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クレンジングについて

クレンジング剤については、様々な誤解と混同があるようですので、ここに再度カキコして考えてみましょう。

まず、クレンジングには3つのタイプがあります。

1)オイルクレンジング
主成分がオイルであり、オイルの力でメイクを落とすタイプです。界面活性剤を含みません
通常、ティッシュオフなど拭き取り型であり、水ですすぐタイプではありません。
活性剤を含みませんので、不必要に肌バリアを奪いませんから、乾燥肌や敏感肌のタイプの方に向いています。
欠点は、水ですすぐとぬるつきを強く感じることと、クレンジング後に洗顔フォームでの洗浄が必要な点です。この二度洗いが面倒なのですが、肌への刺激の最も少ないタイプです。

2)ジェルタイプ・お風呂でも使えるタイプ・オイルジェルなのにそのまま洗い流せるタイプ
最近流行りですね。水があってもメイクが落とせるので、非常に便利です。水ですすいで流した後、つっぱり感も少なく、愛用者がいいですね。
このタイプの処方には、「オイル」と「多量の活性剤」が入っています
クレンジング自体は、1)と同じくオイルの力で洗浄します。しかし、水があっても大丈夫なのは、多くの活性剤を入れることで、水が入っても活性剤がその水を抱えるからです。
肌を傷める原因は、クレンジング時に肌バリア成分を失うからです。肌バリア成分を奪う物質は、主に活性剤です。その活性剤を多く含むこのタイプは、最も肌には過酷な処方です。長期使用で、肌の乾燥を感じる方も多いです。
使用が楽なので、健康肌、脂性肌の方には便利でしょう。しかし、敏感肌、乾燥肌の方にはお薦めできない処方です

3)石けんタイプのクレンジング
主に洗顔フォームにクレンジング力を+αしたタイプです。よく泡立つことが特徴です。
このタイプの処方は、「水」と「活性剤」でできています
洗顔フォームに乳化剤を加えたタイプですので、最近流行りの「落ちないメイク」を落とすには不十分な場合があります。ただ、1)よりも便利で、2)よりもソフトですので、昔からの愛用者が多いですね。

更に、最近では「乳液でメイクを落とす」というタイプもあります。これは、2)と3)の中間体で、「水」と「オイル」と「活性剤」で出来ています。まさに、処方的には乳液です。

我がサイトでは何度か申し上げたことがあるのですが、元々、基礎化粧品の乳液やクリームに使われる乳化剤は、クレンジングに使われる乳化剤(2)3)に入っている)の親戚みたいなモノですので、こういった処方も出来る訳です(ですから、わたしは、活性剤リッチな乳液を使うのは、界面活性剤を塗りたくっているのと同じだと思っています)。

RURICAクレンジングオイルは、1)のタイプです。活性剤を含みません。ですから、水ですすいで洗い流すには向いていません。ティシュオフの後、洗顔フォームを使用されることをお薦めします。1)のタイプはちょっと邪魔くさいですが、本当に肌のことを考えるとこれが一番です。

ところが、「オイルクレンジングはニキビになる!」と言っている方もおられます。
確かに、毛穴にオイルが残ると、ニキビの原因になりますので、注意が必要です。
しかし、きちんと洗顔フォームで洗顔したら、ニキビの心配はありません。
また、洗顔フォームの洗浄は、2)に比べたら比較にならないくらいマイルドです。
洗顔フォームでの洗顔のポイントは、最後のすすぎに時に、左右の顎を交互に丁寧にすすぐことです。これだけで、ニキビはかなり減ります。

2)のタイプは便利です。しかし、肌バリア成分を失わせ、その一方で高価な保湿化粧品が必要となります。
1)のタイプの場合、ダブル洗顔で洗顔を売ってメーカーが儲けている!といった方がいるそうですが、ナンセンスです。売るなら基礎化粧品、それも、美容液やクリームの方が遥かに儲けが高いです。2)はそういった美容液やクリームを必要とする肌にしていまう可能性が高い処方なのです。

効果重視か簡便さ重視か・・・、いつの時代もそこがポイントになりますね。


化粧品の使用期限

平成17年2月初めに厚生労働省から、食品に関する賞味期限に関する適正表記についての発表がありました。
現在、食品の賞味期限は、各メーカーごとの自社基準だそうですね。

では、化粧品はどうなのでしょうか?

化粧品の使用期限は、やはり各社の自社基準になっています。

でも、でも、使用期限を書いている化粧品って、見たことないんだけど・・・

そう、その通りです。実際に、使用期限を書いている化粧品は世にあまり出回っていません。
本当は公正競争規約の中に、化粧品はその使用期限を月単位まで表記することになっています。つまり、

使用期限 2005. 2
使用期限 平成17年3月

とかになるはずなのです。

しかし、「適切な保存状態のもとで、3年を超えて性状及び品質が安定な化粧品」はその表示を除外できるとしています。

化粧品を作るに当たり、加速試験というものをやります。実際は3年も置いておけないので、過酷条件に曝して、3年間の保障とするのです。その加速試験の方法は企業ノウハウで、基本 的に門外不出です。
まぁ、例をあげるなら(って、門外不出じゃなかったのかって・・・)、50℃の状態に数ヶ月置いて、pHの変化や粘度の変化、色や匂いの変化をみたりします。まぁ、50℃というのは仮の設定で、メーカーによっては、40℃だったり、45℃だったり、12時間毎に40℃と0℃の温度に何度も曝したり・・・、その方法は、経験と知恵で決められています。

こういった加速試験を行ったモノをもって、「3年間安定」とするのです。

某大手メーカーは20℃で3年置いて、確認してから出してるそうです。そういったトコはすごいですね。
でも、経験上、20℃3年と、温度をかけたのとは結果が違います。やはり、数条件やって確認する必要がありますね。

まぁ、とにかく、使用期限の書いていない化粧品の使用期限は3年ってことです。

因みに、開封後は一般的に3ヶ月以内です。ものによっては2ヶ月とかもあります(フェンケルさんなどそんな表記がありますね)。

口紅などは、実際のところ、未開封でも1年が限界でしょう。オイルの劣化や変色の可能性があります。
香水も、1年だと言われます。

逆に、フレス式ファンデーションなどは、未開封なら5年くらいは平気だそうです。
5年も経っても表面を軽く削ったら使えるらしいです(汗)。粉は変化しにくいらしいですよ。


入浴時間と乾燥肌

皆さんの入浴時間(湯船につかっている時間)はいったいどのくらいでしょうか?
わたしなどは、熱い湯に短時間しか入らないタイプで、俗に言う「カラスの行水」タイプです。一方、我が嫁などは、湯船に本とお茶を持ち込んで、低い温度の湯に1時間でも平気で入っているタイプです。

さてさて、寒い冬のシーズンになると、長時間湯船につかっている方も多いのではないしょうか?特に、「低い温度で長く入る」ことを薦めているところが多いものですから、やたらと長く入っていませんか?

冬場の乾燥肌の原因の1つには、この湯船につかっている時間の長さがあると思うのです。
実は、あまり長い間湯船に入っていると、肌からのバリア成分や保湿成分は奪われる場合があるのです。そのことは、医療関係の冊子に「皮膚そう痒(よう)症の原因の1つは過度の入浴や石けんの使用がある」としていることからも分かります。

この「皮膚そう痒(よう)症」とは、「肌に見た目上の異常はないのに痒くなる症状で、肌の乾燥が原因」としています。化粧品業界でいうところの「乾燥性敏感肌」ですね。

「でも、温泉などに長く入っても肌は乾燥した感じにならないよ!」

そう、その通りです。
では、温泉家庭のお風呂と何が違うのでしょうか?

