販売者の責任になります。 当然、今まで雑貨扱いだった原料も紹介されますし、食品扱いだったモノも化粧品原料として紹介を受けます。工業品扱いの原料も紹介を受けます。 実は、そういった原料は価格は結構安いのです。当然、その価格の安さに目がくらむ化粧品メーカーも多くいます。 しかし、そういった雑貨や食品、工業用品の原料の多くは、化粧品に於ける「規格を満たしていない」場合が多いのです。 化粧品の規格は、今は「ない」と思っている業者も多い様です。実際に、粧原基や粧配規はなくなったと思っている業者も多いですし、今ある化粧品の規格は、医薬部外品の規格に沿ったモノだと思っている方もいます。 しかし、現実問題として、わたしは、ある2つの規格をきちんとしている必要があると思っています。 1つ目は、パッチテストや毒性検査など最低限の安全性を確認しているコト。 2つ目は、重金属やヒ素などの含有が管理されているコトです。 実は、粧原基や粧配規などの化粧品原料に於いて、ほぼ全ての原料規格に設けられていたモノが、2つ目の重金属やヒ素の規格です。 そして、今の安い化粧品原料の規格の中で最も設けられていない規格がこの重金属やヒ素の規格です。 見えないトコだが重要なポイント!そこをちゃんと確認しておくのが、プロの処方担当の仕事だと思います。 グレープフルーツ種子エキスと規格 手作りコスメに於いて、有名な防腐剤の1つが、グレープフルーツ種子エキスでしょう。 このグレープフルーツ種子エキス(皆さんには、GSEの名で通っているのでしょうか?)については、化粧品業界ではタブー原料の1つです。「化粧品屋の独り言 → vol.3 → 化粧水の内臓-防腐剤編」、「化粧品屋の独り言 → vol.16 → 化粧品タブー原料−2」にて詳しくお話しています。 最近では、化粧品原料としての販売も進んでいます。 実際に、抗菌性に関するデータや原料規格も添えられています。 例えば、抗菌性に関しては、グラム陰性菌(大腸菌など)、グラム陽性菌(黄色ブドウ球菌)、カビなどのデータがあります。特に大腸菌や黄色ブドウ球菌、皮膚ブドウ球菌に関してはいいデータが出ています。カビに関しては、効きにくいカビもいるようです。 多くの防腐剤は、こんな感じで、「大腸菌やブドウ球菌には効くが、カビや酵母には効かない」、「カビには効くが、大腸菌には効かない」などと部分的に効果があるって感じです。そこんトコいくと、パラベンは少量で万能に効きます。 グレープフルーツ種子エキスも、化粧品原料として扱われる以上、それなりの規格もあります。 例えば、重金属やヒ素の規格は勿論、原料自体に出荷時にどれだけ原料に菌が含まれていないか(いるか)の規格もあります。その他にグレープフルーツ種子エキスならではの規格があります。 それは「トリクロサンの含有の有無」です。 トリクロサンは、農薬の一種です。これが原料に含有していたコトが、このグレープフルーツ種子エキスがタブー原料になった原因です。 トリクロサンとは、低温焼却炉で処理されると、ダイオキシン類が発生する可能性のある成分です。他にも紫外線によってダイオキシン類になる可能性があるコトも指摘されています。 その他にも、安全性の点で、皮膚刺激性、腐食性、急性毒性、亜急性毒性、変異原性なども確認されています。 グレープフルーツ種子エキスの主成分はフラボノイドです。 フラボノイドなら他にも多く含むエキスがあるであろうに、なぜグレープフルーツ種子エキスだけが特に抗菌性を謳われるのかは不明ですが・・・。 今後、使用される率が上がりそうですね。 最近の測定機器はすごい! 昔は、肌の皮脂成分や水分量を測定する機器などは高価なモンでしたし、専門のトコを通さないと入手できないモノでした。しかし、最近は、安価で簡単に入手可能になっていますね。 今回、ご紹介する肌質測定器は、肌の水分量、オイル量、固さ(柔らかさ)を測定してくれて、約2500円!と、非常にリーズナブルです。ちょっと全体像を見てみましょう。 ボディーは、白色で手のひらサイズ。頭に2つの電極があって、それを肌に当てがって測定します。 この2つの電極間に流れる電気の量と、この電極に与える圧力で測定するようです。 早速、わたしの肌を確認してみました。 グラフが右に伸びているのが分かると思います。上から水分量、オイル分、柔らかさです。 このグラフの様子は、専門機器と同じような感じに出ています。 因に、データはグラフでしか確認できません。そのグラフのがどんな肌状態を指すのかは、説明書に書かれています。