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トラネキサム酸とシミ

シミ改善は化粧品の業界で大きな課題の1つです。
今まで、シミの改善としては、ビタミンCやその誘導体が有効とされてきました。 そんな中、シミの改善に「トラネキサム酸」が有効であるという報告を第一製薬が発表しました。

このトラネキサム酸がシミに有効であったことは、皮膚科医の間では以前から常識だったそうです。方法は、ビタミンC誘導体と併用して、トラネキサム酸を内服するといいらしいです。
第一製薬の発表では、「肝斑(若年性のシミで最多のもの)だけでなく老人性色素斑なども改善する」との臨床試験結果報告でした。

このトラネキサム酸を配合した化粧品は既に世に出ているようです。
内服した結果だけですが、トラネキサム酸は副作用は少ないようです。

これから、流行るんでしょうねぇ〜。


日本人の肌タイプ

日本人は黄色人種に属します。黄色人種とは、特定量のメラニンを肌に持つ人種です。当然、人によってそのメラニンの量は異る訳です。
化粧品業界では、そのメラニンの量を、肌の日焼けの仕方で6種類に分類しています。そして、UVカット化粧品の「SPF」の値を決めるのは、人による試験の結果です。ですから、この「肌タイプ」ってのが大きな要因になるのです。

では、肌タイプをご紹介しましょう。

肌タイプI (日本人の自己診断 18%
非常に日焼け(赤くなる)しやすいが、決して黒くならない
肌タイプII (日本人の自己診断 28%
安易に日焼け(赤くなる)し、微かに黒くなる
肌タイプIII (日本人の自己診断 30%
日焼け(赤くなる)したあと、いつも黒くなる
肌タイプIV (日本人の自己診断 16%
あまり日焼け(赤くなる)せず、すぐ黒くなる
肌タイプV (日本人の自己診断 7%
滅多に日焼け(赤くなる)せず、非常に黒くなる
肌タイプVI (日本人の自己診断 1%
決して日焼け(赤くなる)せず、非常に黒くなる

因に、肌タイプI〜IIIのタイプの人で、SPF値の試験は行います。つまり、自己診断が正しいなら、SPF値は、日本人の76%の人を対象にした指標となります。
と、言っても、肌タイプIV〜VI(残り24%)の方は、日に焼けても赤くならないタイプですので、SPFに関係ないっていったら、そうなのですが・・・。
(SPFとは、赤くならなくする効果の指標です。肌が黒くなるかどうかには関係ない指標なのです。)

じゃぁ、PA値は?と、ありますよね。
PA値は、肌タイプII〜IVの方を対象に値を取ります。つまり、日本人の74%です。

因に、わたしは、肌タイプIIです。日焼けした後、赤くなって、痛い思いをする割には黒くならない・・・自称、損なタイプです(苦笑)。

あたなたは、どんななタイプですか?

そうそう、以前に「外国のUVカット商品にPA値がない!」とのコメントを頂いたことがあります。SPFは、アメリカで1999年、ヨーロッパで1994年、オーストラリア&ニュージーランドで1993年にその指標が決まっています。日本もそれに追随する形でSPFを採用しています。
しかし、PA値は、1996年に日本が考え出したモノのようです。国際的に認知や統一はまだまだなのかもしれません。


表現違反

化粧品には薬事法があり、その表現は規制が掛っています。 例えば、医薬部外品で「美白」という表現は良いのですが、化粧品では薬事法違反になります
しかし、一般の雑誌などで、多くの「薬事法違反の表現」が飛び交っています。 と、言っても、あまりに多くあるので「え?この表現はダメだったの?」というのもあります。
今回は、そんな表現を上げてみましょう。

違反例1
「赤ちゃんやお肌の弱い方でも安心してお使い頂けます」
化粧品は、効能効果の範囲があります。特に、上記の表現は「安全性の保証」をしているので、薬事法違反になります。

違反例2
「アンチエイジング効果に優れた3アイテム」
「シワやたるみの発生を予防」
「高い抗酸化作用を持り、コラーゲン生成効果のある○○○○を配合」

よぉ〜く雑誌で見かける表現ですよね。でも、これも薬事法違反なのです。
1つ目と2つ目は「効果効能を一脱」しています。化粧品では「美白」以外でも「アンチエイジング」とか「予防」とかいう表現はダメなのです。
3つ目は、「特定の配合成分が働くかのような表現」であるトコがダメなのです。

違反例3
「アメリカ○○大学で開発された世界最高級の×××を使用」
「○○クリニックで、若返りコースに採用され、その効果は折り紙付き」

ついつい買いたくなってしまう表現ですよね。でも、これもダメなのです。こられの表現は「効能効果の保証」をしているからです。化粧品はその効果を「保証」してはいけないのです。なぜなら、みたいに思われるでしょ。
また、2つ目は「推薦」をしているのでダメだそうです。

違反例4
「シワに効果大」
「ビタミンCのスーパー美肌力」

ハハハ、よぉ〜く見かけますよね。でも、これも「美白」が表現してはいけないのと同じ理由で、薬を思わせるのでダメな表現なのです。特に「美白はダメなら美肌なら使ってもいいだろう!」という、宣伝担当の抵抗(笑)が伺えますね。

上記の表現を「ダメなんだよ」と、偉そうに言ってますが・・・。ついつい使ってしまうのですよ、わたしもね。(切腹) 特に、花王とかカネボウとか資生堂なんかが使うと「大手企業が使ってるならその表現は使えるかな?」と・・・。でも、結構「ダメ」だったりします。

逆に、化粧水の「浸透」という表現は、以前は煩く「ダメ〜〜〜!」と、されてきたのですが、最近は、緩和になってますね。

さぁ、上記の4例群。違反だったなんて思ってた人・・・意外に少ないんじゃないでしょうかね。


化粧品容器のお話

化粧品は必ず容器に入っていますよね。その容器は一体どんな会社がどう作っているのか?ご存知でしょうか?