実は、その水質です。

温泉の水は、ご存知の通り、2種類以上のミネラル成分が入っています。俗にいう「硬水」になります。この硬水であることは、肌との浸透圧の問題で、肌バリア成分の溶出を抑えてくれるのです。

一方、家庭のお風呂は、水道水を使います。この水道水は殆どミネラル成分を含みません。俗に言う「軟水」ですね。
軟水は、どん欲に水溶性の成分を奪います。当然、肌のミネラル成分を奪います。また、浸透圧の関係で、肌のバリア成分であるPCA-Naなどの保湿成分も奪ってしまいます。
その結果、過剰の時間入浴するとかえって乾燥肌になりかねないのです。

石けんでの洗浄も同じですね。

「過ぎたるは及ばざるが如し」
ですね。

なお、肌の表面の水が蒸発する時に、肌の水分も一緒に奪うことがあるので、お風呂から出て、5分以内に保湿ケアをするのが肌にはいいですよ。


マイルドだけじゃ世は認めない

石けんなどは、一般的にNa塩タイプK塩タイプが市販されています。
一般的に、K塩タイプの方がさっぱりしていて、Na塩の方がしっとりしていると言われています。でも、実際に使った感じとしては、その他の成分(高分子やその他の活性剤やオイル)によって、どっちがさっぱりとかしっとりとか事実上区別がつかないのが現実です。

これはわたしの経験上の話ですが、傷口に対してしみにくいのはK塩タイプだと思います。これは、詳しい化学的な証明がある話ではないのですが、何十、何百という処方を作っている中での経験です。

その他にも、アルギニン塩タイプの石けんもあります。水酸化Naや水酸化Kの変わりに、アミノ酸であるアルギニンで中和したタイプです。
文献によりますと、ヤシ油で石けんを作った場合、K塩タイプよりもアルギニンタイプの方が4倍も刺激が低いそうです。
その理由は、pHがあります。

アルギニン石けんは、K石けんよりもアルカリ度が低いのです。
以前にもpHと洗浄力の話をしたと思います。アルカリ性が高いと肌からモノを奪う力が強くなるのです。


縦軸はアミノ酸の溶出量、横軸はpH。

しかし、このアルギニン石けん、なかなか市販されても世に広がりません
そこには欠点もあるのです。
それは、匂いと安定性です。

アミノ酸ってどんな匂いだと思いますか?無臭?いえいえ、かなり臭いです。
アミノ酸が幾つか引っ付いてペプチドになります。そのペプチドが沢山引っ付いてタンパク質になります。
例えば、ダイス。あれはタンパク質です。匂いもそんなに臭くないでしょう。
それが分化されると匂いが発生します。醤油や味噌の匂いがそうです。
更に分解されると、酸っぱいというか生臭い匂いになります。

アルギニン石けんを濃厚に使用した処方を、長時間放置するとこの臭い匂いが発生してしまいます。
つまり、安定性と匂いの問題を抱えているのです。
いくら、刺激が少なくても、化粧品は嗜好性の商品です。匂いが駄目なのモノは駄目です。マイルドでも世に広がらない理由がそんな所にあるのです。
勿論、我々処方担当者としてはそういった欠点を改善するのが仕事です。その辺は、日々頑張っているのですが・・・。より良い製品作りは、一長一短では出来ませんね(汗)


スーパーヒアルロン酸について

最近、化粧品ではスーパーヒアルロン酸という名の商品が流行っているようですね。 このスーパーヒアルロン酸は、原料としては、アセチルヒアルロン酸Naというものになります。
通常、ヒアルロン酸原液などと言って販売されている商品は、分子量120万前後のヒアルロン酸Naの1%水溶液です。とろみがあって、如何にも保湿してくれそうなイメージがあります。

それに対して、アセチルヒアルロン酸Naは、分子量が10万程度で、通常のヒアルロン酸Naの1/10以下です。ですから、同じ1%水溶液でも、シャパシャパしています。悪く言うととろみがありません。まぁ、良く言うと、ヒアルロン酸Na独特の糸引きがないのです。

アセチルヒアルロン酸Naとは、ヒアルロン酸Naにアセチル基という部位が付いています。このアセチル基が付いていることが最も特徴的で、ヒアルロン酸Naにない働きをします。
その働きとは、「高濃度エタノール処方にも溶ける」、「グリセリンに溶ける」などの性質があるのです。
このことは一体どういった意味があるのだと思いますか?

その前に、ヒアルロン酸Naとアセチルヒアルロン酸Naとの効果の程をグラフ化しました。縦軸は、各成分を塗った場合の、角質中の水分量です。アセチルヒアルロン酸Naが2倍も保湿力があるのが分かります。



この差は一体何で生じているのでしょうか?
以前に、ヒアルロン酸Naは分子量が10万だろうが、120万だろうが、保湿力が同じであることをご紹介しました。
その理由は、5cm四方の1枚のシートと1cm四方の5x5=25枚のシートと覆う面積が同じである例をあげて紹介しました。(「化粧品屋の独り言 → vol.7 → ヒアルロン酸Naの話(用途)」参照)



更に、ヒアルロン酸Naはその単体では保湿はそれ程高くなくて、グリセリンとの併用で高い保湿を持つことも紹介しています。(「化粧品屋の独り言 → vol.4 → ヒアルロン酸Naについて」)

アセチルヒアルロン酸Naは上記に述べたように、通常のヒアルロン酸Naよりもエタノールに溶ける=油分(脂質)を抱き込める、また、グリセリンに溶ける=グリセリンとの馴染みがいい、と、なっています。
その結果、肌の皮脂やグリセリン成分を多く抱えることで、通常のヒアルロン酸Naの2倍の保湿力を持てたのです。


高価なヒアルロン酸Na

ヒアルロン酸Naはこの数年で随分と売れています。在庫も十分にない時期もあったようです。こういった現象は「ヒアルロン酸原液」というモノがブームになってからの話です。
日本に於て、ヒアルロン酸Naを作っているメーカーは数社あります。特に有名なのは、3社です。
キューピーさん、紀文さん、資生堂さんです。
何れも、食品会社ってのが面白いです。因に、資生堂さんは、健康食品やサプリでも実は有名なのです。

キューピーさんは、かなり古い時期からヒアルロン酸Naを扱ってきました。主に鶏の鶏冠からの抽出です。鶏冠抽出のヒアルロン酸Naはバイオタイプと異り、分子量が非常に大きいです。例えば、一般的なバイオヒアルロン酸Naの分子量は、120万です。最高に高いタイプでも、200〜300万です。しかし、鶏冠抽出は、300万を優に越える分子量のモノもあります。ですから、どうしても、使用感上、鶏冠抽出を愛用するメーカーがあります。その分、キューピーはバイオタイプのヒアルロン酸Naの開発に遅れをとってしまった形になっています。

現在、バイオタイプのヒアルロン酸Naが多く使用されるようになりました。その理由は、2つあります。
1)医療などの分野にも使用できるようになった。
2)低価格
です。

元々、バイオヒアルロン酸Naは、乳酸菌の一種にヒアルロン酸を作らせます。その原料の規格の中に、「溶血性がないこと」を確認する項目があります。つまり、溶血性を危惧する要因があるのです。しかし、きちんと規格がありますので、市販のタイプでは恐れることはありません。

1)の話ですが、医療用とは、主に、整形外科手術です。シワ消しや豊胸やなんやらで、皮下に注入できるヒアルロン酸としては、バイオタイプは長く認められていませんでした。それが、多くのデータと実績を元に、医療の世界でも使用されるようになったのです。今では、臓器移植の際に、取り出した臓器同士が引っ付かないように、また、乾かないようにする為の「保存水」の中にヒアルロン酸が入っています。

2)は、今回の流行った原因の大きなポイントです。バイオタイプは、鶏冠抽出タイプに比べて、kgあたり(分子量にもよりますが)、10万円以上も安いのです。更に、バイオタイプは、食品のサプリにも添加されるようになって、どんどん売れましたので、2004年の夏前から、価格が3割程更に安くなった・・・と、噂です。

そんなバイオタイプを作っているトップが、紀文さんと資生堂さんです。
2005年2月現在では、紀文さんの方が、資生堂さんより10万近く安価と言われています。

さぁ、ここまで、読んで、
「ヒアルロン酸Naって、kgあたり、一体幾らなの?」
と、思いませんか?

まぁ、あまりぶっちゃけられない世界ですが、10万円単位で安いの高いの言われるくらいの原料なのです。
因に、アセチルヒアルロン酸Naは、鶏冠抽出タイプのヒアルロン酸Naの約2倍、バイオヒアルロン酸Naの約3倍くらいの値がします。そうですねぇ〜、アセチルヒアルロン酸Na1kgで、軽自動車は余裕で買えますね(笑)

案外高いいんですよ、化粧品の原料ってのは!

