最新情報へジャンプ 2005年になり、再びアスベスト問題が立ち上がったことは周知でしょう。そこで、厚生労働省も実態調査に乗り出しました。 具体的には、医薬品、医薬部外品、化粧品の製造メーカーに石綿(アスベスト)の使用実態に関する調査書を出すように指示しました。 その結果が、平成17年12月9日に、「石綿(アスベスト)を含有する医薬品・医療機器等の実態把握調査の結果について」という報告があがっています。 調査は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の全ての製造販売業者を対照に、石綿の含有の可能性(及び放出の可能性)について調査しました。 平成17年11月21日時点での結果として、 1)医薬部外品、化粧品に関しては、石綿の含有の可能性はない。 2)石綿の使用は、医薬品や医療機器で4製品(何れも歯科用品)あったが、石綿による健康被害についての報告はない。 とのことでした。 以前にも、化粧品屋の独り言で触れましたが、化粧品原料分野では、既に初期(昭和)のアスベスト問題の時に、「ベビーパウダーは石綿を含有してはいけない!」との規格が儲けられていました(昭和62年11月6日 薬審第1589号)。 化粧品が医薬品と違って嗜好品である為に、その当初から、ベビーパウダーに限らず、業界的に石綿の使用を避けてきたのが幸いの結果となっています。 今現在、全ての製品に関して、石綿の含有は禁止されています。 ただ、この結果は、日本の国内の製造、若しくは、日本製の製品に限る話です。 海外のモノについては、その限りでは無いので御注意下さい。 過去の例を上げますと、日本では昭和61〜62年にタルク中の不純物として石綿の混入が指摘されました。国が調査に乗り出し、実際にベビーパウダーの一部の商品にアスベストを確認しています(しかし、今現在は、上記の通り、含有しないことを確認する規格があるので安全です。過剰にに恐れる必要は全くありません)。 火を使わないアロマ体験 最近は、日本もアロマテラピーなどの香りを愛好される方が増えてきています。精油も、多くの販売店が存在して、購入も安易になりました。 しかし、実際に、アロマテラピーなどをやる場合、「電源」とか「火」などの問題に直面してはいないでしょうか?そこで、今期は、簡単なアロマテラピー体験を御紹介しましょう。 用意するものは、コップ(熱湯を注げるタイプ)、熱湯(電気ポットの湯で充分)、精油(これがなくては始まりません 笑)の3つです。 使用方法 1)コップに熱湯を注ぎます。 2)そこにお好みの精油を数滴落とします。(少し大目を推薦) 3)そのコップを入浴前のお風呂とか、寝る前の部屋などに置きます。 これで完了です。火も、電源も使用しないアロマテラピー体験です。 これなら、ユニットバスでも使用可能ですし、寝てしまった後のことを心配する必要もありません。 また、使用前の部屋に入れておくと、部屋に精油の香りが籠りますので、部屋に入った瞬間に心地よい気分になれます。 トイレへの使用や、精油の変わりにお好みの香水を使ってみるのもいいかもしれません。化粧箱の底に眠ってしまっているお土産や記念の香水を活用するのも1つでしょう。 クリスマスなどで、友人が部屋を訪れる際に活用するのも1つですね。 アロマテラピーは単なる香りだけでなく、精油由来の成分が鼻孔を通して脳に働き掛けるのがポイントです。ですから、本当のアロマの方は、精油と香水を厳密に区別されます。しかし、ここは、「化粧品屋」のサイトですので、純粋に「香りを楽しむ」って面から御紹介させて頂きました。 因に、わたしは、お風呂で「練り香」を楽しむのが好きです♪京都が近いので、そこで練り香を購入して使っています。因に、練り香は火を使いますけどね。 これ1つでOKクリーム これだけでOKという、1品で化粧水も、美容液も兼ねるクリーム状の化粧品ってありますよね。いったいどんな処方になっているのでしょうか?ちょっと覗いてみましょう。 基本骨格は、「水+ゲル化剤+オイル+(乳化剤)+エキス+防腐剤」です。 処方全体をクリーム状にしているのは、カルボマーとその中和剤です。 カルボマーは、石油系の合成高分子ですが、安全性が非常に高いです。1%にも満たない濃度でゲルを作ることができる強者ですが、処方中にイオンがあるとゲルが壊れるので「簡単」だけど「コツ」も必要な原料です。 その「中和剤」には、水酸化Kとか水酸化Naなどが使われます。他にも、アミノ酸の1種であるアルギニンを使う場合もあります。その他、特に海外モノにあるのですが、TEAを使う場合もあります。まぁ、TEAは、このサイトでは推薦していない成分ですが・・・。(化粧品屋の独り言 → vol.3 → TEA(トリエタノールアミン)をわたしが推薦しない理由 参照) このゲルの中に、オイルを添加します。 ちょっと気づかれた方もおられるでしょうか?そう、角谷式乳液と原理は同じです。(化粧品屋の独り言 → vol.6 → 手作りコスメで、乳液を作ってみましょう♪ 参照) 添加するオイル濃度は、数%〜十数%といったところでしょう。 基本的に、ゲルにオイルを分散させるだけなので、界面活性剤は不必要なので、マイルドな処方になります。ただ、上記にも述べたように、処方中にイオンが入るとゲルが壊れますので、そういった処方の場合、ここに乳化剤を添加します。 乳化剤と言っても、所詮は界面活性剤です。この乳化剤がマイルドなモノなのかが勝負になります。 石けん乳化などと称して、マイルドを装っている商品もありますが、石けんはアニオン界面活性剤の1種です。洗顔後、すすがずにいる方はいないでしょう。アミノ酸系界面活性剤も基本的にアニオン界面活性剤の1種ですから、塗り切り商品への配合はさけるべきです。 どんな乳化剤がマイルドなのでしょうか? 1つはノニオン界面活性剤タイプです。このノニオン界面活性剤は、イオン化しませんので、肌への吸着が少ないのです。 他にも、分子量の大きいタイプは肌に浸透しないので、マイルドになります。 ですから、ノニオン界面活性剤で分子量の大きいタイプを乳化剤に使っている場合はマイルドと言えるでしょう。特に、最近では、分解したら、脂肪酸やグリセリンになってしまうタイプの乳化剤が多様されていますね。 乳化剤の分子量を大きくしようとしたら、側鎖になる脂肪酸の長さを長くするのが1つです。そうなるとどうなるのか? 最終的には、乳化剤兼エモリエント剤って中途半端なモノが生まれます。でも、逆にこの中途半端なモノはうまく使えば、少量でエモリエント効果を発揮する、または、(見方によりますが)乳化剤なして水に馴染むオイルとなり、便利な原料になるのです。 「これだけでOK」タイプには、そんな乳化剤を配合している場合が多いようです。 あとは、適当にエキスと防腐剤を添加すれば出来上がりです。 でも、全体的には、器用貧乏というか、専門性が低いというか・・・。 ニンジンと肉と米とゴボウを食べるとしましょう。 「これだけでOK」タイプは五目飯とか焼き飯タイプです。 化粧水+美容液は「1品つづ皿に盛りつけられた料理」とか「定食」になります。 どっちが素材の持ち味を出せているのか、どちらが飽きがこないかイメージでお分かりでしょう。 便利をとるのも化粧品の選択の1つです。でも「これだけでOK」には、あまり、高くを望まないことですね。 肌のサイクル 肌の細胞は、いくつかの層状になっています。一番下を真皮、一番上を表皮(角質層)といいます。一番下の細胞が表面に出て、垢となって剥がれ落ちるまで、通常20日前後と言われています。これが肌のサイクルってヤツです。ですから、単純に考えて、20段層があるのです(非常に荒い表現で、詳しい方からは「違うぞぉ!」とご指摘を受けるかもしれませんが、イメージと思って下さい。)。 できたメラニンは、この20日かけて上層にあがって、垢になってなくなります。 ところが、美白成分であるビタミンC誘導体は、あがってくる途中で、メラニンの黒を無くしてしまいます。これがビタミンC誘導体だけが持つ「美白効果」です。(コウジ酸やトラネキサム酸、アルブチンにはない作用です) バリア機能の低下が原因となる肌荒れなどは、新しくバリアができると回復する場合が殆どです。ですから、化粧品などを使って一旦肌荒れしても、早期に使用を中止したならば、20日以内に復活するはずです。下の層まで侵されていなかったら、10日とか2週間で回復するでしょう。 しかし、肌荒れしても我慢して使い続けると、真皮まで侵されます。真皮は、抗体や神経やなんやかんやがあって、炎症の長期延長が起こる場合があります。こうなると、「アレルギー」とか「相性が悪い原料」などと言われるモノができてしまうのです。 