「そりゃぁ、容器屋ってのがあって、そこが作っているのでしょう!」

まぁ、それは正解なのですが・・・。

例えば、化粧水のボトルを想定しましょう。ボトル自体は硝子で出来ていたとします。一報、キャップはプラウチックだったりしますよね。そうなると、「2つの容器屋が1つのボトルを作る」ってことが多々生じます。

つまり、硝子ボトルを作っている会社と、キャップを作っている会社が別物ってことです。

「なんだ、そのくらい」

と、思われるかもしれません。しかし、ボトルとキャップの連動部は、「ねじ」になっていますよね。そのねじ山がボトルとキャップできっちり合っていないと、液漏れします。同じ寸法の図面を描いても、硝子とプラスチックでは、熱膨張率が違うので、ねじ山を寸分違わず、別の会社で作らせるのは、非常に苦労があるのです。

また、ボトルに直接印刷する場合、印刷会社が入ってきますし、箱入りにするなら、紙会社が入ってきます。

2001年に薬事法が大きく変わりました。それで、ボトルや箱表示が随分変わったので、印刷業界やボトル屋は大変です。また、その1年前に、税制が変わって、内税表示なりましたね。それも、印刷業界が大変だったみたいです。

化粧品、1つ作るにも、色んな会社とのやり取りをまとめるだけでも、化粧品は大変なのです(汗)


セレブロシドと狂牛病

改めて「ウシ」について考えてみましょう。
2005年5月現在で、アメリカからの牛肉の輸入は止まったままです。
その大元になっているのが、狂牛病、いわゆるBSE問題ですね。
このBSE問題は、化粧品の分野でも大きく影響しています。非常に粗くいいますと、「ウシ等由来の原料は使用してはいけない」ってことになっています。 ただ、ウシの全ての部分の使用がダメな訳ではありません。神経とか脳とかがダメなのです。
逆に言えば、脂肪とか皮、乳はOKってことです。

化粧品原料では、ステアリン酸、グリセリンなどの脂肪酸やコラーゲン、加水分解カゼインなどがこういった、脂肪や皮や乳からできています。しかし、BSE問題後、こういった原料は、植物や魚由来に変更していきました。
実は、今でも、ウシ由来のコラーゲンを配合した商品を売るコトは可能なのです。ただし、「コラーゲン(ウシ)」と、(ウシ)って言葉を全成分表示につける必要があります。手元の化粧品でコラーゲンの入っているものを見てください。まず、(ウシ)など書かれていないでしょう。
化粧品は、嗜好性の高い商品群です。安全でも不安が高いと売れません。ですから、薬局の日局グリセリンなどは植物由来になっていますし、化粧品で使われる脂肪酸は99%以上植物由来です。

ちょっと、視線を変えてみましょう。
「ウシ等由来」ってありますよね。この「」とは何なにか?

「等」には、「羊やヤギ、鹿、カモシカ、水牛」が含まれます。こいつ等は反芻(はんすう)動物と言って、一旦食べた植物を胃から再び口に戻して噛みなおしします。複数の胃を持っていることも特長ですね(焼肉屋に言ったら色んな名で胃が売られてますよね)。
因みに、実験的には、ニワトリも狂牛病(ウシじゃないから、そうは呼びませんが・・・)にかかります。ヒトだってヤコブ病という名で狂牛病になります。マウスも、なりますしね。なら!ウマはどうなのか?

「え?でも、ウマ由来の原料なんかあるの?背脂(笑)」

いえいえ、有名なのがあります。「ウマスフィンゴ脂質」がそうです。いわゆるセラミド様成分ですね。
しかし、上記のように、動物原料の使用が危惧され、ウマを使うことも、危険よりも「顧客が不安に思う」って点から、改善されつつあります。

じゃぁ、どう改善したのか・・・
名前を変えました(笑)

「ウマスフィンゴ脂質」は「セラブロシド」という名称に変わって、名前の中から「ウマ」の言葉を除きました。
元々、セレブロシドの定義は「本品は、動物の脳及び脊髄から得られる糖脂質である。」となっています。つまり原料がウシでもウマでいいのです。「ウマスフィンゴ脂質」は「セラブロシド」の一種ですので、大本の名を使った訳です。

これも工夫なのかな?(苦笑)


お風呂を楽しむコツ

お風呂を楽しむってことは、精神的にもいいコトです。
1日の中にリラックスタイムを持つことにもなりますからね。

わたしの場合、入浴時に、線香型のお香や、練り香をやっています。
ユリとか桜などほのかな香りが好みですね。

しかし、ワンルームなどのユニットタイプやシャワーの飛び散りやすい浴室ではなかなか「」は扱い難いかもしれませんね。

そこで、ちょっと贅沢な1000円程度で10日は楽しめる「快楽」をお教えましょう♪

まず、市販の洗顔フォームを購入する。購入基準は、「ミリスチン酸」若しくは「ミリスチン酸K」が上位2位までに来ているタイプ(つまり、トップの「水」の次に書いているってことです)。価格は500円までで十分。
次に、100均で、泡立てネットを購入。

用意するモノは以上です。

何をするか?
入浴時に「洗顔フォームで体を洗う」のです。
泡立てネットで、しっかり泡立てると、CMで見かけるようなプリンプリンの泡になります。その固くてきめ細かい泡を、洗面器にためて、それで、体を洗うのです。
洗顔フォームの使用料は、10cmくらい贅沢に出しましょう!大体100g入っていますから、これだけ出しても10日は楽しめます。
ゆっくり洗うと、「おや?温かい?」と感じるかもしれません。これは、断熱材と同じく、細かい泡が体表に付くことで保温されるからです。
しかも結構、贅沢な気分になれます。
もう少し贅沢するから、泡立てる時に、すこ〜し、精油や香水を入れるといい感じです。

1日100円の贅沢(缶珈琲より安い贅沢)をお楽し下さい。

因に、我が家は、嫁も娘達も洗顔で体を洗い続けている贅沢モノです(笑)


オイルとワックス

オリーブ油をオイルといいます。まぁ、当り前の表現ですよね。
一方、ホホバ油は、オイルと言わずに、ワックスといいます。

はて?オイルとワックスってどう違うの?

と、疑問を感じませんか?
ワックスとは、別名「ロウ(蝋)」といいます。カルナウバロウやミツロウなどは、手作り化粧品をやっている方には馴染み深い名前ではないでしょうか。
ロウといえば、ロウソクのイメージがあり、固体である感じがします。
じゃぁ。室温で液体のロウをワックスというのか?いやいや、「カーワックス」などというカー商品は固体のモノが多いですね。

オイルとワックスってどう違うの?

答えは、その構造にあります。

下記の図は、オイルとワックス(ロウ)の構造的な違いを上げています。



オイルの図は、灰色の部分がグリセリンになります。オイルは、グリセリンに3本の脂肪酸鎖が付いた形をしています。
因に、オイルから石けんを作ると、この脂肪酸鎖の部分がグリセリンと切れて石けんとなります。当然、その石けんの中には、グリセリンが含有することになります。このことが、「単純に脂肪酸から石けんを作る」のと、「オイルから石けんを作る」のでマイルドさに違いが生じる原因です。

話戻しまして、ワックスは、左右似たような脂肪酸鎖をした直鎖型です。ワックスの灰色の部分を炭化水素鎖といって、この灰色の部分だけ(炭化水素鎖だけ)からできた物質に、ワセリンミネラルオイル(流動パラフィン)があります。