なお、図に見られる数値は、時間を示しています(個人的には、こんな機器に時計機能なんて何で必要か不明ですが・・・)。 そこで、アトピー肌の方(実は嫁)の乾燥部分を確認してみました。 今度は、グラフが左に下がっているのが分かります。 一応、極端な例をとってこの機器の案配をみてみましたが、軽く条件を見るには充分な機能かと思いました。 はぁ、これで、2500円ですか!東急ハンズさんもいいモノ売り出してますね! ラベンダー&ティーツリーの環境ホルモン問題その後 アメリカで、ラベンダー及びティーツリーを含んだ製品を使って豊胸作用が確認され、環境ホルモンとして論文雑誌に記載されたお話は、以前に「化粧品屋の独り言 → 精油と「あるある?」」でご紹介しました。 その話のその後が、海外ニュースで載っていましたので、ご紹介します。 オーストラリア同協会は、J.New England Medicine記載「ラベンダーおよびティーツリー油に関連する思春期前女性化乳房」論文を多数科学者と検討した結果、科学性に問題ありとし、同誌に掲載撤回を要求した。大企業2社を中心に配合製品1億5千万個の販売実績と同種副作用の皆無状況、未発表クイーンスランド大皮膚吸収試験での同油構成約100成分中3成分のみ極微量吸収を理由に、in vitro試験結果と症例の結び付けに疑問を提起している。 と、ありました。 個人的な見解ですが、科学者と医者は別のような気がします。そりゃ、医者兼科学者のヒトもいるのでしょう。しかし、医者の論文を見ると、なんだか、n数(症例数)が少なくても、そのコトをあまりにも気にきない傾向を感じます。わたしは、生物学を学んできましたが、n数は非常に気にします。真実とイメージ(思い込み)を区別する点を慎重にしたいものです。 こういうコトを書くと、「そうではない!」とお叱りを受けそうですが、実際に、n数2とかでも立派に論文形式の雑誌に載ったりしますしね。まぁ、モノの考え方の違いなのかもしれませんが・・・。 今回の件も、化粧品ならラベンダーやティーツリー以外にも危惧されるモノは沢山あったと思います。例えば、容器や色素他の成分など・・・。思い込みを避ける為にも、n数が圧倒的に少ない場合、慎重な検討をすべきです。 花王のシャンプーを斬る 仕事上、他社製品の研究というコトは、絶えず行っています。 今回は、花王製のセグレタシャンプーの話です。 最近の花王さんは、資生堂と対抗するような商品を多く手がけており、その処方形態も着目に値します。例えば、今回のシャンプーの全成分表示ですが、 水、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウラミドプロピルベタイン、エタノール、ジステアリン酸グリコール、ラウレス-16、〜〜〜ユーカリエキス〜〜〜、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-52、ベンジルアルコール、ベンザルコニウムクロリド、ラウレス-4、塩化Na、水酸化K、水酸化Na、リン酸、BG、安息香酸Na、BHT、オキシベンゾン-3、カラメル、赤106、香料 処方的には、パラベンフリーです。資生堂を始め、花王などの大手も最近はパラベンフリーの処方を一般ドラッグストアに並べるようになったようです。 で、その防腐剤ですが、ベンジルアルコール、ベンザルコニウムクロリドを使っていますね。 資生堂のツバキなどは、フェノキシエタノールに防腐機能も有するアミノ酸系原料を使っています。 メーカによって防腐剤って特徴がでますからね。処方担当としては面白いトコです。 また、このシャンプーにはEDTA塩などの配合がありません。資生堂さんはツバキでも未だにEDTA塩は入っています。安息香酸Naは、花王さん、資生堂さん共に使っていますね。 もう1つ、面白いのは、オキシベンゾン-3が配合されている点です。このオキシベンゾン-3ってのは、紫外線吸収剤です。髪に対する紫外線対策ってトコでしょうかね。同じシリーズのコンディショナーもにオキシベンゾン-3は入っています。しかし、トリートメントには入っていないのですよね。これはコンディショナーとトリートメントのコンセプトの差でしょうかね。 それから、業界的な話になりますが、ここ最近の花王さんは、ユーカリエキスに拘っています。色々なモノに入っていますね。 まぁ、処方的なトコはその辺にしておきましょう。 この商品を取り上げた理由は、2つあります。 