また、肌のサイクルは20日前後と言いましたが、50代の場合、100日とも言われています。これは、細胞分裂のスピードが遅くなっることが主な原因です。年齢とともに「復活」に時間がかかるのは、こういったコトが原因の1つになっています。 肌のサイクルをいつまでも20日前後に保つには、「塗る」だけではなくて、「身体の健康」も大切だ!ってことですね。 植物スクワランとは スクワランの由来は、サメの肝臓由来とオリーブ油由来の2種類があることを御存知の方も多いでしょう。 この2つのスクワランは、スクワランとしての構造は全く同じものです。共に、グレードの低いモノでも純度は、96%以上あります。グレードの高いものになりますと、純度は、99.9%以上になります。 この動物(サメ)由来のスクワランと、植物(オリーブ)由来のスクワランは、スクワラン自体の構造は同じでも、不純物が異ります。 以前にもカキコしましたが、酸化が進むと、サメ由来のスクワランは「汗臭い」匂いがしますし、植物由来のスクワランは「芋臭い」匂いがします。 また、植物由来のスクワランの方が、さっぱりするとの回答が多く得られます。これは、植物由来のスクワランには、不純物として植物性のコレステロール(フィトステロール)が含まれるからだと言われています。 数年前までは、スクワランと言えば、サメ肝臓由来だったのですが、最近では植物由来のモノも多く出回っています。しかし、少し前までは、植物由来のスクワランなどは高価な原料で、化粧品原料としてもなかなか手が出ませんでした。 と、いうのも、スクワランはスクワレンを水素添加して作るのですが、スクワレンはオリーブ油中に0.5%しか含油されていないからです。 サメ由来のスクワランよりも、原料あたりの含有量が非常に低いこと、製造工程がサメよりも工程数が多いこと、などで、サメ由来よりも遥かに高価だったのです。 スクワランは、水素添加することで、酸化されにくい構造になっています。 スクワランの構造を下記に示します。 スクワランは二重結合という部位を持たないので、酸化されにくくなっています。ですから、酸化が進んで匂いが発生する原因は、主に不純物が原因になります。 また、構造が、ワセリンやミネラルオイルに似ていることが分かるでしょうか? スクワランは、ワセリン同様に、疎水性の高い成分です。オリーブ油から精製されるのですが、オリーブ油程も抱水力(水を抱え込む力)はありません。 また、正式には、スクワランはオイルでもワックスでもなくて、炭化水素の仲間になります。分類的にもワセリンと同じ群なのです。スクワランと同じイメージにとらえられがちなホホバ油はオイルではなくワックスに属します。 プロも知らないグリセリンの話 化粧品を扱う方で、グリセリンを御存知ない方はいないでしょう。化粧品に限らず、洗濯洗剤や医薬品などでもグリセリンは使用されます。 一般的に、グリセリンについては保湿剤と認識されています(分野が変わると、不凍液として使用される場合もあります)。 さて、グリセリンですが、一般的には、その由来に2種類あることが知られています。1つは、ウシの脂肪由来のタイプ。もう1つは、ヤシなどの植物油由来のタイプです。 化粧品は、商品ですので、宣伝が上乗せさせれます。その中に「植物性グリセリン」とか、「この商品は、植物由来のグリセリンを使っています」などと、謳っている商品を見かけますが・・・。BSE問題(狂牛病問題)以後、日本の化粧品分野で使用されるグリセリンや薬局で手に入る日局グリセリンは、99.9%以上で植物由来です。 ですから、グリセリンが植物由来であることは、化粧品として当り前のこととなっています。 「じゃぁ、どこのグリセリンも同じか?」 と、なると、これまた違うのです。 原料には拘っている瑠璃香としても、グリセリンにも拘っています♪ じゃぁ、何を拘っているのか?ここから先は、プロでも知らない人が多い分野ですよぉ、そっと教えますね・・・(笑 ネットでそっともないですが・・・)。 グリセリンってのは不思議な性質があります。と、いうのは、アミノ酸系界面活性剤と一緒に処方すると、変な匂いが発生します。アミノ酸独特の臭い匂いです。 アミノ酸系を主体に、洗顔フォームなどを作る場合、グリセリンを添加した時点で、「臭い匂い」が処方担当者を悩ませます。 また、水酸化Naなどの強いアルカリにグリセリンが触れると、黄色に着色します。「焼ける」と我々は表現していますが、グリセリンが透明な黄色に変わるのです。勿論、処方上、見た目で影響します。 が!アミノ酸系界面活性剤と一緒にしても、臭い匂いを発せない!アルカリに曝しても着色しにくいグリセリンってのがあるのです。 どうしてそうなのかは、流石に紹介できませんが、瑠璃香ではそんなグリセリンを使っています。 と、言うよりも、よりマイルドを目指すと、アミノ酸系界面活性剤に到達し、と、同時に、グリセリンとの臭いの戦いが始まるのです。 一般企業名なら、香料を添加すれば解決する問題です。ですから、グリセリンにそこまで拘った企業も少ないのでしょう。 香料を入れたくない、無香料なら無臭に近づけたい、と言う思いが、このグリセリンに辿り着いたのです。 処方に一手間♪これが、処方担当者の誇りです♪ コラーゲンはどんなモノか コラーゲンって何かご存知でしょうか? 改めて聞かれると戸惑う方もいるかもしれません。 コラーゲンとは、ウシの皮や足の腱に存在する、三つ編み状態の繊維構造物です。 その繊維の組成は、アミノ酸になります。 因に、ヒアルロン酸は糖が繋がって繊維状になったものです。キトサンも同じく糖が繋がったものですので、コラーゲンとは根本的に別ものになります。 コラーゲンの特徴と言えば、、プロリンや、ヒドロキシプロリンを多く含むことですが、他にもあります。コラーゲンは、 「-グリシン-アミノ酸-アミノ酸-グリシン-アミノ酸-アミノ酸-」 と、言うように、3個毎にグリシンというアミノ酸が存在する形をとっています。これをコラーゲン様配列などといいます。 では、いったいコラーゲンてどんな大きさなのでしょうか? 通常、コラーゲンやヒアルロン酸Naなどの大きさを表現する場合、分子量で表現します。例えば、ヒアルロン酸Naなどは、市販品は80〜150万くらいの分子量です。スーパーヒアルロン酸と言われているモノは、10万くらいの大きさです。 髪にいいケラチンなどは、コラーゲン同様にアミノ酸なのですが、髪に吸着しやすい大きさは、分子量が500程度だと言われます。勿論、この場合、ケラチンを加水分解して小さくしたモノで、正式にはケラチンではなくて「加水分解ケラチン」と称されます。 コラーゲン(及び加水分解コラーゲン)の場合も、同じ様に、数百〜数万といった様々な分子量のタイプが化粧品に配合されます。 でも、コラーゲンって繊維なのですから、長さって知ってみたいですよね! 最も大型のコラーゲンの種類にI型コラーゲンというのがあります。I型コラーゲンは10000個程度のアミノ酸からなっていて、その長さは300nm(0.0003mm)で太さは1.5nm(0.0000015mm)もあって非常に太い(笑)のです。こういった分野で、これで「太い」のです! 勿論、コラーゲン繊維といって、我々が目にするものは、こういったモノがわんさか集まってもっと巨大化したものです。 肌の中にも、こういったコラーゲン繊維が網目状にみっちりあって、ハリとかふっくら感を出しているのです(勿論、ヒアルロン酸もそうですが)。 化粧品に使われるコラーゲンは、水溶性コラーゲンと加水分解コラーゲンがありますが、共に分子量が大きく、肌に浸透することは無くて、肌表面で、保湿・潤い確保の仕事をしてくれています。 水のイメージ 化粧品の全成分表示では、「水」と表現されるモノがありますが、実際はどんなモノなのでしょうか? 「水」に大きく2種類あります。常水と精製水があります。 常水というのは聞きなれない言葉でしょうかね。簡単に言えば、水道水のことです。国なり市なりの上水所からの水のことです。ビールや食品は、この常水で作られる場合があります。水道水と言っても、工業用の水は塩素を含みませんから、皆が飲んでいる水とは少し違いますが・・・。 もう1つの精製水とは、一般的には、イオン交換水になります。 イオン交換水とは、水中に溶けてる、金属イオンなどを除去した水です。イオン性の成分を含まないので、化粧品を作る時に影響を受けにくいので、化粧品屋では通常的に使っています。 最近では、大手スーパーや百貨店の食品売り場で、RO水とか称して入手できるようなコーナーもありますね。あのRO水は、イオン交換水の簡易版です。手作り化粧品ならあれで充分ですよ。 他にも、蒸留水ってのもあります。 イオン交換水と混同されがちなのですが、イオン交換水を一旦、蒸発して、その蒸気を冷却した水のことです。一見、イオン交換水と同じ扱いに思いがちですが、実は別モノです。イオン交換水中には、イオンにならない「粒子」が存在します。通常、この粒子は、ろ過装置で除去するのですが、更に残さないようにしたモノが蒸留水です。 通常、蒸留水は細胞培養や医薬品原料の製造、ICチップの洗浄などに使用されます(ICチップの洗浄で紹介される、超純水ってのは、蒸留水の1種です)。 しかし、化粧品の場合、水だけで使うのではなくて、多くのエキスなどの成分を配合しますので、蒸留水を使ってもあまり意味がないので、イオン交換水を使うのが通常です。 他にも、最近では、「温泉水」なんて表示もありますね。あれは、逆に、バリバリにイオンが入った水です。処方するには少々骨が折れる代物です。しかし、その多くは、アルカリ性であったりするので、防腐の面ではやりやすかったりしますがね。 イメージを紹介しましょうか。