これが、オイルとワックス(ロウ)の差です。決して、液状であるとかではないのです。


ポリクオタニウムの仲間達

シャンプーなどの処方斬りの際に、「植物由来の半合成の高分子」などという表現を使っています。主に、「ポリクオタニウム-○○」だったりするのですが、この「ポリクオタニウム-○○」ってのがかなりの種類があって、素人の方には何が何だか分からない状態になっています。
そこで、今回は、「ポリクオタニウム-○○」等についてまとめてみました。

1)ポリクオタニウム-10
シャンプーで最も多く採用されているのではないでしょうかね。植物由来の半合成の高分子です。基本構造は植物繊維であるセルロースです。それを、髪に馴染みやすくするためにカチオン化させています。
すすぎの時の髪のもつれの改善など、主にすすぎ時の使用感の改善効果があります。

2)グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
ポリクオタニウム-○○ではないのですが、上記のポリクオタニウム-10に続いて採用例が多いです。基本構造は、グアーガムです。それを、髪に馴染みやすくするためにカチオン化させています。
すすぎの感触改善は勿論、髪を乾かせてからの仕上がりでしっとり感を与えます。

3)塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン
これもポリクオタニウム-○○ではないのですが、シャンプーに採用されたりします。日本ではあまり馴染みがないかもしれません。基本構造は、デンプンです。それを、髪に馴染みやすくするためにカチオン化させています。
髪を乾かせてからの仕上がりでしっとり感を与えます。

4)ポリクオタニウム-24
日本での使用はあまり例がないですが、国際的には多く使用されているようです。
主に、ヘアケア商品の増粘剤として仕事をします。基本構造は植物繊維であるセルロースです。それを、髪に馴染みやすくするためにカチオン化させています。

ここまで1〜4)が、天然由来の半合成高分子です。
天然由来の半合成高分子」と「石油由来の合成高分子」との一番大きな違いは、肌への悪影響ではありません。肌への影響はさほど変わりません。
一番の違いは、生分解性の差です。合成高分子は、廃液になった時の分解性が非常に悪いのです。つまり、自然に優しいとはいえないのです。その反面、「天然由来の半合成高分子」は、植物繊維やデンプンが基本構造なので、下水場や河川で分解されます。

以下、ここから(5〜11)が、「石油由来の合成高分子」となります。

5)ポリクオタニウム-4
主に、スタイリング剤に採用されます。被膜作用が強いですね。

6)ポリクオタニウム-6
非常に歴史的に古くから使われている合成高分子です。ヘアケア商品は勿論、スキンケア商品でも採用が多くあります。

7)ポリクオタニウム-7
ヘアケア商品に限らず洗顔などスキンケア商品への採用もあります。俗に言うアクリル系高分子です。

8)ポリクオタニウム-11
主に、スタイリング剤に採用されますね。

9)ポリクオタニウム-22
ダメージヘアの消費に採用されるタイプです。俗に言うアクリル系高分子です。

10)ポリクオタニウム-39
シャンプーだけではく、洗顔などでも採用があります。俗に言うアクリル系高分子です。

11)ポリクオタニウム-47
すすぎの時の使用感の改善剤です。外国では、染毛剤のコンディショニング剤として採用例があるようです。俗に言うアクリル系高分子です。

さて、ここからは、同じ「ポリクオタニウム-○○」でも、少しイメージが異ります。

12)ポリクオタニウム−51
13)ポリクオタニウム-61
14)ポリクオタニウム-65
15)ポリクオタニウム-64
これら4つ(12〜15)は、何れも「リピジュア」です。生体適合成分で、ヘアケアに及ばず、スキンケアでも効果を発揮しています。

以上、「ポリクオタニウム-○○」等についてまとめてみました。


ポリグルタミン酸の話

最近は新しい高分子が出てきていますね。例えば、ポリグルタミン酸などが有名かな。高い保湿力を持ち、ヒアルロン酸Naなどと比較されますね。

ポリグルタミン酸とは、文字通り、グルタミン酸というアミノ酸が鎖状に引っ付いてできた高分子です。一方、ヒアルロン酸Naは、が鎖状に引っ付いてできた高分子です。

肌に塗布した場合、角質に対する保湿力はポリグルタミン酸もヒアルロン酸Naもあまり変わりません。

「じゃぁ、同じ?」

と、なると、「全く別物!」というのが答えになります。
なぜなら、機能性に大きな差があるからです。

ヒアルロン酸Naは有名な保湿剤です。肌に塗った時は、ヒアルロン酸Naによって抱えられた水が肌を潤します。
一方、ポリグルタミン酸は、保湿に加えて、角質層内の肌バリア成分を増量する仕事もするのです。

例えば、0.2%ポリグルタミン酸ローションを1ヶ月塗った場合、PCAは20%アップ、乳酸は30%アップ、アミノ酸は10〜20%アップしたというデータがあります。
(ヒアルロン酸Naでは、PCAや乳酸、アミノ酸量の変化はなかったです)
因に、PCAはピログルタミン酸のことで、アミノ酸であるグルタミン酸を環状にしたモノです。PCAの塩である、PCA-Naは肌には欠かせない保湿成分です。
また、乳酸の塩である乳酸Naも肌には欠かせない保湿成分です。

ヒアルロン酸Naを保湿剤と言うならば、ポリグルタミン酸は機能性保湿剤ってトコでしょうかね。


水蒸気透過性と抱水力

肌にオイルやエステル油を塗ったら肌呼吸の妨げになるのだろうか?と考えている方も多いようです。

ここに、ミネラルオイル、スクワランとオリーブ油とエステル油の水蒸気透過性を示した図があります。



ミネラルオイルスクワランは10%程度なので同じくらいですね。両方とも、炭化水素型(直線状に炭素鎖が伸びた形)ですから、同じような感じなのでしょう。
一方、オリーブ油はその倍の20%も水蒸気を通します。オリーブ油を肌に塗った感覚と、スクワランでは、肌の水蒸気の蒸散の様子もかなり異なることになります。
更に、エステル油に関しては、30%もの水蒸気透過性があります。

逆に、水を抱える力はどうなおでしょうか?
オイルなどが水を抱える力を抱水力といいます。



抱水力の高いモノとしては、ラノリンが有名ですね。ラノリンは自分の重さの3倍もの水を抱えます。
一方、ワセリンやオリーブ油は全く抱えません。これは「ラノリン含水価測定」という試験方法で行っています。

これは、また別のデータなのですが、吸着精製ラノリンクパスの抱水力の比較です。
クパスは、吸着精製ラノリンの1.6倍の抱水生があることを示しています。



この様に、同じ油と付く名称でも、かなり特色があります。
オイルの世界は、リノール酸やリノレン酸の含有量の話が主になりがちですが、塗った感触や作用も着目して下さいね。