そんな高いアセチルヒアルロン酸Naは、世界の中で資生堂さんだけが作っています。しかも、現在在庫は殆どなくて、次の入荷は2ヶ月以上先になってしまうとか・・・。
バカ売れらしいです。
コエンザイムQ10(ユビデカレノン)もそうですが、ブームってすごいですねぇ〜。


ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチン

化粧水に含まれる保湿成分として、代表的なモノは、グリセリン、BGなどです。しかし、保湿を有する添加剤として有名なのは、やはり、「ヒアルロン酸Na」、「水溶性コラーゲン or 加水分解コラーゲン」、「水溶性エラスチン or 加水分解エラスチン」でしょう。
これらを簡単に「ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン」と表現する場合がりますので、今回は、この言葉に統一して、その性質をみてみましょう。

そもそも、この「ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン」とは何なのか?今更聞けない質問の1つです。
簡単に言いますと、

1)この3つは、何れも「高分子」といわれる大きな分子のヒモ状のモノです。
2)ヒアルロン酸は、で出来ています。アミノ酸はありません。
3)コラーゲンは、アミノ酸でできています。
4)エラスチンも、アミノ酸からできています。

って、感じです。
では、個々に解説しましょう。

まずは、ヒアルロン酸からです。
ヒアルロン酸のように「糖」から出来た仲間には、「キトサン」、「セルロース」、「キサンタンガム」などがいます。
単純に分解すると、何れも最終的にはブドウ糖になってしまいます。その糖の付き方(鎖の状態)で性質が異なるのです。
このヒアルロン酸は、鶏の鶏冠、または、乳酸菌の一種から得られます。乳酸菌由来のモノを「バイオタイプ」と表現する場合がります。鶏由来の場合、トリインフルエンザを気にされる方がいますが、日本の大手のメーカーが造るヒアルロン酸の場合、どの養鶏所の鶏を使ったかも確認されていますし、熱処理によってしっかり殺菌していますので、日本メーカーのヒアルロン酸からインフルエンザがうつることはありません。

次に、コラーゲンです。
コラーゲンは、ウシやブタ由来のモノと魚由来のモノがあります。ウシ、ブタ由来の場合、皮や腱から得られます。 魚由来の場合、皮や鱗から抽出されます。 このコラーゲンは、3本のヒモが三つ編み状態で絡み合った形をとっています。この三つ編みをといたモノがゼラチンとなります。
コラーゲンの特長は、アミノ酸でできていて、特にヒドロキシプロリンプロリンの含有量が多いことです。ウシ由来のコラーゲンの場合、ヒドロキシプロリンとプロリンの総量は、20% を超えます。魚の場合、その種やどこから抽出するか(皮か鱗か)で異なるようですが、ヒドロキシプロリンとプロリンの総量は、17%を超えます。
プロリンは1gあたり1.0gの水を抱えます。また、細胞間脂質と合わさると、高い保湿力をしめします。ですから、コラーゲンではなくて、プロリン単体で配合する場合もあります。

次に、エラスチンです。
エラスチンは、ウシの場合首から取られます。の場合、皮や血から得るといわれます。因みに、ブタ由来のエラスチンはないそうです。その理由は「ブタは首が短いから・・・取ることができない」だ、そうです(笑)
さてさて、エラスチンの特長は、コラーゲン同様アミノ酸でできていて、特にデスモシンの含有が特徴的です。
エラスチンに含まれるアミノ酸は、コラーゲンとことなり、疎水性のもの(グリシン、アラニン、プロリン)などが多いのも特徴です。特にグリシンを回りにまとうような構造をとるのことが特長で、油状コイルといわれています。油性の成分が多い分、皮脂との馴染みが高く、皮脂や肌の抱水性をあげる働きをします

保湿の仕事ぶりからすると、ヒアルロン酸やコラーゲンは、自ら水を抱えて肌を保湿するのに対して、エラスチンは、皮脂と馴染んで保湿をあげます

同じ「保湿成分」といってもこういった差があるのですね。


改めてナノテクノロジー

ナノ、ナノと言って騒いでる広告が多くなってきました。で、実際にナノカプセルって何なのでしょうか? 再度、ナノカプセルについて、検討してみましょう。

まず、カプセルを作る物質から紹介しましょう。
カプセルを作る物質は、水溶性の部位と疎水性の部位の2つを持っている必要があります。
スタイルでいうなら、図1のようなオタマジャクシ型です。丸い部分が水との馴染みのいい親水基です。
針状(棒状)の部分が、オイルと馴染みのいい疎水基です。

図1


このオタマジャクシの針の部分をオイルに差し込んでいくと、丸い球状になります(図2)。針の部分には緑色でオイルを表記してみました。
球の表面は、親水基でびっしり包まれる形になるのです。これがナノカプセルになります。このカプセルを専門用語で「ミセル」といいます。

図2


このナノカプセルは、オイルを中に抱えていますが、それ自体が親水性の衣を装っていますので、水中によく馴染んで浮遊します。また、通常の活性剤と異り、針をオイルに突っ込んでいますので、そう簡単には分解しません。

これと同じ原理で、アニオン界面活性剤(石けんや合成界面活性剤)などは、衣服や肌の汚れや皮脂を奪っていきます。ただ、その場合、ナノほど小さくないので、途中で崩壊したりします。小さいからこそこの構造が維持できるのです。
こういった、ナノカプセルを作る原料としては、レシチンやリピジュア(ポリクオタニウム-61)があります。

このカプセルは、非常にびっしりと表面を囲っていますので、酸素が中に入りにくいという現象が起こります。つまり、酸化されやすいオイルやビタミンA誘導体などを中に閉じ込めると、処方中で勝手に酸化されるコトを防ぐことができます。食品で例えるなら、肝油って感じかな。

更に、このカプセルの表面に、同じ原料を引っ付けると、今度は親水性の部分同士が引っ付いて、表面に針状の部分(疎水基)が向き、イガグリ状になります(図3)。これを逆ミセルといいます。

図3


この逆ミセルもナノカプセルの一種ですが、今度は、表面が疎水性なので、油滴と同じ存在です。ですから、水に溶かす為には、この「油滴」を分散させるための、乳化剤(セタノールなど)が必要になります。
先程も言いましたが、このカプセルは強固なので、セタノールなどの乳化剤程度では分解しません。

原理的な話ですが、親水性のモノは肌バリアの関係上、肌の内部に入りにくいです。
逆に、オイルなどは、浸透しやすい傾向があります。
ですから、表面が親水性のナノカプセル(図2)は、肌の表面ではじけて、肌表面に油剤をばらまきます。
逆に、表面が疎水性のカプセル(図3)は、オイル同様に、肌の中に入りやすい構造です。


アミノ酸系界面活性剤のハラワタ-前編

アミノ酸系界面活性剤をあげてみますと、ココイルグルタミン酸Naなどが有名ですが、実は、アミノ酸系界面活性剤と言っても多くの種類があります。また、その特徴も様々です。では、ココイルグルタミン酸Na以外のアミノ酸系界面活性剤をご紹介してみると、
ココイルメチルタウリンNa
ラウロイルメチルアラニンNa
ココイルグリシンK
などがあります。

よく、アミノ酸系界面活性剤は、「良い」といいますが、欠点もあります。
それは泡立ちです。
下のグラフには、アミノ酸系界面活性剤の種類と水溶液のpHと泡立ちを現しています。また、比較対照として、カリ石けんも並べてみました。
何れも、pH7.6〜10の中性〜アルカリ条件で泡立ちが良いことが分かります。



これを「弱酸性」にしてみるとどうなるでしょうか?今回は、シャンプー処方で多様化されるラウレス硫酸Naも入れて比較します。



ご覧の通り、先ほどと随分、泡立ちが違ってきます。
弱酸性にすることで、石けんの泡立ちが落ちるのは分かりますよね。
ところが、ココイルグリシンKなどは、石けん同様に泡立ちが無くなってしまいます。ラウロイルメチルアラニンNaも、中性(pH7.6)の時よりも泡立ちは半減します。
また、ココイルメチルタウリンNa以外は、ラウレス硫酸Naに泡立ちが負けています。ですから、シャンプーにラウレス硫酸Naが入っているのは、脱脂力が強いことは知っていても、泡立ちを重視しているってことです。

実は、アミノ酸系界面活性剤=弱酸性ではなくて、「弱酸性の条件でも石けんよりも泡立つ界面活性剤」としてアミノ酸系界面活性剤があるのです。そう、お肌にやさしいpHで泡立てて洗いたいから、アミノ酸系界面活性剤を使っている、ってことはあります。

次回は、洗い上がりの感触の差についてカキコしましょう。


アミノ酸系界面活性剤のハラワタ-後編

今回は、アミノ酸系界面活性剤として、最も多用されているココイルグルタミン酸Naを初め、2種(ココイルグリシンNaラウロイルアラニンNa)を取り上げて、使用感と酸・アルカリ度についてグラフにしてみました。
比較として、カリ石けんと、最近流行のアルギニンで中和したアルギニン石けんも並べてみました。