エキスの抽出方法 エキスの抽出方法にはいくつかありますが、一般的にはエタノールで抽出する場合が多いようです。 抽出時間や抽出温度などは、企業ノウハウなので簡単にはご紹介できませんが、基本は下記の通りです。 1)エタノールエキスの作り方 1-1)植物の必要な部分(全草や葉だけ、花だけ等)を切り出し、乾燥させます。 1-2)乾燥した植物を必要に応じた大きさ(そのままや、適度な粉砕、粉まで粉砕など)に粉砕します。 1-3)○%エタノール水溶液を加えて抽出します。(抽出時間や抽出温度は企業ノウハウ) 1-4)ろ過して、エタノール層だけを回収します。そして1-5aまたは1-5bの工程に入ります。 1-5a)1-4のエタノール層に「水」を加えて○%より低いエタノール濃度に変えて、沈殿を待ちます。(熟成の時間や温度は企業ノウハウ) 1-5b)1-4のエタノール層に「エタノール」を加えて○%より高いエタノール濃度に変えて、沈殿を待ちます。(熟成の時間や温度は企業ノウハウ) 1-6)1-5aまたは1-5bの工程を経て、ろ過し、エタノール層を回収します。 1-7)これでエタノール抽出エキスの出来上がり。 2)BGエキスの作り方 2-1)1-7で得た、エタノールエキスのエタノールを除去します。 2-2)水とBGを加えて、BGエキスにします 2-3)沈殿を待ち、ろ過してBGエキスとします(出来上がり) 1つ目のエタノールエキスの作り方は、如何でしたか?二段階抽出で不必要なモノを除いています。ここでは簡単に書きましたが、本当はもっと複雑な工程になっています。 家庭で、簡単にウォッカや焼酎を使って生薬エキスを作る方法が紹介されていますが、プロの作るエキスとはかなり違ってきます。 また、BGエキスの方は、驚かれた方も多いのではないでしょうか? BGエキスならBG水溶液で抽出する!と、思っておられたのではないでしょうか? 勿論、エタノールエキスの作り方の「エタノール」をそのまま「BG」に変えて作る(抽出する)方法もあります。しかし、その場合、濃縮工程が加えられないので、今回の「BGエキスの作り方」のような方法で製造する場合もあるのです。 まぁ、プロと同じにはできませんが、「二段階抽出」や「沈殿待ちの熟成期間」などを設けることで、もっと綺麗なエキスを手に入れることができるかもしれませんね。 ビタミンを誘導体にするコト ビタミンの誘導体というモノが化粧品では多く使われるようになりました。 問えて言うなら、リン酸アスコルビルMgやリン酸アスコビル3Naなどの水溶性のビタミンCの誘導体は有名でしょう。また、油溶性ビタミンC誘導体としては、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルも有名ですね。 しかし、水溶性のビタミンC誘導体はこの他にも、パルミチン酸リン酸アスコビル3Naやアスコルビン酸硫酸2Naなどもありますし、油溶性ビタミンC誘導体には、ジパルミチン酸アスコルビルなどもあります。 ビタミンの種類はビタミンCに限らず、ビタミンE(トコフェロール)であったり、ビタミンB6(ピリドキシン)だったり、パントテン酸(ビタミンBの一種)だったりビタミンA(レチノイン酸)っだたりします。 ややこしいので、一旦、このビタミン誘導体の特徴を簡単にまとめてみましょう。 特徴1:どんなビタミン誘導体も、基本は、分解された後に発動する 例えば、油溶性ビタミンC誘導体として有名なテトラヘキシルデカン酸アスコルビルなどは、そのままではビタミンCとしての機能はありません。肌に入って、脂肪酸の部分(テトラヘキシルデカン酸)が外れて、初めてビタミンC(アスコルビン酸)として働きます。水溶性ビタミンC誘導体のリン酸アスコビル3Naもリン酸Naの部分が外れてからビタミンCの効果を発揮します。 こういった脂肪酸(テトラヘキシルデカン酸)や塩(リン酸Na)などの「保護部位」は、肌にある成分(主に酵素)によって外されます。 ですから、処方中(酵素が無い)では、分解されないので、「処方中では安定いている」と言われます。 特徴2:水溶性のモノと油溶性のモノのはちょっと違いがある 水溶性のモノは主に、NaやMgの塩を付けています。そして、効果に即効性はありますが、刺激・乾燥感も強い場合があります。また、水溶性のモノはイオン導入が可能です。 逆に、油溶性のモノは、脂肪酸(パルミチン酸など)を付けています。そして、効果はゆっくりしていますが、持続性があり刺激が少ないことと、肌への浸透性が高いです。ただし、処方上、乳化剤などを併称する必要がある場合が多いです。また、イオン導入器には使えません。 特徴3:効果があります 薬事法上、化粧品には「効果」があってはいけにあのですが・・・。その辺は置いといて・・・。 下手な植物エキスよりも効果性は高いです。逆に言えば、効果のある植物エキスにはこういったビタミン誘導体が含まれている場合が多いですね。 最後に、どうして、ビタミンそのモノを処方に配合せずに、誘導体にして配合するのかをお話しますね。 ビタミンそのままでは、処方中で酸化や分解を簡単に受けてしまします。それを防ぐために処方上多くの工夫はするのですが限界もあります。誘導体に付けられている「リン酸Mg」や「パルミチン酸」はいわば「フタ」です。商品のフタと同じです。 蓋をすることで、処方中での酸化や分解を抑えているのです。 しかし、実際は、誘導体と言えと、処方中で酸化・分解は徐々に進行します。 ならば、酸化や分解が起こらないようにしっかりフタをすればいいのではないか?そんなフタはできないのか? と、なるとそんなフタはできます。しかし、そうなると、上記に述べた「特徴1」のように、肌でも分解しないので、ビタミンとして仕事をしてくれなくなります。 処方上の安定性の高さと肌でも分解性の良さ!そのバランスが「誘導体作り」のジレンマになりますね。 口紅の構造 今回は、口紅のお話をしてみましょうか。 早速ですが、基本的な口紅のつくりをご紹介しましょう。構造は大きく分けて3つになります。 液状油+色素+固形成分 です。 液状油とは、オリーブ油やスクワランなどのことです。固形成分は、ミツロウやカルナウバロウやキャンデリラロウ、パラフィン、セレシンなどのことです。 口紅の発色は、その色素量よりも色素分散の上手さに影響します。UVカット化粧品のSPFが酸化チタンの量ではなくて、その分散具合に左右されるのに似ています。 手作り口紅の場合、色素を撹拌するのは液体油も固形成分も合わせた後に入れますが、プロは違います。液体油に色素を添加した後、その色素を物理的な力で細かく砕き分散させます。使う機械はローラーと言われるモノで、その名の通り2つ(若しくは3つ)ローラーが付いています。そして、その2つのローラーの間を何度も通過させます。2つのローラーの間(隙間)は髪の毛より狭くなっています。 この工程の上手さが後の発色の良し悪しに影響します。 色素を充実に分散させた液体油は絵の具のような感じになります。 今度はこれに予め温めて溶かしておいた固形成分を混ぜて冷やします。この冷却工程が口紅全体の出来映えにすごく影響します。この冷却工程の時間や温度管理は企業のトップシークレットです。 最後に充填ですが、大きく分けて3つあります。 1つ目は、皿型に入れる。 2つ目は、金属の金型に温かい内に口紅を入れて形を作った後に、容器にはめ込みます。俗にいう「砲弾型」と言われます。昔の口紅は皆この「砲弾型」でした。マリリンモンローや峰不二子(笑)が使っているあの形です。 3つ目が、「底充填型」です。細いタイプの口紅はこれが多いですね。