1つは、購入して、1週間程度ですが、キャップが壊れました(笑) 花王さんらしからぬ事態です。 専門的な用語でこの手のキャップをヒンジキャプと言います。ヒンジキャップは、この蝶番(チョウツガイ)の部分がブ厚いと改変困難になりますし、薄いとこのようにぶっ壊れます。 もう1つは、点字の採用です。 目の不自由な方の為、若しくは、すすぎなどの後で、目を開けられない状態でもシャンプーなのかコンディショナーなのか、手に取って分かるように、シャンプーのボトルの側面にはギザギザの凹凸が採用されています。お気づきだったでしょうか?この横のギザギザ凹凸は、業界が自主的に始めたモノで、もう10年くらいの歴史があります。今回は、この横ギザではありません。 ただ、今回の商品には、点字が採用されていました!残念ながら、わたしにはこの点字は読めませんが、ネットで検索してみますと、どうも「シャンプー」と書かれているようです。 流石、大手!こういったトコに最先端ですね。 ビューティーワールドジャパン2007 ビューティーワールドジャパン2007ご存知でしょうか? ビューティーワールド ジャパンは、ビューティー・Spa&Wellnessビジネスに関わる全ての製品、サービス、情報、技術が国内外から一堂に集う日本最大のビューティー国際見本市。今年で、10周年を迎える東京でのビューティーワールド ジャパンに行ってきました。 会場には、化粧品、美容機器、サロン備品、ネイル製品、スパ&ウェルネス関連製品、ダイエット&ヘルス関連製品、OEM化粧品、化粧品容器、トイレタリー製品、香水、美容小物、下着、ヘアケア製品など、美と健康に関するあらゆる製品・情報・サービス・技術が国内外から一堂に集まっています。 サロン系も多かったですが、かなりネイル系が頑張っていました。大きな会場が4つの部屋からなるのですが、その1部屋を主にネイル系がしめていました。 下の図が会場の様子と娘への土産のネイルです。キティーちゃんの下の部分がネイルになっています。 たまにこういうのに行くといいですね。刺激になります。 サロンさんの場合、即効性を求められるので、機能性の高い原料の高配合が見られます。例えば、EGFやフラーレン、プラセンタエキスなどです。しかし、その反面、その有効成分を支える処方全体は結構疎かかな(苦笑)既存の処方に、機能制限量を大量にぶっ込んだって感じの処方でした。 そうそう、馬由来のプラセンタなんてのも張り紙がありましたね。 実は。化粧品、医薬部外品で認められているプラセンタエキスは、プラセンタエキス(1)、(2)、(3)、(5)があるのですが、その原料期限は、ウシかブタなのです。つまり馬はないってコトです。おそらく健食系のモノと思われますが・・・。如何なもんかなぁ(苦笑) 中国産原料って怖い? 化粧品原料に於いて、中国産原料というのは多くなってきています。 例えば、数年前に出回った非常に安価なヒアルロン酸Naや今流行のEGFなども中国産原料です。また、日本国内で口にするハチミツの8割が中国産です。 ニンジンエキスに使われるオタネニンジンや消炎剤で有名なグリチルリチン酸2Kの原料である甘草、5αリダクターゼ抑制や痒みを抑えるたり育毛効果のある冬虫夏草も中国産です。 しかし、ペットフード業界、特にアメリカではトンでもない事件が起こっているようです。 中国産原料を用いたペットフードを食べたペット達が大量に死んでいるらしいのです。 原因は、ペットフード原料の中に「メラミン」が含有していたコトが原因らしいです。 「メラミン」? 「メラニンの間違い?」 って、思ったのはわたしだけでは・・・ないでしょう(汗) メラミンはプラスチックなど広範囲の製品に使用される有機化合物です。具体的には、メラニンをペットフードの原料である小麦グルテンに違法に添加しそれが原因で、それを食べたペットが肝障害を起こし、死に至ったらしいです。実施には、メラミン以外にシアヌル酸に含有していてその有害性に影響しておるみたいですが・・・。 じゃぁ、何でメラミンなど原料に配合したのでしょうか?その理由は見せかけ上の品質向上だそうです。つまり、メラミンを食品に添加すると、検査時にタンパク質含有量が増えたように装えるそです。品質検査は、1つの方法だけでなく、日本の化粧品の場合、複数種の試験を行い、総合的に確認します。しかし、試験が簡便になったり、いい加減だったりすると、たった1つの試験法で品質を確認してしまいます。そうなると、今回のような偽装が可能になります。怖い話です。 