グラフ1


アミノ酸系界面活性剤と言っても、弱酸性ばかりではなくて、ココイルグリシンNaのように、中性付近で仕事をするタイプもあります。そういえば、「モイスチャーミルク1/4配合」で有名なダヴは、水と同じ中性を謳って、ココイルグリシンNaを使っていますね。
ただ、このグラフは、その活性剤の最も泡立ちのいい状態の酸・アルカリの位置を基準にしています。と、いうのは、ココイルグリシンNaなどは、もっと弱酸性でもアルカリ側でも使用可能です。

グラフの使用感は、しっとり〜すっきりに分類していますが、それはそのまま、脱脂力の差ともいえます。
つまり、同じアミノ酸系界面活性剤と言っても、ココイルグリシンNa(赤茶丸)とココイルグルタミン酸Na(青丸)では、マイルドさに大きな差があるのです。

では、アミノ酸系界面活性剤を使っていながら、よりマイルドなココイルグルタミン酸Naを使わずに、ココイルグリシンNaを使ったのでしょうか?そこには、2つ理由が考えられます。

1:洗顔なので、すっきり感を持たせたかった。
2:泡量や泡切れの面から、選択。
です。

1の理由は、グラフ1からも分かるように、アミノ酸系界面活性剤はカリ石けんやアルギニン石けんに比べてしっとりした仕上がりになります。このしっとりした感じ=つっぱりが少ない=マイルド感、と、なっているのですが、あまりしっとり過ぎると、日本人ウケしません。ココイルグリシンNaはココイルグルタミン酸Naよりもすっきり感があります。そういった使用感の面が1つあると思います。

また、2つ目の理由として、グラフ2を見て頂きましょう。グラフ2は、ココイルグリシンNaとココイルグルタミン酸Naの泡量泡切れを示したグラフです。

グラフ2


ココイルグリシンNaの方が、泡が多くたつことがわかります。また、ココイルグルタミン酸Naのように泡切れが遅いと洗顔の場合、不愉快に感じますから、ココイルグリシンNaが採用になったのでしょう。

ところが、シャンプーの場合は、異なった考えになります。ココイルグリシンNaのように泡切れが早すぎると「きしみ」を感じる方が多くいます。ですから、シャンプーにはココイルグルタミン酸Naの採用が多いのです。

同じアミノ酸系界面活性剤でも、かなり違いますね。


オイルクレンジングを見直す

最近は、オリーブをイメージさせているオイルクレンジングが多いですね。某メーカーなどは、ボトルの中央にオリーブの果実の図を冠してしたり、ネームや謳いにオリーブを出しています。そんな宣伝を見ると、
「さぞかし、オリーブが多く配合されているのだろう♪」
と、思ってしまいますよね。
で、オリーブをイメージしているオイルクレンジングの全成分表示をちょっと調べてみました。

商品1:
ミネラルオイルトリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、PEG-7グリセリルココエート、水、オリーブ油、マカデミアナッツ油、香料」

商品2:
オリーブ油バルミチン酸オクチル、テトラオレイン酸ソルベス-30、ミネラルオイル、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール、水、プロピルパラベン、香料」

商品3:
コメヌカ油トリオクタノインイソステアリン酸オクチルドデシル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ブドウ種子油、オリーブ油、スクワラン、ホホバ油、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、ラベンダー油、酢酸トコフェロール、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ローズヒップ油、オレンジ油、グリチルレチン酸、ステアリル、クリスマムマリチマムエキス」

商品4:
ミネラルオイルトリオクタノイン、水添ポリイソブテン、イソステアリン酸PEG-8グリセリル、イソステアリン酸PEG-5グリセリル、イソステアリン酸PEG-6グリセリル、オリーブ油、ゴマ油、ホホバ油、精製水、トコフェロール、カラメル」

商品5:
ミネラルオイル、テトラオレイン酸ソルベス-30オリーブ油、オクチルドデカノール、トコフェロール、ホホバ油、香料」

商品6:
オレフィンオリゴマーブドウ種子油、バルミチン酸エシルヘキシル、オリーブ油、テトラオレイン酸ソルベス-30、セスキオレイン酸ソルビタン、スクワラン、マカデミアナッツ油、ホホバ油、ローズヒップ油、加水分解シルク、酢酸トコフェノール、香料、メチルパラベン」

商品7:
ミネラルオイル、水、LPG、オリーブ油、ラウレス-4、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、アロエベラエキス-1、BG、ミリスチルアルコール、BHT、パラベン、ローズ水」

さて、お気づきと思いますが、オリーブ油を謳いにしている割には、オリーブ油の位置が上位にある商品が少ないですね。特に、商品7などは、「オリーブ園のクレンジング」などと謳っていまが、トップはミネラルオイルです(笑)。商品2は「直営農園産などの、良質のオリーブの実を使用」と謳っているだけあって、唯一、オリーブ油がトップです。

次に、オイルクレンジングは、「オイル」にメイクを溶かし(馴染ませて)肌からメイクを浮かせ、クレンジングします。太字になっている部分が、実質的に、クレンジングの仕事をしているオイル(エステル油を含む)です。 ご覧になってお分かりと思いますが、トップ3までのオイル(若しくは、エステル油)がメイクを浮かせる仕事をします。特に「○○PEG-数○○」とか「○○ソルベス-数」などの手前までが浮かしオイルです。

次に、先にあげました「○○PEG-数○○」とか「○○ソルベス-数」などは、メイクの溶け込んだオイルを、すすぎ水に乳化させる為に入っています。(瑠璃香のクレンジングオイルには入ってません) 問題は、この乳化剤です。
配合上位のオイルやエステル油を洗い流させるだけの乳化力がある数十%分のオイルを洗い流せるってことです。
顔に塗ったクレンジング剤中のオイルの量に比べて、顔の皮脂量は微々たるものです。当然、この「○○PEG-数○○」とか「○○ソルベス-数」は、顔のオイルも奪っていきます。結果として、肌バリア機能は害され、乾燥肌になりがちになります。
しかし、実際は、そうでもない!それは、「○○PEG-数○○」とか「○○ソルベス-数」では洗い流しにくいマカデミアナッツ油やローズヒップ油、ホホバ油などの重いオイルやワックスが肌に残るようにしているからです。

そこで、再度考えましょう。クレンジングの後、肌の残るこの手のオイル(マカデミアナッツ油やローズヒップ油、ホホバ油)は、乳液やクリームなどにはあまりお目見えしませんよね。同じ残すなら、肌にいいオリーブ油やらがいいですよね。

一昔前のオイルクレンジング処方は、瑠璃香同様、「○○PEG-数○○」とか「○○ソルベス-数」などは配合されていなくて、拭き取り式でした。当時は、オイルの精製度も悪く、結果としてニキビが生じたりして、「オイルを肌に残すのは悪い!」と、イメージづいてしまったのです。
そういいながら、しっかり、乳液やクリームでオイルを補給(笑)

なら、乳液やクリームに使う、高い精製度のオイルでクレンジングオイルを作ればいいではないか!その方が、肌に負担が小さいのではないか?、と、いう発想から、瑠璃香のクレンジングオイル(拭き取り式)は生まれました。

勿論、この使用感に関しては、賛否別れるところがあるのでしょうけど、乾燥肌タイプの方にはお進めです。
原点に返って、もう一度考えるのも進化の1つかもしれませんね。


偽りのコエンザイムQ10

コエンザイムQ10は今、正に流行の商品です。モノが流行るってことあり、嘘や偽りもその中に隠れることがあります。今回は、そんな事件がありましたので、厚生労働省のHPより記載しました。

下記の文面は、平成17年3月4日に、「厚生労働省医薬食品局 監視指導・麻薬対策課」から発表があったものを引用しました。発表の文面は、箇条書き形式で分かりやすく記載されていますので、ほぼ、そのまま記載しましたが、イデベノンとユビデカレノン(コエンザイムQ10)の構造図は、厚生労働省の図では、一般の方は違いが分からないと思ったので、変更しています。

医薬品成分(イデベノン)を含有していたコエンザイムQ10含有
健康食品として販売されていた無承認無許可医薬品の発見について


 今般、下記のように、ユビデカレノン(別名:コエンザイムQ10)を含有する健康食品として販売されていた製品から、医薬品成分イデベノンが検出されましたので、下記のとおりお知らせいたします。


1. 経緯
 滋賀県内にあるニッショク株式会社が製造したコエンザイムQ10含有食品「CoQ10」について、販売者である和歌山県内の有限会社○○が分析したところ、コエンザイムQ10の含有量は表示では1錠中30mgのところ約0.2mgであったことから、当該販売者より、自主回収に着手した旨の報告があった。提供された当該製品を国立医薬品食品衛生研究所において分析した結果、1錠中からコエンザイムQ10はごくわずかしか検出されず、代わりに医薬品成分であるイデベノンを含有していることが判明した。
 このことから、本日、滋賀県がニッショク株式会社に立入調査を実施し、当該製品の製造及び販売の停止並びに自主回収を指示した。