容器の底から液状の内に口紅を入れてそのまま固めてしまうタイプです。 まぁこんな感じで口紅は作られています。 最近では、落ちない口紅などは被膜成分を入れていたりしますし、保湿成分を入れた口紅も出回っています。紫外線吸収剤を入れたモノもありますね。注意点ですが、わたしの経験値からすると、全成分表示に「水」がある口紅はトラブル報告が多いように感じています。チェックしてみて下さいね。 アスベストからナノ粒子を見る アスベストの問題に引き続き、ナノ粒子の問題が危惧されています。 アスベストはなぜ、ガンなどを起すのか?なぜ、発病までにやたら長い時間が掛るのか?そこんとこを通して、酸化チタンを初めとする今あるナノ粒子への危惧をなぜ厚生労働省がしているのかをカキコしてみましょう。 まず、アスベストが細胞に何をしているのか?なぜ、ガンになるのかを簡単に紹介しましょう。 アスベスト自体は、特に触媒性があったり活性酸素を発生させたり、成分として毒性があったりする訳ではないのです。問題は、その形状と、分解されにくさにあります。 アスベストは「針状結晶」と呼ばれる、直線の棒のような結晶を作ります。それが大気に舞うと、呼吸の途中で吸い込んでしまいます。吸い込まれたアスベストは、針状なので、細胞(気管支などの表面など)に突き刺さります。突き刺さったアスベストは、体にとっては異物ですので、それを除去しようと免疫系の細胞がアスベストを食べます。この免疫系の細胞は、外部から来た菌やウイルスを食べてやっつけるのですが、アスベストは分解できないので、免疫細胞はアスベストを体内に抱えたまま死んでしまいます。死んだ細胞はやがて分解され、すると中からアスベストが出てきて、また別の免疫細胞がそれを食って・・・と、永遠続きます。 また、アスベストが刺さった細胞は上手く細胞分裂ができないので核分裂異常を起こします。そして分裂の失敗で死滅します。 そうすると、長い年月の内に、アスベストの周りに、細胞の死骸が沢山残留することになります。この塊が、やがて腐りだすと何らかのタイミングでそこに癌細胞が生まれてしまいます。 ですから、アスベストの発病までにはかなりの時間を有します。そして、問題なのは、刺さる形状なのです。 さて、酸化チタンなどは、細かく分散するほど、SPFの効果が高くなります。細かく分散させるには、粒子が細かい方が有利です。それが「ナノ粒子」です。 酸化チタンの場合、針状結晶とは限りません。フットボール状や板状、花弁状などさまざまな形状が作られています。細胞に刺さりそうな形はあまり見かけませんが、細胞に取り込まれた際に、長い時間を経て、アスベストと同じ結果を生む可能性がない!ってことがまだ充分に証明されていません。 厚生労働省は既に調査に入っていて、警戒中です。 だからといって、やたら怖がる事はないです。今の情報内では、ナノ粒子の酸化チタン入りのUVカット化粧品を嫁や娘に「使うな」とはわたしはいいません。 また、新しい知見がでましたら、報告させて頂こうと思います。 耳あかと敏感肌 世には色々調べている方がいるようで、「耳あか」なんかを遺伝的に見ている人がいます。 突然ですが、質問です。 あなたの耳あかはウェットですか?ドライですか? 考える間(笑) 長崎大学の発表によりますと、本来耳あかはウェットらしいです。ドライの方は突然変異の方でDNAの一カ所が違っているらしいです。(ちょっと難しい話を入れますね。違っていた遺伝子は、「ABCC11」で、G(グアニン)がA(アデニン)に変わっていたそうです。) なお、先にもカキコしましたが、本来耳あかはウェットで、ドライの方の「耳あかと思っているモノ」は、実は耳あかではなくて、単に皮膚が剥がれたモノで、このタイプの人は「耳あかがでない体質」なんだそうです。その理由は、遺伝子の変異であるタンパク質が作られない為らしいです。 突然変異と言われると心外な響きになりますが、日本人の8割がドライだそうです。逆に、ヨーロッパ系は9割以上がウエットだそうです。 さて、今日は耳あかの話ではありません笑。 上記の内容を読んで(特に後半を読んで)何か気付きましたでしょうか?そう、日本人のドライ肌の割合も同じくらいですよね。もしかしたら日本人が敏感肌とかドライ肌が多いのは「洗い過ぎ」だけでなくて、遺伝的要因もあるのかもしれませんね。 と、いうのは、この耳あかの遺伝子の違いは、特定の薬剤に関する感受性に差があることが分かっています。化粧品業界では、日本人はヨーロッパ人よりも化粧品トラブルが多く、敏感肌だと言われます。今後、こういった点も解明されるといいですね。 大衆薬に危険度ランクが! 薬局で購入できる大衆薬は、基本的には、医療関係で使用前歴が長く、副作用の低い薬だけになります。しかし、実際には、必ずしもそうではないようで、そこんトコに厚生労働省はメスを入れるようです。 厚生労働省は、大衆薬を副作用の程度で3段階に分類して、リスクの高い薬は薬剤師はカウンター越しに手渡しする対面販売を義務づける方針のようです。 3段階とは、 A分類:安全性の評価が確立していない B分類:まれに入院以上の健康障害が起きる可能性がある C分類:入院までは至らないが身体に不調が起きる可能性がある だそうです。表現を見ると、B分類などはちょっと怖いですね。でも、実は一番リスクがあるとしているのは、A分類なのですよ。 具体的にA分類には、 カスター10、ブテナロック(水虫薬) B分類になるのは、 バファリンA、マキロン、ベンザブロックIP C分類には、 イソジンうがい薬、ハイチオールC などが上がっています。何れも使ったことのある方も多いのではないでしょうか? 化粧品、医薬部部外品、手作り化粧品に興味のある方用に紹介するから、 A分類には、 ミノキシジルを有効成分にするモノ(リアップ) B分類には、 ビタミンAやビタミンDを有効成分にするモノ C分類には、 外用剤として尿素を有効成分にするモノ が、あります。何れも、一般化粧品の範疇を越えるモノです。 例えば、化粧品には、医薬品主剤となる原料の使用は不可ですので、ミノキシジルやビタミンAやビタミンDは配合出来ません。 「おや?ビタミンAって駄目なの?」 と、思われたかもしれませんね。化粧品で配合出来るのは、ビタミンA油やビタミンAの誘導体だけです。 また、リアップは、医薬部外品ではなくて、医薬品の育毛剤になります。 医薬品の育毛剤は、医薬部外品の育毛剤には謳えない「円形脱毛症」とか「壮年禿げ」への効果が謳えます。 C分類に上がった「尿素」は化粧品でも配合可能ですが、上限が3%と制限されています。医薬品もモノは20%とか超高濃度配合されていますね。 因に(上記にもカキコしましたが)A分類が一番危険と判断しているようで、薬剤師による対面販売が義務づけられるようです(2006年度中に実施予定らしいです)。つまり、今までインターネットで購入できていたリアップなどは、店頭でしか購入不可となる訳です。 一番リスクが低いC分類でも、インターネットで販売するに当たり、電話相談窓口の設置が義務づけられそうです。 勿論、これは日本国内の話しです。インターネットによる個人輸入は、範疇には入りません。そこんトコがザルなんですけどね(苦笑)。 アカリクスに危惧 あの有名なアカリクスに安全性の危惧が生じたようです。 アガリスクって本当の名は「カワリハラタケ」って言うのですね。知らなかった・・・。ヒメマツタケって別名はよく耳にいていましたが・・・。それに原産地は、中国じゃないのですね。ブラジルなんですね(驚)。まぁ、それはさておき・・・。 アガリクスといえば、抗癌効果が有名ですね。 平成18年2月13日 厚生労働省医薬食品局食品安全部報告によりますと、今回、あるアガリクス商品をラットに通常の5〜10倍食わせたら、発癌性が促進されたというデータが出たのです。 その商品は既に自主回収の方向に向かっているようです。 そもそも「抗癌効果がある」とか「免疫力を高める」とかかなり有名な商品ですが、実のところ健康食品扱いにもなっていないので、ただの食品になります。ですから、「効果効能」を国の研究機関が認めたモノではないようです。 今回の発癌性促進も、ラットでの実験であり、ヒトでも同じになるとは限りません。また、カキコしたように「発癌性を促進」とあります。アガリクスが癌を作るってことではないのです。と、言うのは、この実験、ラットに癌になる成分を予め与え、アガリクスを与えたラットと与えなかったラットと比較したら、与えた方が癌の進行が速いって結果からの参照なのです。つまり、健康なラットがアガリクスをたらふく食ったら癌になった!ってモノではないのですね。 