内容量について

化粧品の容器やチューブには、その内容量を記載する義務があります。
例えば、シャンプーなら500mLとか、洗顔フォームなら130とかです。

でもmLだったり、だったり・・・どう区別しているのでしょうか?
容器の形状でしょうか?(ボトルならmLとかチューブならgとか・・・)
実は、その処方の固さ(粘度)でmL表示するかg表示するか決まっているのです。
基本的には粘度が10000mPa・s(ミリパスカル秒)を超えるとg表示となり、10000mPa・sに満たない場合は、mL表示なります
また、内容量の誤差は、「摂氏20度(20℃)において、±3%とする。ただし、+3%を若干超えるものについては、当分の間、誤差の許容範囲内にあるものとする。」と、昭和34年12月25日 薬発546にて決められています。
つまり、100gと表示があったら、97〜103g入っているってことです。

じゃぁ、実際、市販されている商品の中身はどうなのか?
意地悪にも実験してみました。しかも、実際使用するに近い状態での実験です。

実験方法

1:市販品の洗顔料を買ってくる。今回は某社製の130gを選択。
2:実際に搾り出して、どのくらい出せるか量ってみる。搾り出しは、わたしが最大の力で搾って出せるトコまでとしました。

結果
同じ商品を10個買ってきてやってみました。下記に搾り出せた量を表記します(単位:g)
124.1g  125.0g  125.0g  124.9g  125.7g  
126.1g  126.1g  126.3g  125.8g  125.2g  


10個の平均値 125.42g

これは、表記した130gの96.5%です。
勿論、いくら頑張って搾り出しても、チューブの中には少し残っているでしょうから、凡そ±3%の範囲内だってことですね。

違った見方をすれば、95%程度しか搾り出せないってことでしょうね。


最近、思うこと

手作り化粧品を楽しんでおられる方も多いのでしょう。アロマやアーユルヴェーダとはまた違った楽しみ方が手作りにはあります。

その昔(いや、今もですが)、手作り化粧品と言えば、尿素を配合した化粧水が有名でした。一番簡単なのが、尿素とグリセリンと水を混ぜただけの簡単なものです。 尿素自体、医薬品として荒れ肌改善に活用されます。
しかし、尿素には肥料として売られているタイプもあります。
情報の少ないサイトによっては、飼料用の尿素も使って大丈夫だと言われますが、そうではありません。やはり、化粧品グレードのモノがいいのです。
また、オリーブ油も食品用が多く出回っていますが、やはり化粧品用がいいでしょう。

さて、化粧品グレードがなぜいいのでしょうか?
基本的には、その原料に関する規格で、重金属やヒ素などの含有がないかなどの検査がしてあるからです。勿論、精製純度も高いので、肌トラブルが少ないです。

食べるという行為は、直ぐに「胃」に入り分解されます。遅くても、十二指腸などで分解を受けます。
一方、肌に塗るってことは、太陽のも受けますし、空気による酸化が起こる可能性もあります。肌の上ではなかなか分解されずに長時間肌と接触することにもあります。
ある一定のモノを作るには、それなりのグレードと知識が必要になります。

しかし、現実問題は、理想と異なります。
オタネニンジンなどは、食品で輸入する場合は、残留農薬などの検査を受けますが、医薬品原料として入手する場合は、そこまで厳しい検査はありません。
精油も、アロマ関係のまじめな店なら、どの時期に、どの地方でとった精油なのか分かりますし、もっといい店は、その内容成分の%表示もしてくれています。
逆に、化粧品の場合、光毒性物質のフロクマリンなどを除去しているグレード(瑠璃香も使用)はありますが、その他の細かい成分の分析やどの地方で取れたかなどは、詳しい規定はありません。

それでも、安定して使っていくには化粧品グレードをお薦めしたいところです。

また、最近は、ネットの販売も盛んで、色々な効能効果の高い原料の入手も可能になっています。例えば、酸化チタンやビタミンC誘導体などが有名ですね。
でも、酸化チタンは絵の具の顔料にも使われる場合もあります。化粧品グレードの場合、酸化チタンの粉末は、シリコンやステアリン酸などで被膜されて、金属が直接肌に接触しないように工夫されています。
ビタミンC誘導体も、グレードによって、劣化しやすかったりします。

いい原料を売っているサイトは質問にきちんと答えてくれます。皆さん、購入前には必ず1つ2つ質問してみるといいでしょうね。
例えば、アロマ系の店など、いい店の店主は、豊富な知識を持ってお客様に対応してくれます。化粧品や化粧品原料を売るサイトも同じです。

まずは、質問をしてみましょう。いいサイトは沢山の情報を持っています。それは、化粧品に限らず、健康食品やパソコン、車やバイクショップも同じでしょう。

最後に、最近は、規制緩和になって色々新しい原料が入手できるようになりました。 ユズの精油や、植物性のスクワラン、データのきちんと取られたオイル(クパスやホホバ)なども入手が出来ます。
最近はよりいっそうクパスに凝っているのですが、こういった新しい原料を手作り化粧品でも活用できたら、楽しみも効果も増えるでしょうね。


オリーブ油とグレード

手作り化粧品に於ても、化粧品用の原料を使用することをわたしは推薦してきました。しかし、実施には、化粧品原料と言っても、様々なグレードがあるのです。
今回はそんな点を視覚的にご紹介しましょう。

今回ご紹介するのは、オリーブ油です。
オリーブ油は、食品用化粧品用と様々なグレードがあります。

下の図をみて下さい。色々なタイプのオリーブ油を瓶詰めにしてみました。



は、イタリア製の食品用のバージンオリーブ油です。非常に美味しいモノです(笑)
は、ハンズなどで市販されている、手作りコスメ用のオリーブ油です。一応、化粧品原料扱いなのだと思います。
は、化粧品として「オリーブ油100%の美容オイル」として販売されているものです。
そして、は、瑠璃香で使用しているオリーブ油です。

のオリーブ油は、他のオリーブ油に比べて色が全く異なります。スクワランのように無色透明です。また、実際に、手にとってみると匂いがそれぞれ違うことが分かります。特には、他の3つに比べて殆ど無臭です。

皆さんの中には、オリーブ油と言えば、黄色くてちょっと匂いがあると、思っていませんでしたか?だから、美容オイルはスクワランの方がいいとか、思ってませんか?
しかし、実際には、スクワランとオリーブ油は基本的な構造が違いますし、抱水力(水を抱える力)もことなります。結果として、肌に対する働きかけや、髪に対する馴染みなどの随分違うのです。

さて、話を戻して・・・、オリーブ油の使われ方も様々です。
食用として使うなら、がベストです。4ははっきり言ってうま味がありません。
また、石けんなどを雑貨として楽しみで作るには、価格などは安価な方がいいです。その点では、がベストでしょうね。
しかし、美容オイルとして使われるのなら、ちょっと値がはっても、のグレードをを推薦します。まぁ、価格は他の3つに比べて破格に高いのですけどね(汗)

皆さんのお使いのオリーブ油は、どんなグレードでしょうか?

