最新情報へジャンプ 皆さんも一度くらいは、アーユルヴェーダという言葉を耳にしたことはあるのではないでしょうか? ネットで検索すると、詳しい紹介をしているサイトが幾つもありますので、ここではかいつまんで簡単に説明しますね。 アーユルヴェーダとは、インドあたりに起源を持つ、伝統医学です。その歴史は5000年と言われ、東洋の漢方や西洋のハーブ(アロマテラピーの根源)もこのアーユルヴェーダから派生したものです。 語源を言いますと、「アーユル」とは「生命」を意味し、「ヴェーダ」とは「知識・科学」を意味します。 アーユルヴェーダの考え方は、漢方の「五行」の大元でもあり、「風・空・火・水・土」や「聴・触・視・味・嗅」などの表現でモノを分類したります。 わたしが、アーユルヴェーダが素晴らしいと思った要因の1つが、「モノの根源を考える医学」というコトです。ちょっとややこしいので、具体的に上げてみましょう。 例えば、喉が痛く咳が出ているとします。この場合、西洋医学に治療を受ければ、患部である喉の治療をしてくれるでしょう。 しかし、アーユルヴェーダは違います。 アーユルヴェーダの場合、まず初めに、患者の体質に関するアンケートをとります。そのアンケートの結果、その患者の体質を知り、ここの患者にあった治療法に入ります。治療としっても、直接患部である喉の治療にはいる訳ではありません。喉が痛くなるには、その人が冷え性であったら、腰を暖めて体全体の基礎抗体力をあげます。そして、食生活のチェックや体のマッサージによる血行の促進をすることで、体のバランスを整えることで、喉の治療をするのです。 つまり、西洋医学で言えば、喉が痛くて咳が出る場合、患部の炎症を抑えることが大切となります。しかし、アーユルヴェーダの場合、喉が痛いのはその人の本来の体のバランスが崩れたことが原因であり、そのバランスを整えることを最も大切にするのです。 このアーユルヴェーダの考えは、化粧品についての考えに転換できると思うのです。 化粧品は、医薬品ではないのです。患部に塗って治る品ではありません。化粧品は、体のバランスの崩れた部分に対して少しフォローするのが仕事です。ですから、生活習慣や食、ストレス、運動、恋(←実際に結構効果大)が大きく影響します。 アーユルヴェーダの考えで、ドーシャというものがあります。ドーシャとは、「バータ・ピッタ・カパ」の3つの体の要因を意味します。 具体的には バータ:乾燥・冷・不規則・可動性・でこぼこ・短期 ピッタ:油性・温・緊張・流動性・液体・激情 カパ :油性・冷・安定・粘性・なめらか・鈍感 を意味します。 人は、生まれならこの3つの要因を一定のバランスで持っていると言われています。例えば、バータのバランスが崩れた人は、乾燥肌になったり、肌がざらついたりし、肌バリア層が薄くなって敏感肌になりやすくなります。 ピッタの要因の多い人は、肌が柔軟で水々しい肌ですが、この要因が崩れるとニキビやシミが出来やすい肌質となります。 カパの要因の人は、脂性の肌ですが、体質的には冷え性ですので、シワになりやすい傾向があります。体質が崩れると、毛穴が開いて目立ったり、ニキビやシワが出来やすくなります。 アーユルヴェーダでは、こういった「バータ・ピッタ・カパ」の3つバランスは生まれ持ったモノであり、自分の体質を知っていれば、事前に注意出来るという発想です。 何だか難しそうですが、西洋医学的に表現すると「遺伝」と言え、東洋医学的に言えば「家系」と表現されるコトです。 さぁ、あなた(わたし)はどんな体質なのでしょうか? 次回は、そのチェックシートと、どう判断したらいいのかをご紹介しますね。 お仲間と一生にチェックすると、結構面白いですよ♪ アーユルヴェーダ後編 前回のアーユルヴェーダの話に続いて、今度は、自分のドーシャ(体質)を知っておきましょう。 下記に、チェック項目を作ってみました。チェックは、バータ、ピッタ、カパで別れています。それぞれの項目に当てはまるとチェックをしてみて下さい。 どこをチェックしたかではなくて、バータ、ピッタ、カパでそれぞれ何個チェックしたか?が問題になります。 注意点としては、こういったモノをやるとその結果を知って、やたらと悩む方がいます。まぁ、遊びや占い程度のイメージでやってみて下さい。しかし、あながち外れている話ではないでしょうから、日頃の生活の中で、自分で気にしておくポイント程度に思って下さいね。 では、始まりです。必要ならば、下記のテーブルタグ(囲い)の中をドラッグして、「選択範囲を印刷」するとやりやすいかもしれません。 チェック項目