ややこしい試験をやってますねぇ〜。 ノニオン界面活性剤について 改めてノニオン界面活性剤について考えてみましょう。 さて、界面活性剤の種類には、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、そしてノニオン界面活性剤に分類されます。 ネットで話題の合成界面活性剤と指摘されるモノは基本的には、ラウレス硫酸Naとかラウリル硫酸Naなどです。これらはアニオン界面活性剤になります。そして、天然思考の方々が推薦する、石鹸(石ケン素地)もアニオン界面活性剤に属します。 アニオン界面活性剤は、一般的には刺激性があると言われます。 その反面、一般的に、ノニオン界面活性剤は、安全性が高いと言われています。 なぜなのでしょうか? ノニオン界面活性剤には、アニオンや両性、カチオン界面活性剤にはない特徴があり、その特徴が「安全性」を高くしています。 その特徴とは、「イオン化しない」ことです。これはノニオン界面活性剤しか持たない性質です。 例えば、アニオン界面活性剤代表のラウレス硫酸Naと石ケン素地をみてみましょう。 水中に入れると、マイナスに帯電したラウレス硫酸イオンとプラスに帯電したNaイオンに分かれます。また、石ケン素地は、マイナスに帯電した脂肪酸部分とプラスに帯電したNaイオン(若しくは、Kイオン)に分かれます。そして、イオン化することで、活性が高まりますし、吸着したりします。 しかし、ノニオン界面活性剤は、イオン化しないので、肌へのイオン的な吸着はありません(ここで「イオン的な」と断ったのは、厳密に言えば、洗い残しなど「物理的に」残る場合はあります。まぁ、どの原料もそうなのですけどね)。 活性剤の刺激は大きく2つに見られます。 1つは、上記のようなイオン化。もう1つは、脱脂力です。 乳液や美容液などでは、どうしても、水にオイルを分散させますので、乳化剤が必要になります。乳化自体は、水にオイルを分散させればいいのですから、アニオン界面活性剤でも可能です。実際に、「石ケン乳化」などと謳っているモノもあります(瑠璃香としては全くお薦めできませんが)。 乳液や美容液は、塗り切りですので、少しでもマイルドな乳化剤を使いたいものです。そこで、基本的に、乳液や美容液の乳化には、ノニオン界面活性剤が使用されているのです。 ただし、それは「イオン化」の刺激を配慮しただけにすぎません。つまり、第一条件を満たしただけです。 「脱脂力」への配慮は、「全成分表示」を見て、考えないといけません。 その時に、「合成であるか否か!」ではなくて、分子量が大きいことで肌に入りにくいとか、本質的に脱脂力が弱いタイプであるとかが考慮選択の基本になります。 全成分表示なのか?の見分け方 化粧品は、その配合成分を表記するように、2001年4月から法規が変更しています。しかし、全成分表示を示す場所としては、商品そのものか、それを梱包する容器となっています。つまり、HPや、宣伝チラシ、カタログに於いては、全成分表示する義務はないのです。 そこで、2派に分かれます。HPや、宣伝チラシ、カタログに於いては、今まで通り「成分の謳い」の形で表記する。もう1つは、例え、HPや、宣伝チラシ、カタログであっても、それを見て商品を購入するのですから、きちんと全成分表示する。 前者は、商品のイメージを伝えることに特化していますし、後者は、商品購入の正しい知識を提供してるスタイルになります。 さて、では、混乱しますよね。表記されたモノが全成分表示なのか否か? 今回は、それを簡便に区別するモノを紹介しましょう。 以下の表示があれば、それは全成分表示ではない可能性があります。 1)精製水:本来「水」と表記すべきことです。殆どの化粧品は、この精製水を使って製造していますから、特に特記して自慢すべき点でもありません。 2)パラベン:化粧品が全成分表示になってからは、パラベンもその種類をきちんと表記する義務がでてきました。例えば、「メチルパラベン」、「プロピルパラベン」、「ブチルパラベン」などのように「○○パラベン」と表記されます。 因に、メチルパラベンなどは、環境ホルモンとして「シロ」になっていますが、「ブチルパラベン」は「環境ホルモンではないといいきれない」という微妙な位置づけになっています。 3)石鹸:実は化粧品の全成分にこの表示はないのです。通常は、石ケン素地と表示になります。「ケン」がカタカナであるトコがポイントです。つまり、「石けん素地」も全成分表示ではなくて、こんな表示を商品にしているトコは、薬事法の改正そのものが理解できていない会社ってコトになりますので、信用於けません。 4)ブチレングリコール:今は、「BG」ですね。 5)プロピレングリコール:今は「PG」です。因に、ジプロピレングリコールは「DPG」と表記になっています。 6)○○ナトリウム:全成分表示になってからは「○○Na」と表記になっています。因に、「○○カリウム」という表示もなくなって「○○K」となります。また、瑠璃香で推_していない「トリエタノールアミン」は「TEA」となっています。 7)ラウレス硫酸塩:全成分表示になってから、1年半の猶予期間を於いて、この「○○塩」という表示もダメになっています。ちゃんと、「Na」なのか「TEA」なのか表記すべきなのです。ところが、これをやってないトコがあります。日本、いや世界の化粧品トップメーカーはまだそのシャンプーに「○○塩」と表記して販売しています。S社!業界をひっぱる立場でありながら、未だに「○○塩」の表記のボトルを使うなよぉ! 8)マリンコラーゲン:おそらく魚由来のコラーゲンのことを表記したいのでしょう。コラーゲンには牛や豚由来のモノと魚由来のモノがあります。しかし、全成分表示では、その由来の名前は入っていません。ですから、表記的には「コラーゲン」となります。 同じ類いに「植物性コラーゲン」ってものあります。コラーゲンも動物にしかない組織ですので、植物性コラーゲンという表記はありません。 9)植物プラセンタ:プラセンタとは「胎盤」のことです。胎盤は、ご存知の通り、哺乳動物が子を産む為の器官です。植物には当然胎盤などありませんね(笑) 10)5つ以上植物エキスが配合されているにも関わらず、「エタノール」若しくは「BG」の表示のない場合:これはちょっとややこしそうですが、原理は至って単純です。全成分表示は、植物エキスが何に溶けているのか表記する義務があります。殆どの植物エキスは、エタノール水溶液かBG水溶液になっています(特別なエキスは、パラベン水溶液か、スクワラン溶液になっていますが、めっっっっっったにありません)。それが表記されていないってことは、全成分表示の表記法を知らない、若しくは、知った上で嘘を表記しているってことです。 まぁ、以上10項目が、チェックポイントですね。 こんなのあります♪全成分表示 前回は、「全成分表示には、こんな表現はない!」ってのをあげてみました。 今回は、その逆で「こんな表示が、存在するんですよぉ!」ってのをあげてみました。 ただ、表示は、西日本化粧品工業会に登録された名前であって、実際に配合されているモノがあるかは不明です。(西日本化粧品工業界登録名称参照) 自然なモノ シリーズ 表示名称:温泉水、海水 コメント:「温泉水」という表示は、温泉街独自のお土産化粧水でたまに見かけますね。海水ってのは、実際に表示されているのは見たことがないです。 そこまでいくか シリーズ(笑) 表示名称:火山砂、火成岩、堆積岩、方解石、炭素、石英 コメント:実は、クレイなどもこの仲間にありますね。しかし、「炭素」なんて表示があるのですね!化粧品の容器内に入れているモノは表記の義務がありますから、化粧水中に「ダイヤモンド」なんかを沈めていたら「炭素」なんて表示になるのでしょうかね? いったい何だ? シリーズ 表示名称:岩石抽出物、石油揮発物 コメント:それぞれの定義は 岩石抽出物→岩石から得られる水性浸出物である 石油揮発物→石油から得られる揮発性炭化水素の混合物である ただ、石油揮発物がICNI名(国際的に通じる名前)がありますから、国際的にしようされています。一方、岩石抽出物はINCI名がないので、日本独特(日本でしか使われていない)原料なのでしょう。 花粉症のわたしは使いたくないゾ シリーズ 表示名称:花粉、花粉エキス コメント:花粉症のわたしには、恐ろしい言葉です(笑) 狂牛病対策だろうなぁ〜 表示名称:豚脂 コメント:これはほんの一例です。ウシではないことを強調したい為に動物名を表示に入れているのでしょうね。ウマスフィンゴシン脂質なんてのも、「ウシじゃないよ!」って表現なのでしょうね。 