因に、食用オリーブ油に少ぉ〜しだけ、レモン精油を添加すると、非常にパンにあうオイルになりますよぉ♪


変性アルコールについて

変性アルコールは、食品(酒)として使用可能なエタノールです。食品として使う場合、酒税が掛かってきます。しかし、化粧品や工業的な目的での使用なら、酒税をナシにしてくれるのです。ただし、そういいながらも、食品(酒)に使われる可能性があるので、下記のような添加物を加えているのです。
勿論、酒税がない分、かなり安価なエタノールではあります。
因みに、薬局で購入できる「日局エタノール」とか「消毒用エタノール」には、下記の添加物は含まれません。日本の場合、ほぼ100%醗酵法(お酒と同じ方法)で作りますので、呑んでもOKです。しかし、ちゃんと税金が掛かってますから、高価なのです。(海外の場合、工業的に合成したエタノールも市販されています。)

化粧品の全成分で「変性アルコール」といわれるモノは3種あります。
酢酸リナリル変性アルコールと、政府所定変性アルコール政府所定外変性アルコールです。
では、それ等を少し紹介してみましょう。

酢酸リナリル変性アルコール

エタノールに酢酸リナリルを添加したモノです。酢酸リナリルの濃度の指定はないようです。

酢酸リナリル
柑橘類のベルガモット油中にも35〜40%含有します。また、ラベンダー油には30〜60%含有します。
しかし、市販品の酢酸リナリルは、ボアドローズ油、リナノール油及び芳油などより分離されたリナロールをアセチル化化学処理(アセチル化)したものです。他にも、β-ピネンやアセチレンなどを原料に合成されたものも市販されています。
化粧品では、一種の香料として使用されていて、シトラス系のフレバーとして食品用香料としても使われています。
毒性は、ラットを用いた経口試験で、LD50 = 14.5g/kg 、マウスで、LD50 = 13.4g/kg です。
LD50は5g/kg以上では安全といわれていますので、食べても十分安全なのでしょう。

政府所定変性アルコール(他にも、政府所定外変性アルコールなんてのもあります。)
リナールアセテオートやリナロール、ゲラニオールやジエチルフタレート、ブルシンなどが入っていて、呑んだりできないようになっています。ただし、全ての成分が入っている訳ではなくて、この内1種がエタノールに添加されます。

例えば、ゲラニオールを添加しているタイプが一番有名で、0.1%(w/v)入っています。
ゲラニオールは、シトロネラ(55%)やゼラニウム(20%)、ローズ(Rosa damascaena)(20%)などの精油に含有します。タイムなどの精油は、このゲラニオールが含有するかどうかなどでケモタイプが異なります。
ゲラニオール自体の香りは、「優雅なやわらかく甘いバラの花の香り。少しレモン的な雰囲気もある。」といわれます。

ここまでだと、変性アルコールも心配ないように思いますが・・・
次いきましょう。

ジエチルフタレートは、別名を「フタル酸ジエチル」といいます。変性アルコールには、5.0%(v/w)入っています。
消防法上 危険物第四類第三石油類に属します。
物質的な分類では「有害性物質」に属し、「粉塵と蒸気は眼、皮膚、粘膜を刺激する。本品自体も眼、皮膚、粘膜を刺激する。」とされています。また、一部の文献では「環境汚染物質」としても取り扱われています。
ただし、急性毒性を示すLD50では、経口値で、ラットなら8.6g/kg、マウスなら6.2g/kgですので、5g/kgを超えていますから、そんなに危険って訳ではないのでしょう。

ブルシンも水生生物に対して毒性があることが分かっていて、環境に有害な場合があります。また、短期間に多量に浴びた場合、「眼に影響を与え、痙攣や呼吸麻痺を起すことがある。死に至ることがある」と、国際化学物質安全性カードに警告があります。劇物指定されているはずです(ちょっと未確認)。変性アルコールには、0.005(v/w)入っています。

変性アルコールは、ちゃんと登録すれば今は使わなくてもいい原料です。いい原料を使って欲しいですよね。


BGの防腐効果について

BG(1,3-ブチレングリコール)などを使って漢方植物からエキスを抽出する例は多々あります。手作り化粧品の分野では、有名ですね。
通常、BGを配合して防腐を獲得するには、BGの濃度が50%とか30%必要といわれています。
しかし、30%もBGを入れると、かなり使用感的にべたつきがあって、使いにくいですよね。
で、実際にはどのくらいの濃度のBGなら静菌性があるのか?というデータがありましたので、ご紹介しましょう。

まず、抗菌性ではなくて、静菌性と表現した理由をお話しましょう。
抗菌性とは、化粧水中に入ってきた菌を殺してくれる作用です。つまり、100個の菌が入ったら、0個にしてくれるコトです。
静菌性とは、入った菌の増殖を抑える働きです。つまり、100個の菌が入ったら、100個のまま維持して150個とか200個などにしないコトです。逆に、0個にもしてはくれませんが・・・。
つまり、1〜2週間程度で使い切るなら静菌性でも十分に対応できる可能性があります。

では、実際にどのくらいの濃度のBGで静菌性があるのでしょうか?
1981年の某大手メーカーのデータでは、9.1%濃度BG大腸菌に関して静菌性を示しています。
また、同データでは、メチルパラベンを0.01%併用すれば、BG濃度5%でも、静菌性が取れています。

因みに、市販の化粧水の多くは、パラベン濃度は0.2%といわれています(商品によって違いはありますよ)。

手作り化粧品の参考になりましたかな?
注意:だからといって、必ずこの濃度でどんな菌にも効く訳ではないので、ご注意下さい。特に、暑い季節は、手作り化粧水は冷蔵庫保存でも長期保存しないことが鉄則ですよ。匂いや色が変わった場合も危険信号ですからね。

パラベン使い・プロ編

化粧水などにパラベンが使用されている例は多く見受けられますね。
2001年に化粧品が全成分表示になってから「パラベン」ではなくて「メチルパラベン」、「プロピルパラベン」、「ブチルパラベン」など、そのパラベンの種類をきちんと表示することが義務になりました。
ちょっと手元の商品を見てください。多くの商品には2種類以上のパラベンが併用されていることが分かるでしょう。
これはどういったことなのでしょうか?