では、チェックの方法をご紹介します。 まず、「単一ドーシャ型」、「複合ドーシャ型」、「バランス型」に別れます。 「単一ドーシャ型」とは、バータ、ピッタ、カパのいずれか1つの項目数がスバ抜けて多いタイプです。こういうタイプの人は、ドーシャ(体質)の乱れに注意が必要です。 次に、「複合ドーシャ型」とは、バータ、ピッタ、カパのいずれか2つ項目数が多いタイプです。多くの方がこのタイプに属します。こういうタイプの人は、季節の変化の時にドーシャ(体質)のバランスを崩しがちになります。 最後に、「バランス型」とは、バータ、ピッタ、カパの3つの項目数が均等になっているタイプです。全ての素質を持っているタイプですね。 また、チェックの入った項目数の多いトコロが自分のドーシャ(体質)のタイプです。複合ドーシャ型の方は、2つの要因を持っている事になります。では、そこんトコをご紹介しますね。 バータのチェック項目が多いタイプの方(バータタイプの肌質) バータタイプの肌質の方は、一般的に水の要素が不足しているため、乾燥気味になりやすい傾向があります。 ドーシャ(体質)のバランスが崩れた場合は、肌が乾燥して、ざらつきます。また肌バリアが薄くなり、敏感肌で冷え性になります。 こういった場合は、保湿剤に頼るだけでなく、体を温める策をとることをお薦めします。 ピッタのチェック項目が多いタイプの方(ピッタタイプの肌質) ピッタタイプの肌質の方は、肌が柔軟性であり、暖かく厚みがある。また、油や刺激のある物を食べるとニキビなどを起しやすい敏感肌体質でもあります。 ドーシャ(体質)のバランスが崩れた場合は、ニキビやシミが出来やすすくなります。 こういった場合は、クレンジングや美白成分に頼るだけでなく、食生活の改善が重要になります。 カパのチェック項目が多いタイプの方(カパタイプの肌質) カパタイプの肌質の方は、肌が薄く、油っぽく、柔軟性がありますが、冷え性でもあります。肌質的には、保湿力が高く、シワの出来にくい体質です。また、過剰な睡眠は、逆に「気だるさ」を生んでしまいがちです。 ドーシャ(体質)のバランスが崩れた場合は、毛穴が開き、油っぽくなり、ニキビが出来やすくなります。 こういった場合は、洗顔だでなく、水分の補給をすることで、油っぽさが改善できます。 ドーシャ(体質)のバランスが崩れる原因の最大の要因は「ストレス」など、精神的な面に起因しがちですので、「発散方法」を考えましょう。 どうでしょうか?面白かったでしょうか?参考になる点があってでしょうか? まぁ、遊びですが、心当たりのある点が多ければ、日頃の気配りの参考にしてみて下さい。 また、お友達と、一緒にやってみるのもいいでしょうね。 ビタミンEとヒジキ 老化の原因になる体内の活性酸素を消す働きがあるビタミンEをサプリメントなどで大量に摂取すると、健康に有害な恐れがあるとする研究を米ジョンズホプキンズ大などがまとめ、10日、米心臓学会で発表した。と、ネットニュースがありました。 サプリなどで、1日に267ミリグラム(400国際単位)以上を摂取すると、最長約8年の追跡期間中の死亡率が、摂取していない人に比べ約10%高かったそうです。 死亡率が高くなる原因は不明だそうですが、試験参加者の大半は持病があったらしいので、本当にビタミンEが死因に関与しているのかは不明だそうです。 上記は、アメリカの情報ですが、方やイギリスでは、ヒジキにヒ素が入っているから、食べるな!って警告を出しています。 内容を詳しく紹介しますと、7月28日に英国食品規格庁(Food Standards Agency、FSA)が、ヒジキを食べないようにとイギリス国民に対して勧告を出したそうです。その理由は、FSAの調査で、ヒジキに発ガンリスクの指摘されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたためとしています。 これを受けて、日本の厚生労働省も動きました。 平成16年7月30日には、下記のコメントを出しています。 