2. イデベノンを検出した製品の名称等
名称 コエンザイムQ10含有食品「CoQ10」
製造者 ニッショク株式会社
滋賀県大津市におの浜3−1−37
形状 黄色の錠剤
検査結果 1錠中イデベノン約24mgを検出。一方、1錠中コエンザイムQ10を30mg含有すると表示されていたが、ごくわずかしか検出されなかった

3. イデベノンについて
 脳代謝・精神症状改善剤として昭和61年に医療用医薬品として承認されたが、平成10年に再評価により、承認が取り消されている。海外では現在でも医薬品として認められている国(フランス、イタリア等)がある。

4. 健康被害事例について
 現時点では、イデベノンを含有していることが確認された健康食品による健康被害事例は報告されていない。
 しかしながら、イデベノンは医薬品成分であり、健康被害が発生するおそれが否定できないので、これらの製品を服用されている方は、服用を中止いただき、この製品の服用が原因と疑われる症状を示している場合には、医療機関や最寄りの保健所まで相談されたい。


(参考)
化学構造式

イデベノンの図
イデベノン

ユビデカレノン(コエンザイムQ10)の図
ユビデカレノン(コエンザイムQ10)

イデベノンについて
国内で承認されていた当時の適応と主な副作用は、次のとおりです。
適応 脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下、情緒障害の改善
副作用 肝機能異常、精神神経症状、消化器症状 等
 なお、海外では、脳血管障害や認知症等の治療薬として、現在でも医薬品として認められている国(フランス、イタリア等)がある。

ユビデカレノン(別名:コエンザイムQ10)について
国内では医薬品(販売名:ノイキノン他)として承認されている。
なお、承認されている適応と主な副作用は、次のとおりです。
適応 軽度及び中等度のうっ血性心不全症状
副作用 胃腸障害、過敏症 等


以上が、厚生労働省からの発表です。如何でしたでしょうか?
こういった行為は、商品の表示に対する信頼を失わせる行為です。
政府のサイトは、一見堅苦しい感じがしますが、皆に役立つ、こういった情報も載っているのです。
とか、偉そうなコトをいいながら、こういった政府のサイトを見るようになったのは、この業界に入り、薬事関係に携わるようになってからですから・・・。まだまだ、一般の方には浸透はしてないですね。

ついでに、ここの偽り商品をアップしておきましょう。

・・・

ここの商品をネットで検索すると、取り扱い先で「コエンザイム60mg!」なんて表記で売っていたりします。
ユビデカレノン(コエンザイムQ10)は、医薬品原料でもあり、医薬品としての摂取量が1日当り、30mgとなっています。
にも関わらず、その倍量の60mgなんて・・・。

これは、つまり、1錠に30mgしか入っていませんが、1日2錠飲んで60mgとしているらしい。
ユビデカレノンの含有量に関しては、以前にも厚生労働省や大阪府から厳しい処置があったばかりなのに、売れりゃなんでもいいというこういう商売をやってるトコは後を絶ちませんね。
こういったメーカーに言わせりゃ、
「法的な面は守っています!」
と、なります。そりゃ、そうです。ユビデカレノンの法的束縛は、配合濃度です。1錠当たり30mgなら問題ない。
しかし、1日の摂取量を60mgとして推薦している風潮が怖い!こういった胡散臭い商売やってるから、業界の信用が落ちるのだと思いますよ(ハァ〜)。


化粧品屋の裏話(特許)

化粧品の業界には、様々な特許が存在します(まぁ、特許なんぞ、化粧品業界に始まったモノではないですけどね)。
そこで、今回は、化粧品業界に於ける特許の裏話(?)を少しお話しましょう。

特許といいましても、様々あるのですが、案外、普通に配合されている中にも特許があり、単純に「放置してくれているだけ」てのがあります。具体的に表現しないと、分かりづらいですね。では、一例を。

1)ヒアルロン酸Na水溶液にコラーゲンを配合する

ヒアルロン酸Naに水溶性コラーゲンとか加水分解コラーゲンの入った化粧水なんて世に幾らでもありますよね。そんなの、一般的ですから、特許だなんて思ってない方も多いでしょう。
しかし、この配合特許は、ポーラさんが持っています。
「じゃぁ、ポーラさんは、皆から特許料を貰ってウハウハかぁ♪」
と、思った方もおられるかな?でも、実際はそうではないのです。
確かに、この配合はポーラさんの特許がありますが、実際には、あまり細かいことはいいません。まぁ、「見逃してくれている」って感じです(特に中小企業にはね)。

他にも、あります。

2)美白化粧水の有効成分として、β−アルブチンを配合する

これは、資生堂さんの特許です。この特許は、非常に沢山の種類を資生堂さんは出していて、実質、他社がβ−アルブチンを使用することは不可能です。
ただ、この特許も、2005年3月に沢山、期限切れになりますので、こらからは、多くのメーカーさんがβ−アルブチン入りの美白化粧水を出してくるでしょう。

そうです、特許には、期限ってのがありまして、それを過ぎると、皆が使えるのです。
まぁ、特許を出すにあたって、開発費などバカにならない費用が掛かってますから、その分をペイできるくらいの期間は独占で使いたいってことでしょうね。
この特許の網の目をぬって商品を出したのがα−アルブチン配合の化粧品の商品群です。
資生堂は「β」となので「α」は特許に掛かりません。まぁ、その分、「美白」って言葉を使えないのですけどね。
因みに、β−アルブチンを医薬部外品の美白化粧水の有効成分して、データを出し、国に申請、許可を得たのは、資生堂さんです。
一方、α−アルブチンを開発したのは、江崎グリコさんです。

3)ヒアルロン酸Na配合の乳液関係の特許

乳液・・・、つまり、ヒアルロン酸Naを使用した乳化技術の特許です。これも、資生堂さんが一手に握っています。ですから、乳液にヒアルロン酸Naを配合することは、特許侵害の可能性が高くなりますので、皆、懸念します。

他にも、資生堂さんは、ヒアルロン酸Naを配合した化粧水の特許を沢山持っています
しかし、その多くは、ポーラさん同様「見逃してくれている」って感じです(特に中小企業には甘い)。
ただ、3Kと呼ばれる化粧品企業(花王、カネボウ、コーセー)が、この特許を侵害した場合は、通達するそうです。以前に、ノエビアさんも資生堂さんのヒアルロン酸Naの特許を侵害してしまい、問題になりましたが、「ヒアルロン酸Naを資生堂から買う」ってことで、OKになりました。

そうそう、資生堂さんは、業界大手の「ヒアルロン酸Na製造メーカー」でもあるのです。
特に、今、流行の「スーパーヒアルロン酸」とか言われている「サクシニルヒアルロン酸Na」は、資生堂さんしか造っていないので・・・、資生堂さんウハウハですね。
サクシニルヒアルロン酸Naは、100%モノは粉です。この粉1kgで軽自動車が買えます(高い!)
なのに・・・、メチャ売れらしいです(納期が間に合わないとかも耳にします)。

話の展開は少しずれますが、特許と言えば、「特許庁」ですよね。国の機関です。

そこから定年して辞めた人を多く採用している大手化粧品メーカーもあります。怖いので名前はだしません(笑)
俗に言う「AMAKU○○RI」ですかね(英文字使っても配慮にならんか?)
ですから、このメーカーの特許部が非常に強いです。そりゃ、特許のエキスパートの集まりですからね。裏も表も大技、小技も使えるのでしょう。

いいなぁ、そういう、特許を調べる専門部署が強いメーカーは!処方担当しても、安心して原料選びをできますからね。


化粧品屋の裏話(攻防編)

化粧品とは、やはり商品であり、企業的には、売り上げを見ます。当然、他社に負けたくない訳ですし、その為の「防衛」もします。
今回は、化粧品のそんな裏話。まぁ、「」ってことにしておいてください。

今流行のコエンザイムQ10、化粧品ではユビキノンとかユビデカレノンとかで表示されています。
このユビデカレノンは、本来、医薬品原料なので、大手を振って化粧品への配合は不可でした。
しかし、厚生労働省も何でもかんでも厳しく見ている訳ではなくて、話題性が高くなったら指摘する、と、いった感じです。

2004年の初旬に、某メーカー(A社)からこのユビデカレノン配合の化粧品が販売される予定でした。また、それに先立ってB社もユビデカレノン配合 の化粧品を出していました。
その頃は、ユビデカレノンも厳しい管轄下になかったので、配合量はメチャメチャでした。当然、医薬品原料ですので、医薬品で使う以上の使用量は疑問視されます。ですが、医薬品濃度の実に100倍くらいの濃度での配合もあったのです。特にB社のユビデカレノンの配合量は、A社をはるかに上回っていました。
このままでは、A社はB社に売り上げ的に負けてしまいます。(配合量もB社の方が上、発売もB社が先)

そこで、A社が打って出た作戦とは!