実は、パラベンは、に溶けやすいタイプと、オイルに溶けやすいタイプがあります。例えば、メチルパラベンに溶けやすく、ブチルパラベンオイルに溶けやすいのです。乳液やクリームは、水とオイルと活性剤でできています。その中にパラベンを入れるにあたり、水と馴染みのいいメチルパラベンとオイルと馴染みのいいブチルパラベンを配合します。
しかし、ブチルパラベンは「環境ホルモンでないといいきれない」という微妙な立場のパラベンなので、最近は使用を控えるメーカーが増えています。

まぁ、ここまでは、ちょっと詳しいサイトなら載っている話です。
ココからが、本番(笑)

実は、2種類以上のパラベンを併用して使うと、抗菌性が増すのです。
例えば、ある菌をやっつけるのに、メチルパラベン0.05%必要だとします。更に、メチルパラベンの濃度がその半分の0.025%では、抗菌性が保てないとしましょう。
すると、メチルパラベンだけで商品の防腐をとるには、パラベンの濃度は0.05%となります。

ところが、メチルパラベンとプロピルパラベンを併用してみると・・・
メチルパラベンが0.025%(さっきは抗菌性が取れなかった濃度)+プロピルパラベン0.01%で抗菌性が取れます。
そうなると、化粧品中のパラベン濃度は、0.025+0.01 = 0.035%となります。

これは、メチルパラベン単独で抗菌性を取った濃度(0.05%)よりも少ない濃度です。

このように、プロの化粧品処方担当としては、できるだけ肌にソフトな商品を作るべく細かい工夫をやっているのです♪


塩化レボカルニチンについて

医薬部外品の商品には幾つか種類があります。主に効果で分かれるのですが、化粧品系の場合、育毛剤と美白化粧水、浴用剤、シャンプー、除毛剤、染毛剤系など様々な分野に広がっています。
ここで、「化粧品系」とことわったのは、栄養ドリンクなども医薬部外品に属しますので、それを区別する為です。

また、医薬部外品は、それぞれ「謳い」の限界が決まっています。
例えば、育毛剤なら「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」となります。ですから「円形脱毛症に効く」とか「若禿げ及び老人禿げに効く」というのは、表現できません。これらは「医薬品」の表現になります。
医薬部外品の効能効果の謳い(文言)が決まっているのは、新しい「効果を持った成分」の登録がなかったからです。

ここ数年、新しい医薬品原料の承認はありませんでした。
ただ、くすぶってるヤツはいます(笑)。例えば、美白で有名なα-アルブチンや、ビタミンC誘導体の仲間では、油溶性ビタミンCテトラデキスルデカン酸アスコルビル)などがそうです。テトラデキスルデカン酸アスコルビルの場合、美白よりもニキビ対策の方が有名かもしれませんね。
しかし、最近、カネボウが、新規医薬部外品の有効成分を厚生労働省から承認取得をしました。
その成分は「塩化レボカルニチン」といい、「肌あれ・あれ性」への効果です。

カルニチンという言葉は、健康食品とか機能性食品の分野で耳にされた方もいるのではないでしょうか。カルニチンは肌のエネルギー代謝の促進を行い、「肌あれ・あれ性」に効果を発揮します。
特にカルニチンの代謝促進は、脂肪がエネルギーとして利用されるときに脂肪を分解してエネルギーにするシステム(β酸化)を促進させることが特長的です。
ユビデカレノン(コエンザイムQ10)に続く、起爆剤になればと考えているようです。


PA値について

PA値は、肌が黒くなるのを防ぐ効果の目安です。PA+とか、PA+++などで表現されます。
PA値は、最大がPA+++と表示になります。
さて、PA+++が効果が効果が高いことは分かりますが、一体どんなぐらいなのでしょか?

SPFなら、簡単です。SPF18なら、その化粧品を塗ったら18時間日焼けしないという意味です。
このSPFはアメリカの測定法を基準に世界的に広まっています。

一方、PA値は、日本発です。
簡単な基準をご紹介しますね。
まず、PA値もPA2とかPA8とかが(計算上)存在します。
詳しい方への注釈:本当はPA2ではなくてPFA2と表現します。ここでは簡便化して分かりやすく表現するために、表記を変えています。)
紫外線を浴びて、日焼けする紫外線量を光のエネルギー量(J/cm2)で示すことができます。
紫外線を浴びて、2時間後に肌が黒くなるのにかかった光のエネルギー量を15(J/cm2)だったとします。
PA2とは、15x2=30(J/cm2)まで、紫外線を浴びても肌が黒くならない値です。ですから、考え方の基本はSPFと同じです。ただ、SPFの値は、そのまま「時間」と同じですが、PA値は少し違いますね。
因みに、PA値は以下のようになっています(今は、少し法規は変わっているかもしれませんが、基本は同じでしょう)

PA2以上〜4未満 :PA+  :UVA防止効果がある:日常生活なら焼けない
PA4以上〜8未満 :PA++  :UVA防止効果がかなりある:お出かけでも焼けない
PA8以上〜    :PA+++ :UVA防止効果が非常にある:スポーツの時に最適


と、なっています。


冷やしタオル活用法

夏場になったら、シャワーですら暑くて汗をかきますよね。
折角、風呂上がりなのに、汗だくになって化粧水を塗っておられないでしょうか?
風呂上がり、乾燥を防ぐ為に「5分以内に化粧水を!」なんてコメントも見ますが、発汗している状態で化粧水を塗るのも・・・ねぇ〜。
そこで、今回は冷やしタオルの活用をご紹介です。
冷やしタオルを作るトコからご紹介しますね。

1)薄手の綿生地を用意する(ハンカチなどがベスト)。
2)濡らして、硬く絞って、適当な大きさ(我が家は顔サイズ)に広げて、冷凍庫に放り込む。
3)放り込んでる時間は、15分〜3日位でしょうかね。
4)風呂上がりの火照った顔を、上記のタオルで急速冷凍(休息冷凍)。
5)凍っていて肌に負担がかかる場合は、冷やしタオルを使う直前に、水道水でサッと流すといいですね。(我が家の場合は、生地が薄いので、凍っていてもそのまま使っちゃいます 笑)

勿論、こんなことを為なくても、氷水で冷やした中でタオルを絞って使えば同じなのですが・・・。いちいち、氷水を作るのが面倒じゃないですか?

冷やすタオルの利点
化粧水や育毛剤の成分は、肌からの浸透もありますが、毛穴からの浸透も大きなポイントです。ですから、毛穴が綺麗である時程効果があります。
しかし、発汗して、毛穴から汗が噴き出している状態で、化粧水を使ったらどうでしょうか?逆流は大変です。
そこで、一旦、毛穴を引き締めます。
この毛穴を引き締めることを「収れん効果」と言います。具体的な成分としては、メントールエタノールにこういった作用があります。しかし、肌の弱い方には、メントールやエタノールは禁物です。
そんな成分に頼らなくても、「肌を冷やす」と、汗は抑えられて、毛穴は引き締められます。それが冷やしタオルの活用です。

また、冷やしタオルは、肌の表面を冷やし、発汗を抑える程度なので、肌の血流を落としてしまう程ではありません(って、いうか、そこまで冷やしては、痛いでしょう!)。また、毛穴を引き締めても、毛穴自体から浸透する化粧水の量は大きく影響しません。「穴」から入るというよりも、「隙間を浸透する」ってイメージです。
いい、肌環境を整えてから化粧水を使うのといいでしょうね。


オリーブ油とスクワランは違う!