「ヒジキを食べることで、健康上のリスク(危険性)は高まりますか?」 という質問に関して、日本でのヒジキの消費量から、国民1人あたり、0.9gヒジキを食べていると算出しました(好き嫌いもあるので、あまり意味のあるのか無いのか分からない算出ですが・・・)。 WHOが1988年に定めた無機ヒ素の暫定的耐容週間摂取量(計算上それ以上食べたら障害がでると思われる量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg/人/日(750μg/人/週)に相当することを紹介して、 「毎日4.7g(一週間当たり33g)以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素の暫定的耐容週間摂取量を超えることはありません。」 と、回答しています。1週間で33gなら食ってる人もいるかもしれませんよね・・・などと思うのはわたしだけではなく・・・厚生労働省の方も思ったらしく、 「海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。」 と、付け加えています。 と、いうことで、健康に良いと思っていたモノに意外な落とし穴がある話をしました。 次回は、これを踏まえて、漢方薬の裏話をしちゃいましょう。自分でエキスを作っている方、ちょっとお仲間とご覧下さい(プチ怖)。 生薬、漢方薬の安全性 医薬品扱いもされる生薬や漢方薬。さぞかし、管理はしっかりしているのだと・・・思っていませんか? 実際に、ボタンピや幾つかの漢方植物エキスに関しては、その有効成分の濃度まで日本薬局方の規格に入っています。そういう点では、有効成分は確保されていると言えるでしょう。 人参を初め、幾つかの漢方植物エキス(漢方植物そのもの)は、健康食品にも入っています。勿論、医薬部外品や化粧品にも配合されています。 今回、指摘したいのは、その「残留農薬」の問題です。 さてさて、漢方薬、特に、有名な「人参(ニンジン or オタネニンジン」などは、野生種を取って来てる・・・などと思われている方が多いのではないでしょうか? しかし、ちょっと考えて下さい。人参などは、6年ものなどを使うらしいのですが、世にこんなに出回っているのに、野生種で「量」が足りる・・・わけがないですよね。 「人参」などは、基本的に「畑」で「栽培」されています。また、人参は実際には、「虫」が付きやすいので、農薬もバンバン使われます。勿論、人工肥料も使われます(拘った畑では有機農法らしいですが)。 そうなったら、当然、人参の中に残留農薬の危険性が生まれるわけですよね。 残留農薬の問題は、非常に奥が深いです。栽培しているその畑では農薬を抑えていても、その上流の畑がバンバン使っていたら、用水路や川や地下水を伝って、下々の畑も被害にあいます。 実際に、国内の漢方薬に関して、残留農薬を確認して、入っていることを指摘する団体もあります。 また、漢方植物の中には、未だに野生種でのみ使われているモノもあります。 「甘草(カンゾウ)」がソレにあたります。 甘草も栽培は可能なのですが・・・。甘草を栽培場合、野生種よりも太く大きなモノに成長します。しかし、その中に含まれる有効成分である「グリチルリチン酸2K」の濃度は極端に低くなってしまって、使い物になりません。野生で育った甘草は、細く頼りなさ気に見えるのですが、有効成分を高濃度で含みます。 しかし、中国政府などは、種の存続を懸念して、「野生種の収穫の禁止」を出しています。そこで、表上、甘草も「栽培」ってことになっています。 この「表上」ってのは、「畑」として、何千ヘクタールも面積をとり、そこを数百ヘクタールずつに区分して、そこに生える野生種を収穫(?)するのです。最初の区画を採取後、次の区画に移っていきますから・・・、再び、最初の区画に戻った時には、勝手に生えている・・・って、訳です(笑) この残留の薬の問題ですが、実は、近々、制度が厳しくなります。 食品用の植物(人参なども含む)やスパイスなどの残留農薬の検査をする様に国が制度を変更するのです。その調べる数は、数百種類の農薬を調べることになります。 しかし、こんなことは事実上無理です。 