国に、「ユビデカレノンは医薬品原料だから、化粧品に配合していいのか?」と、訴えたのです。
その結果、国が「化粧品への配合は、安全性を確認できないと、配合してはダメ!
と、言って、実質上、化粧品への配合ができなくなりました。

これで、A社はB社と発売時期に関しては、チャラにできたことになります。
次に、A社は、お金を掛けて、ユビデカレノンの安全性を確認し、国に提出します。その結果、配合上限を0.03%と固定してしまいました。これは、B 社の配合濃度をはるかに下回る濃度です。従って、B社は再び商品を開発しなくてはならなくなりました。つまり、A社とB社との配合濃度の競争はチャラです。

発売時期に関しては、A社が国にユビデカレノンの配合の申請をしているので、国から許可が出る時期も分かります(もっと言えば、国から許可が出るってことを知っています)。ですから、商品を準備できるのです。

この仕切りなおしの結果、A社はB社に対して、ユビデカレノン商品の発売・売り上げで勝ちになったのです。

企業の攻防戦って・・・すごい


加水分解○○の違い

世には多くの加水分解○○などという原料があります。例えば、加水分解コラーゲンとか、加水分解シルクなどがそうです。そして、ソレが配合されていることを当然のごとく謳って、「いいモノです!」と言っています。
しかし、いったいソレがどんなモノなのか?分かる方は少ないのではないでしょうか?

一般の本では
加水分解コラーゲン → コラーゲン分解物。皮や腱、鱗由来。
加水分解シルク → シルクの分解物。
加水分解カゼイン → 牛乳に含まれるミルクカゼイン蛋白の分解物。
加水分解コンキオリン → 真珠貝の貝に含まれるたん白質の分解物。
加水分解ケラチン → 羊若しくは人毛由来の分解物。
加水分解ダイズタンパク → 大豆蛋白の分解物。

といった感じでしょうね。で、その由来が違うのは名前を見れば分かるのですが、実際にはどう違うのでしょうか?今回は、そのたん白質の組成といえるアミノ酸の違いを見て見ます。

まず、簡単にアミノ酸とたん白質の関係を説明しますね。
アミノ酸とは、レンガみたいなモノです。そして、たん白質は、レンガ造りの家ですね。それから、 最近流行の「ペプチド」とは、レンガでできた階段暖炉みたいな、「家」のパーツになります。

で、レンガ造りの家の「心地」を見るには3つの条件があります。
1)どんなレンガでできているのか?(耐熱レンガとか、透明レンガとかで家の心地は変わりますね)
2)どんな形なのか?(平屋とか二階建てとかで、家そのものの機能が違うでしょ)
3)どんな大きさか?(大きい家と小さい家・・・やっぱり心地は違いますね)

これと同じことがアミノ酸とたん白質の関係にあります。ですから、その「アミノ酸組成」を知ることは大いに意味があるのです。
そこで、アミノ酸組成を表にしてみました。
アミノ酸には沢山の種類があるので、特徴的なモノをピックアップすています。数値は%です。



具体的に見て見ましょう。
コラーゲンなどは、グリシンというアミノ酸がリッチですね。これがチッリなたん白質は、シルク真珠がそうです。
次に、シルクを見てみると、他のたん白質よりも、アラニンがリッチですね。
アラニンは、髪の毛に吸着しやすいアミノ酸なのです。ですから、シルクの加水分解物は、髪への親和性がよくて、傷んだ髪の修復が期待できます。

次に、ヒドロキシプロリンプロリンを見て見ましょう。この2つのアミノ酸は、ハリ感に関与します。プロリン自体は、コラーゲンにも ミルクにも入っていいますが、プロリン+ヒドロキシプロリンの合計量では、コラーゲンが断トツです。ですから、肌にハリ感 を与えたい化粧水には、このコラーゲンが配合されているのです。
このように、我々処方担当は、色々な加水分解物の性質を選んで、化粧水やヘアケア商品に配合します。

ただ、注意点は、アミノ酸の種類というのは、上記の条件の1)しか満たしていません。
同じアミノ酸組成でも、条件2)か水分解物の形や、3)加水分解物の大きさ(分子量)で、その機能は変わってきます。

この複雑な条件を、上手に組み合わせることができるかが、処方担当の腕の見せ所になります(^o^)」


日に焼けること

日焼けすると、肌が赤くなって火照ります。また、その内に、黒くなってメラニンは沈着します。嫌ですよね。
でも、そもそも、どうしてこんなコトになるのでしょうか?

まぁ、その前に、紫外線の量をみてみましょうかね。
下記の図は、以前にも紹介しましたように、年間の紫外線の量を示しています。
図1は、月別の紫外線B波(肌を赤くするUV)の強さを示してみました。図2は、月別の紫外線A波(肌を黒くするUV)の強さを示してみました。
図1


図2


夏までの4月、5月でもかなりの紫外線があることがお分かり頂けるでしょう。

ここまでは、どこの化粧品売り場でも話として聞けるところです。

では、なぜ、赤くなったり、黒くなったりするのでしょうか?

まず、紫外線B波は、肌を赤くし、火照らせます紫外線B波は肌の深くまでは浸入しません。ですから、肌の表面の細胞がやられるに留まります。細胞がやられると、直ぐに、その修復が必要になります。修復するには、多くの栄養と、酸素が必要です。栄養や酸素は血管を通ってくる訳です。ですから、急ピッチで修復するには、まず、血管の増設が必要!

血管を増設した結果が、肌が赤くなって火照るといった症状になるのです。
紫外線B波を浴びて、傷ついた肌の修復の為に、赤み、火照りが起こっているのですね。肌表面は、肌バリアの大切な部分です。そこがやられると、バリア機能が落ちますからね。体も必死な訳です。

次に、紫外線A波は、肌を黒くします紫外線A波は、肌の深くまで浸透してDNAを傷つけます。DNAを傷つけられた細胞は、死ぬか、若しくは癌細胞にになります。
これは、肌として、根本的に困った問題です。そこで、メラニンを作らせます!
メラニンは、細胞の「日傘」みたいなモノです。細胞が紫外線からやられる前に、このメラニン日傘が紫外線を吸収してくれるのです。
実際、紫外線による皮膚ガンの率は、黒人よりも白人の方が多いです。地理的に考えると、当然、南国の方が紫外線量は多いのですが、肌を守るメラニン日傘の力の差ですね。日本人を含む、黄色人種は、メラニン日傘の量を自分の環境に合わせて、加減できます。

肌が赤くなり、火照る。黒くなる。嫌ですよね。
でも、火照りを強制的に抑制したり、メラニンを強制的に抑制する事の裏には、生物が存在する為の、細胞の営みへの配慮が必要ですね。


花粉症

ちょっと化粧品の話から話題がそれますが・・・
わたし、この3月(2005年の3月)に初めて「花粉症」なるものになってしまいました(泣)今まで、野生児で通してきたのに・・・。

で、あまりに悔しいので、ちょっと調べてみました。
わたしが、花粉症にかかったのは、おそらく3/19-21の連休です。目はウルウル、鼻はグズグズいいだしたのは、その日からだからです。
世には、様々なデータが飛び交っているもので、「空気中のスギ花粉の量」なんてのを測定している医薬品メーカーがあります。そこの関西での2005年3月のスギ花粉の量を見てみました。下記のグラフがそうです。



このグラフによりますと、見事!3/19-21の花粉の量の多いこと!
ああ、やっぱりあの日に発病なのだと・・・。
そういえば、あの日は、会社でも多くの人がひどい状態になっていたなぁ。

更に、医者に行くと、花粉症にかかったかを「抗体免疫反応」で診断してくれました。
この「抗体免疫反応」とは、特定の物質があるかどうか調べるシステムで、正解率は99.9%以上。最近では、インフルエンザに掛っているかとか、女性の妊娠診断などにも使われます。
その結果、わたしは「陽性」。つまり、ばっちり花粉症(再泣)