この度、DSRさんから瑠璃香の「オリーブオイル100」が発売されました。スクワランではなく、なぜ、瑠璃香がオリーブ油を美容オイルとして選んだか!その意味を今回はカキコしますね。

オリーブ油を初めとする植物油は歴史的に長く使われれきました。
その用途は広く、食用から化粧品、時計の潤滑油やランプの燃料など様々です。
植物油の特長は、「トリグリセリド」という構造をしているコトです。

ちょっと、図にしてみましたので、下のを見て下さい。



トリグリセリド」とは、グリセリン1つに3つの脂肪酸が付いた形です。手にお箸を3本持った形でしょうかね。

一方、ワセリンミネラルオイルなどの鉱物油やスクワランホホバ油は、直鎖の構造を持っています。
典型的な形がワセリンで、炭素と水素からだけでできていて、炭化水素と言います。ほぼ、同じ形の直鎖型をスクワランやホホバ油もしています。お箸1本を転がした形です。

この構造の違いが重要な差になります。

ワセリンやミネラルオイルやスクワラン、ホホバ油を使って、強い被膜感を感じたり、テカテカになってしまった経験はありませんか?それは、その構造の問題です。

つまり、お箸1本を沢山転がしたらどうなるでしょうか?
真っ直ぐなモノが沢山集まると、隙間が殆どなくなります。隙間がなくなるということはその物質の水を抱える場所がないってことです。びっちり並んだ箸の山は、間に水を挟みませんので、強い被膜感やテカリを生じます。

一方、オリーブ油ローズヒップ油ツバキ油は「手にお箸を3本持った形(手=グリセリン、お箸=脂肪酸)」です。ちょっと気持ち悪いですが、お箸を3本持った手がごろごろ落ちでいたらどうでしょうか?(苦笑)「隙間」が沢山できますよね。スクワランの時のようなびっちりした被膜にはならずに、間に十分に水や成分を抱え込みます。
これが、オリーブ油などの植物油が肌馴染みはよく、テカリの少ない要因です。

水を抱える差をグラフにしてみました。



間に水や成分を含む」ってポイントは重要です。肌バリア成分自体も多くの「トリグリセリド」を持っていますので、バリア成分の補強になります。

表面に被膜して肌を守るワセリンやスクワランと、肌に馴染んで肌バリア成分の一部になっていくオリーブ油(植物油)は、同じ「オイル」といっても全く別物なのです。


夏こそケアの差がでます

夏は楽しい季節ですよね。お出かけの多い時期でもあります。
しかし、この「夏対策」!正確には「夏の紫外線対策」が、お肌年齢の差を生みます!

女性の見た目年齢は、本当の年齢±10%と言われます。
20歳の女性なら、18〜22歳に見られれば、その肌年齢は年相応です。
30歳なら、27〜33歳に見られていればいいのです。逆に言えば、30歳の女性でも25歳に見える方もいますよね。童顔だったり理由は様々ですが、肌年齢が若くないといくら童顔でも30歳の女性が25歳には見えないものです。
また、同じ見られるにしても、30歳の場合、6歳の差があります。それは、日焼けしているからではなくて、「肌年齢」が若く(老けさせて)見せるのです。

何が肌年齢の「引き上げ」をしているのでしょうか?

一にも二にも「紫外線」が原因です。
その次に、「クレンジング」ですね。
(本当は、食生活やストレス、寝不足などの要因もオンされていきます)

紫外線対策は、紫外線カット化粧品だけではありません。日傘や手袋なども非常に有効です。帽子もバカになりません、結構、いい仕事しますよ!
20代の時から紫外線対策の生活習慣がある方は、間違いなく30歳の時に若く見られます。

ああ、もう30代になってしまっている・・・どうしましょう・・・

などと、悩む前に、今からでも紫外線対策です!「女の華の時期は結構ぅ長い」などというCMもありましたが、今や、40代は活発に「女性してる」年代です!
50代だって、化粧品市場では「第二の市場」と呼ばれるくらい、化粧に気を配っている層です。昔見たいな、「おばぁちゃん」のイメージはみじんもありません!

40歳になった時、36〜44歳に見られる訳です。
70歳なら、63〜77歳!若くて元気なおばぁちゃんて素敵ですよね!わたしなんか、チャーミーグリーンのCMに憧れた時代の層です(って、若い方は知りませんよね 汗)。
少しでも、「紫外線」のケアは気を付けましょうね。

続いて、「クレンジング」です。
クレンジングの最大の目的は、肌に余分なメイクを残さないコトです。メイク料を残すと肌荒れの原因になります

まぁ、ここまでは、当り前の知識ですよね。では、逆の発想!

肌荒れが起こる状態ってどんな状態なのでしょうか?
アトピーの方など常時肌荒れの状態ですよね。
肌荒れの状態を起しやすいのは、「肌バリア機能が劣化してる」環境です。

メイクを落とすクレンジングですが、強すぎるモノは厳禁です。クレンジング料に「肌バリア成分」まで奪われては、何の為のクレンジングか分かりません(肌を(メイクの残がいで)荒れさせない為のクレンジングですよね)。

メイクによっては強いクレンジングが有効な場合もあります。ウォータープルーフのUVカット化粧品を落とす場合などもそうです。しかし、ウォータープルーフのUVカット化粧品を落とす目的なら、強い活性剤は必要ありません。肌バリア機能を奪ってしまう強い活性剤は、一見、さっぱりして心地いいですが「化粧水や乳液が必要は肌」にしてしまいます。
自分にあった、クレンジング!これも、こらからの課題ですよね。


医薬部外品の全成分表示(案)について

医薬部外品も平成18年を目指して、全成分表示になります。それに伴い、「医薬部外品の成分表示名称リスト(案)」という書類が化粧品メーカーに回ってきました。その中には、医薬部外品の成分を、全成分表示したときの名称(案)が載っているのですが・・・。そいつがややこしそうなのです!