日本独特の名前 表示名称:チョウマメ花エキス コメント:この「「○○花エキス」とか「○○葉エキス」は日本独特の表現です。ヨーロッパではそこまで細かな表現区分はやっていません。しかし、このエキスの場合、INCI名を取得していますので、海外でも使用可能です。 え?これって・・・ シリーズ 表示名称:脳エキス、ヒルエキス コメント:このネームにプラスイメージの付加価値はなるのでしょうか? 因に、脳エキスの定義は「ウシBos taurus又はブタSus scrofaの脳のエキスである」とのことですので、現在はBSE問題上、ウシ由来のタイプは使用不可ですね。 名前上はあるのですが・・・ 表示名称:ヒアルロン酸 コメント:基本的には「ヒアルロン酸Na」と「アセチルヒアルロン酸Na」しか化粧品原料として出回っていません。この「ヒアルロン酸」ってのもありそうですが、実際には使い勝手は悪いのです。なんせ、水に溶けませんからね(笑) タロウって何だ? 表示名称:水添タロウグルタミン酸Na コメント:旧名称を「N−硬化牛脂脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム」と言います。「タロウ」とは「牛脂」を意味します。 レモンもいっぱいあります♪ 表示名称: レモンエキス(旧名称:レモンエキス) レモン果実エキス (旧名称:レモンエキス) レモン果実水 レモン果皮 レモン果皮エキス レモン果皮油 (精油) レモン油 (精油) レモン果汁(旧名称:レモン果汁) レモン果汁エキス(旧名称:レモンエキス) レモン果汁末(旧名称:レモン果汁) コメント:横に表記しましたが、精油なのは、「レモン果皮油とレモン油」だけです。 因に、レモン果実エキスには、CITRUS MEDICA LIMONUM (LEMON) EXTRACT、CITRUS MEDICA LIMONUM (LEMON) FRUIT EXTRACTという2つのINCI名がありますが、レモンエキスにはINCIコードがありません。これは、元々は、レモンエキスってのがあったのですが、その定義をより厳密にする為に、また、国際的に使用する為に、再登録した結果でしょう。 ナノ粒子の話 酸化チタンなどは、昔と違って、随分細かい粒子状のモノが出回るようになってきました。よく、微粒子酸化チタンなんて呼ばれていますね。 昨年末に厚生労働省が、「ナノ粒子の使用調査」を化粧品製造メーカーに行ったことは前にも述べました。 今回は、ちょっとそれとは別の話です。 日焼け止めなどを手作りされる方から、「酸化チタンの濃度はどれくらいがいいですか?」と聞かれることがあります。中には「いっそ、粉をパウダーのように塗っても日焼け対策はできませんか?」とも聞かれます。 しかし、SPFの高さ(日焼け止めの効果)と酸化チタンの濃度は必ずしも一致しません。必要なのは、薄く均一に塗れているか?ってトコになります。 確かに、微粒子化することで、図で示されると、以前よりもきめ細かく、隙間なく肌の上に乗るように見えます。 大きい粒子 ○ ○ ○ ○ ○ ○ (酸化チタン) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ (肌) 細かい粒子 ooooooooooo(酸化チタン) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ (肌) 微粒子 ............................(酸化チタン) ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^(肌) しかし、実際は、20nmよりも小さくなると、微粒子同士の引き合う力が強くなって、「ダマ」が生じ始めます。これを二次粒子といいます。 そうですね、小麦粉を使ってケーキを作るときに、ふるいで漉しますよね。その時に、細かいはずの小麦にダマがあることに気づくと思います。ああいった感じで、微粒子同士が引っ付いて、「微粒子と呼べない大きさ」になってしまいます。 しかも、その引っ付く力は意外に強く、指でこすった程度では、元の微粒子単体の大きさになってくれません。 そこで、化粧品の場合、シリコンやオイルを乳化した液に微粒子を分散させる、って手段を使います。 この「液の中に微粒子を奇麗に分散させる技術」ってものは、大変難しく、処方担当者の力量が問われます。 しかし、最近は、「混合原料」というモノがあって、微粒子(一次粒子)のまま奇麗に分散させている原料が売られているのです。 資生堂のように、自ら、酸化チタンの構造を制御する、なんて強者もいますが、「粒子を奇麗に分散させる技術」ってのは、原料屋の売り上げ獲得の大きなポイントになっています。 特に、最近では、酸化チタンに限らず、様々な金属が微粒子化されて化粧品に配合されつつあります。 ユビデカレノン(コンザイムQ10)が、下火になりつつある中、次は、トルマリンや貴金属と呼ばれる金属種の微粒子化したモノの配合が流行るかもしれません。 プレスファンデーション 前回の続きのような話になりますが、ファンデーションのお話をしましょう。 ファンデーションには、いつかのタイプがあります。 まず、1つは、「プレスタイプ」、もう1つは「リキッドダイプ」、更に、「クリームタイプ」などもあります。その内、今回は、プレスタイプの話をしましょう。 プレスタイプとは、文字通り、粉を鋳型で押し固めて作ります。処方の内容もありますが、どのくらいの圧力で押し固めるのかも、ノウハウの1つになります。 例えば、軽く押し固めれば、スポンジで取りやすくなって、扱いが簡便な上に、厚塗り、薄付けなど使い勝手がよくなります。その反面、ポーチの中に入れているだけで(特に落下などさせなくても)その振動で、粉砕して、「さぁ大変!」って状態になります。逆に、強くプレスすれば、サプリや錠剤のような固さになって、スポンジで取ることができなくなります。 化粧品屋では、その固さを確認する為に、品質検査の工程で、「○○センチの高さから、厚さ3センチのプラスチックの板の上に落としてもファンデーションが割れないコト」などと独自の規格を設けています。 また、適度な固さにしても問題が残ります。それは、ケーキングです。 ケーキングとは、ファンデーションを使っているうちに、やたら固くなって削れない部分ができることがありませんか?その固くなった部分をケーキングといいます。これは、スポンジでの取り方で、粉が更に押し固められることで生じます。 ケーキングしやすい固さってのもありますから、作る側には注意が必要。 つまり、プレスタイプは、処方以上に色々大変な要因があるのです。 このプレスタイプの殆どは、オイルを使っていません。そりゃ、中には、オイルやシリコン油などを配合しているモノもありますが、基本は「粉」だけです。 ですから、酸化や劣化が少ないのが特徴です。表面はどうしても空気酸化してしまいますが、表面をけずれば、5年は使えます(ただし、未使用品ですよ。使うと、スポンジを通して、皮脂や雑菌が入りますからね)。 日局グレードの一例 手作り化粧品の原料としては、薬局で入手できるモノをよく使われるようですね。 例えば、エタノールとかグリセリンなどは、薬局で入手可能です。 こういった薬局で購入できるモノの品質規格としては、「日本薬局方」に準じるモノが多いです。よく言う、「日局グレード」ってヤツです。日局グレードのモノは、購入した商品の表に「日本薬局方」と表記されています。 グリセリンやエタノール(消毒用のエタノールもそうですが)の他に、オリーブオイルなどもあります。ついつい、「日本」なんて、付いていたら、「良いモノ」とか「品質の高いモノ」、「保証のあるモノ」なんてイメージがありますが・・・。 そこんトコは、微妙ぉ〜なんですよね(汗) まぁ、「日局グレード」ってのは、医薬品としての使用が可能なグレードのモノです。原料の規格には、残留重金属や残留ヒ素の有無の確認など安全性確認がされています。 しかし、実際に、化粧品で使おうと思うと、ちょっと「日局グレード」ってだけでは不十分なのです。 具体的にあげましょう。 下記に示した図は、3つ共全て日局グレードの「ハチミツ」です。 見て、一目瞭然なのは、色ですね。一番右など、非常に濃い褐色で、向こう側は透けて見ることなどできません。 一方、一番、左は、無色透明です。 これは、「精製度の差」です。 この3つ、共に日局グレードなのですが、その規格に合格した上で、更に上のグレードを目指したかどうかの差です。 実際に、一番右のハチミツは、匂いも味の「蜂蜜♪」って感じのモノです。 一方、一番、左のモノは、匂いは殆どありません。