中国産の商品で怖いのは、残留農薬と思っていまいましたが、今回のこの事件でもっと緻密に悪質に怖いコトをしてる可能性があると思ってしまいました。 化粧品は毎日使うモノです。商売上、価格の安い原料は魅力的ですが、その品質に疑問のある原料を使っては行く行く信用を失うコトになります。 日本の化粧品業界も、老舗になるトコはそんなコトはないですが、規制緩和でボコボコ素人企業も出来てきています。ちょっと、怖いかなぁ〜って、思ってしまいました。 発酵法BGなど参上 今まで石油由来の原料しかなかったBGやPGがサトウキビやトウモロコシ由来の発酵法で発売がされつつあります。 発酵法で作られるBGは、その表示はそのままBGです。何のこっちゃと思われましたか? と、言うのは、発酵法でできたPGの表示名称は、PGじゃなくて、「プロパンジオール」になったのです。 石油由来の合成BGは、最近は精製も良くなって過去にあったBG独特の臭いもなくなって無色、無臭が常識になりつつあります。一方、発酵法のBGも、思った以上に透明で、臭いも殆ど気になりませんでした。これなら、石油原料を避けたい自然派の化粧品屋もBGを採用できるようになるでしょうね。 BGとは、本来、1,3-ブチレングリコールの略です。PGとは、1,2-プロピレングリコールの略です。今回、発酵法でできたPGを「プロパンジオール」としたのは、構造上1,3-プロピレングリコールであり、精密な意味で、PG(1,2-プロピレングリコール)とは別物だからです。因に、1,2とか1,3というのは、端っこから1番目と2番目の炭素に水酸基が付いていますよぉ、って意味です(1,3なら、1番目と3番目ね)。同じように2個水酸基が付いていても、1,2なのか1,3なのかで、活性の状態が違うので、重要なポイントになります。 PGは、旧表示指定成分です。つまり、特定のヒトはかぶれる可能性があるのです。わたしも体質的にPGはダメで、塗ると肌が赤くなって痒くなります。しかし、この発酵法のプロピレングリコール(全成分表示ではプロパンジオール)をわたしに塗ってみて、全くそんなコトがなかったのがすごいです!更に言うなら、発酵法のプロピレングリコールは構造が違いますので、旧表示指定成分にはなりません。 元々、化粧品の保湿感を出す為に、グリセリン、BG、PGは使われてきました。 ご存知の通り、グリセリンは高い保湿感を出しますが、べたつきます。BGはグリセリンよりもべたつきがなく、軽い感触です。PGは、そのBGよりも軽い感じになるので、PGは使えると化粧品の使用感のバリエーションがあがります。 しかし、このプロパンジオール!なかなか日本では使えないかもしれません。と、言うのは、花王さんがパテントで抑えているようなのです(でも、平成19年5月現在、その特許申請は、独自性がないとの理由で、特許庁から拒絶されたらしいですが・・・)。 化粧品業界で特許関係に厳しいのは、花王さんがトップでしょう。 資生堂さんも特許は多く出しているのですが、小さい化粧品屋はお目こぼししてくれます(ただ、βアルブチンとかは厳しいですが)。 花王さんがどうでるか?今後の着目点ですね。 水溶性になった原料 ビタミン系の原料は大きく分けて、水溶性のモノと油溶性のモノに分かれます。 例えば、ビタミンCのリン酸Na塩タイプは水溶性ですよね。 しかし、油溶性のモノを水系に分散させるには、乳化剤が必要で、その乳化剤が肌への負担になっては意味がありません。そこで、ここ数年で、油溶性の成分を水溶性にした原料が紹介されています。 今回は、その例を挙げてみましょう。 グルコシルヘスペリジン ヘスペリジンとは、ポリフェノールの一種で、柑橘系のチンピなどに含有されます。ビタミンPの名称で知っておられる方も多いかもしれません。 ヘスペリジンは、血行の促進を行い温感を与えます。しかし、水に溶けにくかった為に、その効果を得る為にはエタノールの併用が必要でした。 そこで、そのヘスペリジンに糖を付けて、水溶性にしたのが、グルコシルヘスペリジンです。糖(グルコシド)を付けることで、10000倍の水溶性になり、エタノール配合をしなくても、乳化剤の配合をしなくても、水に溶かすコトができるようになりました。 グルコシルルチン ルチンは、フラボノイドの一種です。抗酸化やラジカル消去能を有し、抗アレルギーデータもあります。元々、蕎麦などにも含有していますが、化粧品原料の場合、蕎麦アレルギーを配慮して、エンジュの花のつぼみから採取したルチンを使用しているようです。 