花粉症は、目や鼻の中の粘膜に花粉がつくことで症状が悪化します。流石の化粧品も目や鼻の中には対応できません(泣) ああ、こうなると、医薬品の分野の方に頑張ってもらうしかないのかなぁ・・・。


キレート剤の話

エデト酸塩などをキレート剤といいますよね。
キレート剤とは、水中の金属イオンを奪う仕事をする成分のことです。
例えば、水道水中のカルシウムイオン(Ca++)などをキレート剤は捕らえます。

キレート剤は洗顔やシャンプーによく含まれますが、どうして入っているのか知っている方は少ないかもしれませんね。また、キレート剤として言われているエデト酸塩なども「抗菌剤」と表記されている場合もあります。その理由も一般の方には不明ですよね。

では、順に、お話しましょう。

まず、洗顔やシャンプーなどは、泡立てる必要がありますよね。この「」を作ることの邪魔をする物質の1つに「イオン」があります。その代表的なモノがカルシウムイオン(Ca++)です。
処方上、製造時には、純水を使用しますので、処方内の水にはCa++は(基本的には)存在しません。ところが、家庭で使用する水道水中にはCa++などのイオンが少量ながら存在して、その存在が、洗顔やシャンプーの泡立ちを落としたり、「きしみ」を生んだりします
実際、実験室などで、純水で髪を洗うと、(Ca++ がないので)石けんシャンプーでも髪はきしみません。
泡立ちときしみ(洗顔後の突っ張り感)の改善の為にキレート剤は入っています。

「じゃぁ、抗菌とどう関係あるのかな?」

今度は、抗菌としての目線で見ましょう。
菌が増える条件にはまず「」が存在することです。そして、その水の中に「栄養となるモノ」があることです。そして、更にもう1つ!「特定のイオンが存在するコト」が重要なのです。
この「特定のイオン」は、菌の内部にある酵素を活性化します。活性化した酵素によって菌は元気に栄養を食う訳です。
そこで、エデト酸塩などのキレート剤は役に立ちます。処方中に僅かに存在するCa++やマグネシウムイオン(Mg++)を菌より先にキレート剤が奪えば、菌は増殖できません。増殖出来ない菌はやがて寿命で死に、最終的には無菌になります。
これが、キレート剤を「抗菌剤」と言わせている理由です。

しかし、アミノ酸系界面活性剤を主体としたシャンプーなどは、アミノ酸系界面活性剤自体がイオンに強いので、実際にはキレート剤は不要です。
また、パラベンを入れているなら、キレート剤による抗菌効果など必要ないはずです。
しかし、「入れるものだ!」と、あまり深く考えることなく、処方中にエデト酸塩を放り込んでいる処方も多くあると感じます。
習慣ではなく、考えて、処方は組むべきだと思うのですかどね・・・。


化粧品の研究職になるには

化粧品などを扱う分野、しかも、研究職になるには、どうしたらいいのだろうか? などと考えている方もおられるようですので、ちょっとお話しましょう。

まず、化粧品の研究職をやっているトコは幾つかあります。
1:大手化粧品メーカー
2:中小の化粧品メーカー
3:OEM化粧品メーカー
4:大手化粧品原料メーカー
です。

まず、1:大手化粧品メーカーは、直ぐに検索できますので、今回にカキコしません。ただ、シャンプー担当になったら、ず〜っとシャンプー担当で、基礎化粧品に移るなんてコトはマレになります。ただ、給料はそこそこいいでしょうね(と、言っても、医薬品よりは遥かに安いです。食品関係よりは高いかな)。

2:中小の化粧品メーカーは、その規模にもよりますが、100までの社員の会社なら、処方担当者は何でも屋になります。つまり、ヘアケアも基礎化粧品も何でも担当になります。その割に、給料は低いので・・・。好きでやるなら面白いでしょうね。

3:OEM化粧品メーカー。これは、業界に入ってから知る方も多い話です。影で資生堂やポーラなどの商品を作っているメーカーです。影といってもあやしくなくて(笑)、商品問屋って感じかな。とにかく処方担当は忙しいです。ただ、開発というよりも、こなしていく処方が多いので・・・、楽しいと思うかは、その人の感じ方の差ですね。処方担当の思いとか、熱意とかそういったモノとは無縁のトコで、テーマとコストが先にある世界です。ただ、いまは、伸びていっている業界ですから、面白いと思う方も多いでしょうね。

4:大手化粧品原料メーカー。最近は、原料だけでなく、その原料を使った処方も提案していく傾向があります。ただ、原料メーカーによっては、処方担当などいな場合もありますし、入社前に確認しておくといいでしょうね。

春は入社や就職活動の時期です。そういった方からの質問も待っていますよ♪


紫外線反射剤とSPF

UVカット化粧品に配合されている紫外線反射剤、具体的には酸化チタンや酸化亜鉛がソレあたります。
SPFなどはこの紫外線反射剤の「」で左右されているように思われている方が多いのでではないでしょうか?
実際に、わたしのトコにも「何%くらい入れたらいいの?」などの、手作り化粧品派の方から質問があります。

しかし、実際は、紫外線反射剤の「量」ではなくて、その「分散の具合」がSPFに影響するのです。

この「分散の具合」とは、ケーキ作りでいうなら、「小麦粉のダマ」の具合です(分からないかな 汗)。

ダマが多いと、美味しくないですよね。UVカット化粧品も紫外線反射剤のダマが多いとSPFは高くなりません
具体的に見て見ましょう。

図1


図1は、ダマのある処方例の図です。○は紫外線反射剤です。肌の上で、幾つかが引っ付いて塊になったスタイルで存在します。こうなると、隙間から紫外線が肌に進入します。また、実際の見た目は「白浮き」して見えます。

図2


図2は、ダマのない状態の処方例の図です。肌に均一に分散しています。この状態の方が「薄い膜」なのですが、実は薄くてもSPFは高くなります。また、実際の見た目は、「透明」に見えます。

図2のように綺麗に分散させるには3つの方法があります。

:ゴシゴシこすって引き伸ばす
:もともと伸びやすい酸化チタンを使う
:酸化チタン以外の部分(処方)で分散を良くする

です。

1つ目は、肌に負担が掛かりますから推薦できませんよね。
2つ目は、「微粒子酸化チタン」を使えばいいのか?と、思いがちですが、そうではないのです。1粒1粒が微粒子化しいても、それが集まってダマになったら元も子もない。微粒子酸化チタンの方がダマができやすいって話もあります。酸化チタンはその周りをシリコンなどでコートされています。何でどんな風にコートされているのかが、分散性の違いになります。
3つ目は、乳化剤やエステル油など様々な処方上の工夫ですね。主に、この3でSPFは決まります。

そこで、最近では、化粧品原料も「酸化チタン単体」ではなくて、既に幾つかの原料がミックスしてあって、酸化チタンが上手に分散した状態の原料を売っていたりします。
また、酸化チタン自体の形状やコーティングも毎年研究発表があります。
まだまだ、これから発展していく分野の商品なのです。


ハイドロキノンの動向

ハイドロキノンは美白の世界を話する時には必ず目にする言葉です。
白斑といって、色素のない部分ができる可能性のある原料です(白色のアザのようになります)。

日本の化粧品原料としても、昭和の初めに使われていたのですが、白斑の問題があり、今では使用されていません。しかし、2001年の規制緩和(全成分表示)に伴い、化粧品原料の安全性管理は、国からメーカー管理に移行しました。ですから、メーカーが独自に安全性を証明すれば、何でも使用可能な時代になったのです(でも、本当は、化粧品に使ってはいけないモノとか、添加量の制限があるモノもあります。ユビデカレノン(コエンザイムQ10)などもそうですね。)。

ハイドロキノンは、インターネットの発展に伴い個人購入可能になりました。アメリカでは常用されていることを謳って、その安全性を表現して、販売してるトコもあります。ハイドロキノン単体ではなくても、配合されている化粧品を売っているトコも多く見受けられます。

しかし、そのアメリカも少し違ってきたみたいです。

ハイドロキノンの安全性に関して、アメリカのFDA(日本でいう厚生労働省みたいな機関)が2005年6月に規則案を公表するらしいです。
FDAは、1998年にハイドロキノンの安全性データの提供を業界各社に求めましたが、その後、野放しになっていました。その間、ハイドロキノンがメラニンを持つ細胞に有毒であり、動物に悪性腫瘍を生じさせることが発見されました。

アメリカの化粧品成分レビューでは、ハイドロキノンは1%以下の濃度で化粧品に使用する場合は安全だが、それを超えると安全ではないと判断しています。
しかし、アメリカの薬局(OTC)では最大4%まで処方されており、その濃度(4%)で処方された化粧品の販売も確認されています。