味は、流石に甘いですが、コクはありません。しかし、化粧品に配合するに匂いや色は禁物です。特に、香料を使用しない、無臭に近い商品を目指している瑠璃香としては、一番、左のハチミツを使っている訳です。 化粧品屋の原料へのこだわりは、単純に、「原料規格」だけでなく、実際に「モノを見て、触って、匂いを確認する!」のが大切なのです。 ビタミンEにつて ビタミンEという名は皆さんご存知ですよね。化粧品では、今は、「トコフェロール」と表記されていますが、実際には、8種類の同族体(類似した形の仲間)が存在する上、天然モノと合成モノがります。 8種類の同族体とは、専門的に言いますと、・・・。 天然ビタミンEには、4種のトコフェロール(α〜δの4種)と4種のトコトリエノール(α〜δの4種)があります。因に、この2つは構造は似ているのですが、トコフェロールの側鎖は二重結合がないのですが、トコトリエノールは、側鎖に3つの二重結合を持ちます。 因に、ビタミンEの力の強さを「生物活性」という表現で比較するのですが、α体なのか、β体なのか、γ体なのか、δ(デルタ)体なのかで生物活性が異なります。 例えば、トコフェロールのα体の生物活性を100とすると、β体は30〜50で、γ体は10となり、δ体は2を下回ります。 また、昔の名称では、d-α-トコフェロールやdl-α-トコフェロールなど、「d」若しくは「dl(ディー・エル)」という表記も付いていました。これで、簡易的に天然物なのか、合成なのかを区別できたのです。 因に、天然モノは「d体」と呼ばれ、「d」から始まるタイプです。逆に、合成モノは「dl体」と呼ばれ、「dl」から始まるタイプです。dl体とは、実は「d体とl体が混ざっていますよぉ」ってことなのです。つまり、天然界には、d体のタイプしか存在しないのですが、合成で作るとl体も一緒にできてしまうって訳です。 また、生物活性は、合成モノよりも天然モノの方が、優れていると言われています。とは、言っても、こっちは何倍も差がある訳ではなくて、1.5程度の差なのですけどね。 さてさて、このビタミンE!実は、その歴史は意外に古いのです。 はじめは、1922年にネズミ(ラット)の妊娠に必須な食事因子として報告されます。そこで、ギリシャ語で「子どもを生む」という意味の「トコス」と「力を与える」という意味の「フェロ」を合わせて「トコフェロール」と命名されました。 しかし、その構造が分かったのは、それから15年以上経ってから(1938年)です。 すごいのは、その頃には天然ビタミンEが日本でエーザイから商品化されていたらしいです!すごい! 2005年に「日本人の食事摂取基準」に改訂がなされて、ビタミンE(α-トコフェロール)の1日の服用の摂取料の上限が成人男性で800mg、女性で600mgとなりました。因に、一般医薬品としての1日の服用量は、300mgが上限だそうです。 化粧品の場合、塗布して使うのですが、安全基準や配合上限の基準は、こういった医薬品の基準からひっぱるコトが多いので、こういった値は非常に参考になります。 まぁ、「いいモノだからって、摂り過ぎはダメよぉ」ってコトですね。 これは、化粧品で言う、「いいモノだからって、塗り過ぎはダメよぉ」ってコトと同じですね。 保湿による美白 日焼けによるシミやソバカス、肌が黒くなるといった現象は、メラニンが出来るからです。 「そんなコト知ってますよぉ」 って感じでしょうか。 今回は、そんなメラニンの話です。 メラニンは、メラノサイトというメラニンを造る細胞が生産します。 シミが増えると言うと、このメラノサイトが増えるとイメージされている方も多いようですが、実は違うのです。実際は、このメラノサイトが自分の中で造ったメラニンを自分の周りの細胞に植え込むのです。そして、植え込まれた細胞は、黒くなります。そうして黒くされた細胞が、シミや黒い肌になっていくのです。 また、メラノサイト自身は肌のサイクルに関係なく、真皮の部分にずっといます。 逆に、黒くされた際のは、肌サイクルに従って角質層を上に上にと登っていって、最後は垢となってなくなります。つまり、出来てしまった黒い細胞は肌サイクルに従うなら、20日近く肌を黒く見せ続けるのです。 美白成分である色々なモノは、メラニンの生産を抑えるなどの働きがありますが、植え付けられたメラニンを「白」に戻すのは、至難の業なのです。その至難の業をしてくれる唯一の美白成分はビタミンCです。 しかし、そのビタミンCと言えど、医薬品ではないので、「出来てしまったメラニンを無かったことにする」という程の仕事はしてくれません。 他にも、保湿という方法も美白の効果があります。意外なことでしょうか? 保湿すると、肌に水分が十分に残ります。その水分が、光の乱反射をして、肌を白く見せるのです。 極端な話では、絆創膏を貼った部分が蒸れて白くなりでしょう。あれは、肌の中に過剰に水分が存在して(ふやけて)、その水分が乱反射して白く見えているのです。 この「保湿」という方法も、即効性の美白手段になります。 でも、やはり、日頃から「メラニンを造らせない工夫」が最重要課題ですけどね。(汗) いよいよ部外品も全成分表示へ 化粧品は、2001年4月に全成分表示になりました。 この春、2006年4月から医薬部外品も全成分表示になります。 と、言っても突然全てが変わる訳ではありません。完全に変更されるまで2年の猶予があります。 つまり、2006年以後、ラベルの変更や新商品の販売のタイミングで、医薬部外品も全成分表示に変更しなさい、ってことになります。 こういった指示は、国(厚生労働省)から出るのです。しかし、化粧品の全成分表示も、医薬部外品の全成分表示も、国(厚生労働省)からの指示は、 「消費者(購入者)が購入時に、内容成分を確認できるようにしなさい」 と、言う指示なのです。つまり、その表記(どう成分を書くか)は、国からの指示ではないのです。 全成分表示の書き方や、その原料名(統一しないと混乱しますからね)は、「日本化粧品工業連合会の自主基準」で統一されているのです。つまり、業界基準です。 ですから、法的束縛はあまりないのが実情です。 では、医薬部外品の全成分表示と化粧品の全成分表示は同じか?と、なると違うのです。 一番違うのは、化粧品の場合、「多いモノ順」でしたが、医薬部外品は「有効成分とその他の成分」に分けて表示されます。 また、化粧品の成分表示名称と医薬部外品の成分表示名称は、同一成分であっても表記名が異なる場合があります。医薬部外品は、旧化粧品原料名成分を使用していたりします。 その理由は、厚生労働省に申請して承認を得て製造販売する制度であるため、申請書に記載する名称を成分表示名称とすることが原則とするからです。 さぁ、ややこしいですね! きっと混乱を招くだろうなぁ〜と、思いますね。 赤の原料 その昔、口紅のことを紅と呼んだ時代から、赤色は人に大きく影響を与えてきました。食品の分野の看板で、赤が多いのは、赤が食欲を誘発する色だからだそうです。 化粧品の分野も赤は貴重な存在です。昔から花や鉱物から赤を作り出していました。 今でも、合成色素以外にも赤を示す色素があります。 1つは、紅花です。 紅花は、咲いているときは、決して赤くありません。むしろ黄色って感じですね。 その黄色い花を朝摘みして、そこから色素を取り出しました。今でも、舞妓さんが使ったり、京都のお土産に「紅」が売られています。 昔は、紅花には鋭いトゲがあり、摘む際に痛い思いをしたそうです。しかし、今では、品種改良されてトゲのない紅花が収穫には使われているようです。 日本では、東北地方に産地があります。 もう2つの赤はコチニールという成分です。 これは・・・、「虫」由来です。 この虫は、カイガラムシ科のエンジムシ一種です。因に色素は雌からしか取れないそうです。 その虫を乾燥させ、抽出して得る赤色色素です。世界的には、1000t生産されていると言われています。内、日本は世界の10%を消費しているようです。 こう言うと「げ〜っ」と思われる方が多いようですが、虫由来の化粧品原料は実は多くあるのです。 例えば、加水分解シルクの原料となる絹糸。ハチミツも虫由来の原料です。 「?ハチミツって植物由来でしょ!」 って、突っ込まれた方もいるでしょうかね? 実は、ハチミツは、花の蜜をミツバチが一旦体内に取り込んで酵素処理してできるものなのです。ですから、純粋な花の蜜とはちょっと違うのです。 他にもハチ関係では、プロポリスもそうですね。ミツロウもそうです。 ミツロウだってハチミツだって口紅の原料になりますからね。 でも・・・、コチニールがなんでだか嫌われる傾向があるんでしょねぇ〜。 話戻して・・・。 化粧品原料には赤いモノが他にもあります。