実際には、ルチンを水系に溶かす方法は、一部の化粧品開発者には伝播されています。ちょっとした工夫なのですが、グルコシル化しなくても、ルチンは水に分散可能です。しかし、ここのところ、原料屋の原料開発技術が進むに連れて、処方開発者が工夫しなくても、配合可能になった原料があります。その1つが、このグルコシドルチンです。 これも、糖(グルコシド)を付けることで、12000倍の水溶性になりました。 トコフェリルリン酸Na 水溶性になたったビタミンEです。 今まで、水に可溶なビタミンEは、酢酸トコフェロールやビタミンCと結合させたタイプなどありましたが、酢酸臭がしたり、バカ程高額たっだりしました。 このリン酸Na塩化したビタミンEは、水に数%可溶である上に、ちょっとしたゲル化もします。 まぁ、pHやエタノールの配合で直ぐにゲル上ではなくなってしまうのですが・・・。でも、面白い原料だと思いますよ。 医薬部外品の主剤にもなって、抗炎症作用を有します。 これからも、こういった原料が出てくるのでしょうね。 水溶性ビタミンEとニキビ ニキビの対策として、ビタミンが使用される例があります。例えば、皮脂分泌抑制を期待して、ビタミンB2やB6、過酸化脂質抑制を期待してビタミンEが、そして、抗酸化目的でビタミンCなどが使用されます。日本ではまだダメなようですが、海外では、ビタミンAも毛包の角化抑制目的で使用されるようです。 ニキビの原因の1つに、ニキビ菌(P.acnes)があり、このニキビ菌が出すリパーゼという酵素が皮脂中の脂を分解して、その結果発生した遊離脂肪酸が毛のうに作用し、ニキビの原因になります。また、このニキビ菌は、結果として、ヒアルロン酸や蛋白を分解する酵素の生産を促し、毛包の炎症を生じさせます。 このニキビ菌(P.acnes)に対して、上記のビタミンの作用を見たところ、ビタミンB2やB6、ビタミンCなどは、特に殺菌性を示しませんでしたが、唯一、水溶性にしたビタミンEだけが、このニキビ菌を殺菌しました。因に、同じビタミンE誘導体である酢酸トコフェロールやニコチン酸トコフェロール、ビタミンEそのものでは、殺菌性は確認できません。 そういえば。メチルパラベンも殺菌剤ですよね! 今回は、この水溶性ビタミンEとメチルパラベンの、ニキビ菌(P.acnes)に対する効果のデータがありましたので、ご紹介します。 水溶性ビタミンEがニキビ菌を抑える最小濃度 1mM メチルパラベンがニキビ菌を抑える最小濃度 17mM 薄い濃度(数字が小さい方)が抗菌力が強いコトになります。 つまり、水溶性ビタミンEはメチルパラベンよりも、抗菌力がある!って結果です。 「なら、化粧品の防腐をこの水溶性ビタミンEでとればいい♪」 って、思って方もいるでしょうね。 しかし、残念!この水溶性ビタミンEは、大腸菌の仲間やカビの仲間などにはあまり効果がないようです。 やはり、パラベンはすごいですね。少量で非常に多くの菌種を殺菌します。 でも、ニキビには、この水溶性ビタミンEが有効なようですね。 リポ酸復活 平成19年05月24日、チオクト酸(α-リポ酸)がついに、使用可能になりました。 化粧品に於けるネガティブリストに記載されたのです。 使用の条件は、洗い流しなら0.01%、粘膜に使用しない塗りきりなら0.01%が上限で配合可能になりました。唇などの粘膜部位には使用は禁止です。 ユビデカレノン(コエンザイムQ10)は、0.03%が上限ですので、それよりも少ない量になります。 このチオクト酸、少々・・・いや、結構、イオウ臭がしてフェイス用には使いにくいなぁ〜。 って、思っていたら・・・ ファンケルさんが、ボディー用で発売! 「発売?配合商品を?」 「そう、発売!♪」 しかも、発売日は、平成19年05月24日・・・ 「え?」 チオクト酸(α-リポ酸)の許可が出る日が漏れていたのはまぁいいでしょう。 しかし、許可前に製造可能?なのですか?今の法的には問題ない・・・のかな? ついでですので、ネガティブリストとポジティブリストについてお話しておきましょうか。 化粧品に於ける、ネガティブリストとは、配合禁止や配合上限のある成分が記載されています。ただし、紫外線吸収剤や防腐剤は含みません。 逆に、ポジティブリストとは、紫外線吸収剤や防腐剤に関するリストなのです。 よく、「コエンザイムQ10(ユビデカレノン)は、効果があるから、ポジティブリストだ!」って勘違いされる場合がありますが、上記の理由から、コエンザイムQ10も、ネガティブリスト記載なのです。 |