一方、ヨーロッパ(EU)では、2001年に美白化粧品へのハイドロキノンの添加を禁止しています。
日本でも「ハイドロキノンモノベンジルエーテル」は、化粧品への配合が禁止されています。

ハイドロキノン規制案が公表されると、アメリカ製の美白化粧品も随分変わるかもしれませんね。


脂肪溶解注射について

今、「脂肪溶解注射」ってのが流行っているようですね。
「脂肪溶解注射」とは、レシチン数種類を注射で皮下に打ち込むモノらしいです。クリニックによっては、この方法を「メソセラピー」と言っているトコもあるようですが、実は別物らしいです。
1回で4万程度して、しかも、数回〜十数回かやらないと効果がないようです。

因みに「メソセラピー」については、下記のようなコメントがネットで拾えます。

メソセラピー(Mesotherapy):メソセラピーとは、植物の抽出液やビタミン、薬剤などによる皮内・皮下注射のことである。1952年にフランスの医師、Dr. Michel Pistorにより開発された療法で、ペインコントロールや便秘、スポーツ医学、関節炎、脱毛症、肥満など様々な目的に利用されている。
近年になって医学的に確立されつつあるものの、注入する内容や量、効果予測などは医師の経験則に基づいてなされることが多く、皮膚科医や形成外科医の中にはその有効性や安全性を疑問視する声もある。


セラピーと付くには少し怖いイメージだなぁ、と、思いました。

脂肪溶解注射」の注射で打ち込むレシチンは、大豆レシチン(ホスファチジルコリン)だそうです。
今までの脂肪吸引では、吸引官が物理的に血管を傷つける事故が多かったようですが、これは注射なので、そういった事故はないとのことです。そりゃ、注射ですからね。グリグリしませんもんね。

この脂肪溶解注射の原理は、レシチンによって、脂肪細胞の細胞膜を不安定にして、細胞中の脂肪を排出させる、と、いった方法だそうです。脂肪吸引のように血管をグリグリはしませんが、細胞自体は傷つけます。ですから、治療後1週間は、内出血、腫れ、熱感、かゆみなどが生じるようです。しかも、効果が出るのは一ヶ月程度経ってからのようです。

ここで、ちょっと化粧品に関わるお話をしましょう。
この脂肪溶解注射で使われている大豆レシチンは、医薬品原料です。と、同時に化粧品の原料としても使われています。
そう、あの「ナノカプセル」のカプセルを作っているモノがこのレシチンです。
元々、ナノカプセルは薬剤をその中に包んで、目的の臓器(肝臓など)に薬剤を届ける為に開発されました。その応用で化粧品では、中にオイルやオイルに溶かしたビタミンを包ませて使われます。

レシチンで作ったナノカプセルの表面は水に馴染みがいいのです。ですから、血液中や化粧水中でナノカプセルが分散して漂うのです。しかし、この安定したスタイルは、中心に「オイル」あることがポイントです。

じゃぁ、「オイル」が真ん中になかったら・・・?どうなるのでしょうか?

オイルのない水中に中にレシチンを分散させると不安定な状態で漂います。その中にオイルを少し入れると、レシチンは大喜びでそのオイルを抱き込みます。
これを皮下組織で行うと・・・。抱え込むモノとして、細胞を選んでしまいます。そう、レシチンと細胞膜はちょっと似た形なので、レシチンは細胞膜に突き刺さります。突き刺された細胞は、その細胞膜が不安定になって、中のモノを維持ができなくなって、細胞中の脂肪が排出されます。ひどくなると、細胞そのものが崩壊するかもしれません。

まぁ、だからといって、化粧水中にレシチンがあって怖がる必要はありません。化粧水中に入っているレシチンの量は知れてますし、毎回塗っても、肌バリアで防護されます。

「ナノカプセルが肌の奥まで浸透!」

なんてのは、宣伝文句で、実際は、肌バリアを通かするのは難しいでしょうね。まして、化粧水中のレシチンが、脂肪を減らしたり、細胞を傷つけたりはしませんので、ご安心下さいね。


VOCEの実験

化粧品の雑誌は数多ありますが、その中でもVOCE(ヴォーチェ)の実験シリーズのコーナーは毎回頭が下がります。
一般の方に分かりやすい表現方法と、納得しやすい実験で面白い試験をやってくれています。
例えば、今回2005年6月号(小雪さんが表紙モデルやってます)はUVカット化粧品の特集

UVカット化粧品は、まだまだ発展途上の処方ですから、買ってみないとその性能が分かりません。
あてをつけるにも、意外に種類が多いので迷ってしまいます。そんな時、このVOCEの試験は1つの参考になるでしょう。

その中で、「TEST4 UV カット効果は?」というのがあります。実際に男性の背中にUVカット化粧品を塗って、そこに人工的に紫外線を当てて、日焼けがどのくらい防げるか!と、いう実使用試験が載っています。

わたし達、処方開発者も、UVカット化粧品を開発した場合、これと同じコトを数名の有志で行います。しかし、日焼けの後が残るので、大変かっこ悪い試験です(苦笑) わたし達は、背中をアルミホイルで覆い、そこに四角い穴を開けて、その穴から見える肌に、UVカット化粧品を塗ります。対称として、塗らない部分も作りますから、試験の結果、背中には、四角い日焼けの後がいっぱい残って、まるで亀の甲羅のようです。
それを・・・VOCEは、「ハート型」でやりますた(すごいぞVOCE!!) 可愛いけど、その跡は悲惨でしょう(笑)
人によりますが、こういった日焼け跡は、2週間〜3ヶ月残ります。大体、色白の男性が犠牲者になるのですが・・・。試験自体よりも、この被験者の男性に乾杯(泣)

読んでて分からないでしょうから、一読あれ!

それは、さておき、今回のVOCEの試験は、マジ、一読モノですよぉ。


化粧品の原料規格

化粧品の原料のことを少し専門的に調べ始めると「粧原基」とか「粧配規」なんて言葉にぶつかります。また「日局」なんて言葉もよく出てきますね。そこで、今回は、これ等がいったい何モノなのか?と、いうことをカキコします。

「何だったけ?」
と、思ったら、またこのページを覗きに来てくださいね。

粧原基
化粧品原料基準が正式名です。1967年に初版が厚生省(国)から出されています。
2001年に化粧品が全成分表示されるまでは、この本の基準書にそって原料の規格がなされていました。2001年をもって、この規格は(一応)なくなりました。でも、未だにこの規格に合うように化粧品原料は作られているのが通常です。
化粧品原料の安全性に関して、国が作った規格です。国が安全性を証明して、国がその安全性を認めた原料です。

粧原基二」または「JSCI-II
化粧品原料基準 第二版が正式名です。1999年に上記の「粧原基」が改版されたモノです。まぁ、滅多に「粧原基」と区別されることはないですね。

粧配規
化粧品種別配合成分規格が正式名です。粧原基に載せられなかった化粧品原料が多くあり、その規格は、メーカーが安全性を証明して、国がその安全性を認めた原料です。
ですから、元々は「化粧品原料基準成分規格」ってトコからスタートした規格です。
粧原基とこの粧配規は化粧品原料の根本的な安全性基準です。
(こちらも、2001年をもって、この規格は(一応)なくなりました。)

粧外規
上記に示した「化粧品原料基準外成分規格」のこと。これは粧配規の発展に伴い、1993年に廃止になっています。

この他にも、

日局
日本薬局方が正式名。薬の原料規格です。薬局で入手できるオリーブ油やクエン酸、グリセリンなどはこの規格に合わせられています。

外原規
医薬部外品原料規格が正式名。医薬部外品(染毛剤など)の原料規格です。一般の方が使用することはまずないでしょう。

食添
食品添加物公定書が正式名。食品添加物の原料規格です。
食品添加物には、酢酸やメントールなどそのまま食材に昔から使われているモノのほかに、乳化剤や色素、サッカリンナトリウム、キシローズなど色々あります。

化粧品屋が使う原料基準書は、主にこれらですね。

因みに、化粧品原料でいう弱アルカリとか弱酸性は、粧原基に基準が載っていますので、下記に示しますね。

微酸性 pH約5〜約6.5
弱酸性 pH約3〜約5
強酸性 pH3以下

微アルカリ性 pH約7.5〜約9
弱アルカリ性 pH約9〜約11
強アルカリ性 pH11以上
です。ただし、これは「原料」での表現ですので、実際の商品では、メーカーによって値は異なるようです。






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