サジー(沙棘)という植物のオイルも赤ですし、トマト由来のリコピンも赤いです。海綿由来の赤い原料もあります。 しかし、いずれも、色素としては使用されず、主に、抗酸化剤としての使用が多いですね。 ですから、化粧品で「赤の天然色素」と言えば、「紅花」、「コチニール」が主になります。 オイルの精製と酸化 オイルは精製度の高いほど臭いや色がありません。 では、臭いや色とはどういったモノなのでしょうか? まずは、臭いからいきましょうか。 オイルの臭いの原因は様々ですが、その代表的なモノの1つに、「側鎖の短い遊離脂肪酸」があります。オイルとは、グリセリンに3本の脂肪酸が付いた「櫛」のような構造になっています。 その櫛のままならいいのですが、何らかの原因でその櫛が折れて、抜け落ちた脂肪酸が遊離脂肪酸です。分子量の大きい脂肪酸は融点が高く、臭いも少ないのですが、分子量の小さい(側鎖の短い)脂肪酸は、臭います。二重結合のあるリノレン酸やリノール酸が酸化しやすく変臭するのも、その二重結合の部分から、側鎖が切れて、小さな脂肪酸になるからです。 オイルの精製行程の中で、こういった「臭いの元」になる遊離脂肪酸を取り除くコトをします。 取り除く方法はいくつかあるのですが、一般的な方法は、加熱して、臭いの元を飛ばしてしまうことです。 この方法は、臭いの成分を除いてしまいますから一時的には効果があります。しかし、オイル全体に加熱しますので、オイルの「熱耐久時間」を消費してしまい、後々酸化しやすいってコトになりがちです。 これが「精製したオイルは酸化しやすい」と謳うサイトの理由の1つです。 続いて、色の除去です。 色を除く方法もいくつかあります。1つは、色の成分を酸化して分解してしまう方法です。 勿論、この方法もオイル自体に悪影響を及ぼす場合があります。酸化しやすい二重結合の部分をきってしまって、側鎖の短い遊離脂肪酸を作ってしまう可能性があるからです。ですから、脱色後に精製という行程の順番になります。 こういった問題を解決したのが、「吸着精製」という方法です。 この精製方法は、その名の通り、オイル中の遊離脂肪酸や色素などの成分を「カラム」というモノに引っ付けて取り除く方法です。過剰な加熱の必要もなく、酸化させて分解するわけでもないので、上記にカキコしたような問題がありません。 オイルの持つ「熱耐久時間」を削ることなく奇麗にできるのです。 ただし、この方法は、どのメーカーでもやっている(できる)ってわけではなくて、それなりの技術力が必要となります。 瑠璃香でクレンジングやオリーブオイル100に使用しているオリーブ油はこういった方法で精製したモノです。 また、精製の方法は別として、精製したオイルに天然ビタミンEを添加して出荷するメーカーは沢山あります。精製行程で除かれたカロチンなその色成分やビタミンEといった成分は、抗酸化能力に長けていますから、そこは補充したいのです。 精製度の高いオイルは臭いがありません。ほぼ無臭です。何らかの臭いがあるのは酸化が起こっているのです。ゴマ油のあの「香り」も酸化臭の一種です。精製度をあげると臭いがなくなりますからね。 また、精製するコトはそのオイル中の遊離脂肪酸を根こそぎ取ってしまう場合があります。 そうなると、精製前と精製後で、オイル中の脂肪酸組成が違ってくる場合もあります。 また、二重結合を予め酸化させて一重結合にしてしまう方法もあります。例えば、オレイン酸の二重結合を酸化して一重結合にしてしまうとステアリン酸となって、「脂肪酸組成」が変わります。 「え?そんなコトしてるの?」 と思われるかもしれませんが、サメ由来のスクワランもオリーブ油由来のスクワランも元々は酸化されやすい「スクワレン」に二重結合を一重結合に直して精製して得られるものです。 オイルの酸化、精製って、オイルが「混合物」だってコトを忘れると、分かりにくくなってしまいますよね。 プエラリアミリフィカ根エキス ちょっと面白いそうなエキスに着目しています。それは、プエラリアミリフィカ根エキスといいます。 プエラリアミリフィカ根エキスは、INCI:PUERARIA MIRIFICA ROOT EXTRACTで、定義としては、Pueraria mirificaの根のエキスとなっています。 この植物は、タイの植物で食用として歴史もあるようです。 大豆のようにイソフラボンを含みますが、大豆と違ってイソフラボン以外に、ミロエステロールを含むのです。 ミロエステロールとは、女性ホルモンの一種であるエストラジオールと同等の効果があると言われています。ただ、プエラリアミリフィカの根中のミロエステロールの濃度は0.002%程度だそうです。 勿論、これだけ高い女性ホルモン様作用を有するモノはそんなにないので、医薬品への検討も行われたようです。ただ、実際には、使用してもその効果が直ぐには現れないコトと、一旦効果が出ると、やめてもなかなか効果が止まらないという厄介さを有したので「薬」への採用はなかったようです。 まぁ、このプエラリアミリフィカ、元々は、豊胸効果があったってことで有名になったモノなのですが、当然、化粧品への採用も検討されるわけです。 実際に、プエラリアミリフィカ根エキスの名称は登録されていますし、「プエラリアミリフィカ根エキス」をネットで検索すると「バストアップ系の化粧品」に配合されている例を沢山みます。 まぁ、確かにプエラリアミリフィカ根には、ミロエステロールが含まれている訳です。サイトによっては、0.002%の濃度を「高くない」と評価しているトコもあります。 ちょっとご覧あれ! 「プエラリアミリフィカ根には、ミロエステロールが0.02%入っている」 「プエラリアミリフィカ根には、ミロエステロールが200ppm入っている」 「プエラリアミリフィカ根には、ミロエステロールが200000000ppt入っている」 って、どう見ますか?これは単位のマジックなのですが、数字の部分が大きいと沢山あるようみ見えますよね。でも同じ量を示しています、 因に、ホルモンはpptオーダー効果がありますから、200000000pptって結構な濃度だと思ってしまいます。 ただし、プエラリアミリフィカ根から抽出したエキスに必ずミロエステロールが入っているという保証はないですし、どのくらいの濃度で入っているのかも不明です。 歴史の古いエキスで例えるなら、オタネニンジンから作られるオタネニンジンエキスは、メーカーによって匂いも、色も、効果も(価格も 笑)異なります。 当然、プエラリアミリフィカ根エキスも違ってくると思うのですよね。 ホントのトコを私も知りたいエキスです。 全然関係ないですが、ちょっと、ブレイク♪ ご近所さんの「春」を携帯電話のカメラで撮ってみました。 小春をお届けますね (^o^)/ 近所の山桜です。もう、40年以上ここにいます。 近所の菜の花畑です。 近所の枝垂れ桜です。実物はもっと豪快です! 西洋・東洋の髪の形状 日本の女性の髪とヨーロッパ人の女性の髪って随分違うと思いませんか? モデルもそうですが、サロンなどで見せられるヘアスタイルなどでも「なんか違う」と思いませんか? 実は、西洋人と東洋人では根本的に髪に違いがあるのです。 まぁ、見て分かり易いトコは、色ですが、今回取り上げたい話題は、髪の形状です。 ヨーロッパ系の髪は、その断面が楕円になっている場合が殆どです。髪が楕円になっていることで、あの美しい天然ウェーブが出来るでのです。しかし、その反面、絡まりやすいという欠点もあります。ですから、向こうの描写の中に、「ブラシ」で髪を何度もならしている図があるのです。また、楕円という形状の為に、髪が柔らかいので、何度もブラッシングして揃えてやる必要があるのです。 一方、日本人の髪は、真円に近いです。これは、直毛になる場合が多く、固さとしても固くなります。ですから、日本の文化としては、ブラシ型よりも力の掛けられる「櫛」型が流行します。円形で固いということは、初めに乱れている状態から同じ方向に髪を揃えるのに力が必要になります。しかし、その反面、3回程櫛を入れると直ぐに皆同じ方向に向くといった特性もあります。 日本の櫛を通す様は、数回程度のが多いのはその為です。 しかし、実際には日本人の癖毛や天然ウェーブの掛った髪がありまうよね。あの髪はどうなっっているのでしょうか? 実は、同じ円形でも、頭皮の下で髪の根元が上向きでなく、変な方向(極端な場合、下向き)になっている場合に天然ウェーブを描きます。頭皮の下でくるっと回ってから生えてくると、髪がよじれる形で直毛になりません。 どうしても治りにくい癖毛は、髪が傷んでいるとか、ではなくて、こういった根本的なコトが原因なのかもしれませんね。 |