例えば、化粧品の全成分表示でいうところの「アロエベラエキス-1」は、旧名称(粧配規名称)では「アロエエキス(2)」にあたります。この「アロエエキス(2)」とは、アロエエキス中のアロインという刺激成分を除いたエキスです。
一方、現在、医薬部外品は、化粧品でいうところの旧名称(粧配規)で表記されますので、「アロエエキス(2)」と表記されます。しかし、新たに挿入される医薬部外品の全成分表示では、「アロエエキス-2」となります。
逆に、医薬部外品でいう「アロエエキス-1」(アロインを含むタイプ)は、化粧品ではアロエベラエキス-2」になります。

なのかなのかで、刺激性は全く別物!医薬部外品と化粧品は異なるとは言っても、購入時にどれだけ区別して購入されているのでしょうか?殆ど同じ扱いで買っているのが現実でしょう。

また、化粧品の場合、配合量の多い順に表示されています(ただし、1%以下は順番どおりでなくていい)。
医薬部外品は、「有効成分」と「その他の成分」に分けて表示。「有効成分」の表示順は、申請書の順とのことなので、企業に任される形になり、多い順ではありません。また、「その他の成分」に関しても、配合量の多い順ではなくて、記載順は企業に任させるらしいです。

また、pHを調節する為に配合される成分は、その成分名を表記する必要がなく、「pH調節剤」となります。これは、クエン酸が入っているのか、乳酸が入っているのか、または、TEA(トリエタノールアミン)が入っているのか表記しなくていいことになります。

他にも、酸化チタンなどを被膜する成分の表示も化粧品では行っています(ステアリン酸、シリカなど)が、医薬部外品では表示の義務はないようだ。つまり、使用されている酸化チタンが分からない状態になります。

ややこしい事態になりそうですね。


大人のニキビ対策

大人のニキビ ニキビの原因は?と、聞くと、
過剰な皮脂の分泌」、「アクネ菌」と、言われるでしょう。
そして、改善方法は?と、聞くと、
小まめに洗顔する」、「殺菌剤の入ったモノを使う」と、言われるでしょう。 これ自体は、大方正解です。

では、再度質問します!
過剰な皮脂の分泌は、なぜニキビになるの?
洗顔を小まめにしたら、ニキビって本当に治るの?
と、聞き返されると・・・困りませんか?

ニキビとは、毛穴部分、特に皮脂分泌腺の炎症です。
炎症の原因は、皮脂の酸化ですが、皮脂の酸化される理由は2つあります。
1つめは、過剰に貯まった皮脂が、自己酸化や空気酸化で劣化する。
2つめは、皮脂がニキビ(アクネ菌等)によって酸化され、更に毒性の成分によって炎症を起こす。
です。

一昔前までは、ニキビ対策に「殺菌剤」が必須と思われていました。
しかし、ここ数年の研究の結果、「抗酸化剤」が殺菌剤同様にニキビを改善することが分かってきたのです。
要するに、貯まっていようが、菌が居ようが、「皮脂を酸化させない」なら炎症は起こらないのです(非常に粗い表現ですが・・・)。

抗酸化剤とは具体的には何でしょうか?
身近にあるモノとしては、ビタミンCの誘導体がいい仕事をします♪

ビタミンC誘導体には、大きく分けて、3つあると思って下さい。
1つめは、水に溶けて、その時、アルカリで安定なモノ
2つめは、水に溶けて、その時、弱酸性で安定なモノ
3つめは、油に溶けるタイプ
です。

1つめのタイプは、ビタミンCのナトリウム塩タイプとかマグネシウム塩タイプと言われているモノです。普通に塗ってもいいのですが、イオン導入などを使うとその浸透度は、更に増します。(化粧品屋の独り言 → vol.2 → イオン導入によるビタミンCの浸透性評価 などを参考にして頂けるといいでしょう)

単純に塗布した場合の真皮への
VCの取り込み


←→ イオン導入器使用での真皮への
VCの取り込み
左記のグラフより1ケタ違います



2つめは、グルコースというが付いたビタミンC誘導体です。

1つめと2つめは、美白化粧水(医薬部外品)として、有名な原料です。
効果もあるのですが、欠点は「高濃度だと非常に乾燥を感じる」点です。刺激も濃度に依存して現れます。
ご経験のある方もおられるのではないでしょうか?
5%も入れれは、赤くなったり、乾燥を感じたりする人がいますので、使用時は自分にあった濃度を選択することが大切です。

話をニキビの改善に戻しましょう♪
3つめは、油溶性ビタミンCと言われているビタミンC誘導体です。
一番有名なのは、「テトラヘキシルデカン酸アルコルビル」でしょうね。

3%以上の濃度で、ニキビに関する改善効果が確認されています(処方によっては、1%でも効果があるようです)。更に、20%以上の濃度で使用しても、肌トラブルは殆ど確認されていません。勿論、乾燥も感じません!
油溶性ですので、イオン導入はできないのですが、皮脂との馴染みがいいので、ニキビの患部に浸透して、ニキビを改善するなどのデータが皮膚医から多く報告されています。
医薬部外品として、美白の有効成分には2005年7月の時点で承認されていませんが、現在、美白の有効成分として、国に申請中だそうです。

乾燥しない!刺激も少ないのに、ニキビに効果的な成分である「テトラヘキシルデカン酸アルコルビル」(油溶性ビタミンC誘導体)は、今後も注目の成分です!


ヨーロッパの化粧品話題

化粧品の法的な問題(全成分表示や動物実験中止、環境ホルモン対策など)は、欧米の方が数年進んでいて、5年遅れぐらいで日本もその法案の話題が上がります。
現在、ヨーロッパ諸国の方では、化粧品の表示問題が盛んに論議されています。

1つは、商品の安全性を考慮した話題で、消費者が商品を開封後、30ヶ月以上の耐用性が保障できない化粧品には、開封後の最小耐用性期限(月、年)を表示しなけらばならないという規制の話題です。

もう1つは、機能性の話題で、紫外線カット化粧品の機能として、SPFだけでは不十分であり、紫外線A波(肌を黒くする紫外線)も、紫外線B波(肌を赤く炎症させる紫外線)共に抑制しないと、サンスクリーン化粧品として認めないという話題です。

化粧品の開封後の使用期限は、サイトの話題でもたまに上がりますよね。しかし、開封後30ヶ月(2年半)は大丈夫な化粧品って、ファンデーションのような粉モノしかないのではないでしょうかね?
基本的には、防腐剤が入っているタイプは、開封後3ヶ月以内に使い切る。防腐剤のないタイプは、それよりも短い期間に使い切ることをわたしは推薦します。
勿論、ファンデーションなどの粉モノは何年って単位でも大丈夫ですし、逆に口紅香水などは、未開封でも1年以内が使用期限だと思います(オイルリッチなモノは、オイルの自動酸化が気になりますからね)。
日本の化粧品の場合、化粧品の開封後の耐用期限についての表意の話はないです。
(>_<)
未開封の場合、3年耐用可能な化粧品は、その使用期限を表記する必要はない」って程度の約束しかないです。

2つ目のサンスクリーン化粧品は、・・・。既に日本では、SPFもPAも表示しています。ただ、SPFだけ見て買うと、意外に日焼けする(肌が黒くなる)ことがありますので、やはり、PA表示もちゃんとチェックは必要ですね♪
日常生活では、SPF20程度、PA+で十分です。日常生活とは、特に汗のかかない生活ってことです。
外回りの営業さんはこの範疇ではないですね。要は、汗によってサンスクリーンがよれたり、剥がれたりするので、紫外線カット能力が落ちてしまいますからね。






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