日本のスパイス協会(そんなのがあるらしいです)は、既に「出来ないよぉ、免除してよぉ」という内容の文面(データ)を国に出しているらしいです。 また、漢方ですが・・・。 実は、この残留農薬の検査は、食品原料に関する検査であり、医薬品原料に関する検査ではないのです。 つまり、同じ人参でも「健康食品に使う」とか「サプリ用の使う」とかになると、残留農薬の検査が必要になります。が、「漢方薬として使う」とか「医薬品グレードのエキスとして」と、なると、残留農薬の検査は必要なくなるらしいのです(苦笑) 国の中で、食品の管理してる省と医薬品を管理している省が違うからでしょうかね? ついつい、有効成分の多さに目をやってしまいますが、残留農薬ってのも、これから大変注目したい問題ですね。 動物用シャンプー 犬猫を飼われている方も多いでしょう。中には血統書付きのペットもいるのではないでしょうか? この秋に2004年ペットの祭典なるイベントに行った時です。会場には100匹以上のワンちゃん達がいました。ああ、オリの向こうではなくて、こっち側!飼い主に連れられて、立派なワンちゃん達がワンサカ、ワンサカ!! どの犬も立派で、チャンと毛もカットされていて、中には帽子を纏ったワンちゃんもいました。 その状況の中、驚いたことが2つあります。 1つは、どの犬も吠えないこと。 もう1つは、100匹以上も会場にワンちゃんがあるのに、獣臭がま〜〜〜〜ったくしないことです。 まぁ、「吠えない」のは見事な躾けの賜物でしょう。しかし、匂いは・・・。 そうです、チャンとシャンプーしているのです。 犬のシャンプーといってなめてはいけません!500mLで300円などのお徳用を使うワンちゃんはいないのです。皆、数千円もするシャンプーを使っています。 基本的に、犬用のシャンプーは、雑貨扱いになります。しかし、使っている原料は、人も使う化粧品グレード!しかも、その中でもかなり上等な原料を使います。 目的は、臭気を抑えることもありますが、ツヤだしも必要になります。 犬は、人と違って、体中に毛はありますが、汗腺がないので、実際には強い脱脂力のシャンプーを使うと体が乾燥して、フケが出たりします。 そこで、使われるのが、アミノ酸系のシャンプーです。まぁ、なんて贅沢な! 因に、競馬の馬の鬣(←タテガミって、一文字なんだぁ)を洗ってツヤを出させるのもアミノ酸系シャンプーの仕事です。競馬をやる人は経験があると思いますが、毛色とか毛艶とかいって、馬の体調を知ろうとするものです。馬主もそれを知っていますから、艶を良くするシャンプーを使うそうです。 石けんで、ワンちゃんを洗っている方!ちょっと、脱脂力が強いのでご注意下さいね。 爪のお話 ネット上には肌の情報や、髪の情報は数多存在しますが爪のお話は結構少ないようです。そこで、今回は、爪のお話です。 人の指の爪は、角質層よりも約100倍分厚い存在です。しかし、意外なことに、爪からの水分透過性は、角質層よりも10倍も高いのです。 人の爪は硬くて平らな角化細胞の層で構成されています。その中には、肌の角質層に含まれる脂質量よりも、1/10程度の脂質しか持ちません。その少量の脂質成分がバリア機能や保湿機能の働きをしています。 マニキュアやマニキュア落としで爪が傷む原因は、この脂質成分を奪われるからです。 爪の組成は、男女共差はありません。爪に含まれる脂質の成分は、コレステロールだったり、トリグリセリドだったり、脂肪酸だったりします。その他にも、少量のセラミドやスクワレン、ワックスなども含まれます。 先に述べましたように、こういった爪の脂質分は皮膚の1/10の量ですから、空気の乾燥の影響を非常に受けます。ですから、爪への水分補給は非常に有効であり、実は必要なことなのです。 因に、爪に横うねりがある方は多いのではないでしょうか? 爪は体の健康のメモリーでもあります。男性の場合、禿げが急激に進行した時期に、爪にも異常が観察されます。男女問わず、食生活や環境が変わった時に、爪に異常が現れる場合があります。 爪の生え際から爪先まで伸びる時間は6ヶ月と言われています。爪の真ん中に横うねりがあるなら、3ヶ月半前に何かあったってことですね。心当たりますますかぁ? 化粧品とセラミドとスフィンゴ糖脂質 角質層は、平らな細胞で構成されています。その主な成分は、セラミド、コレステロール、脂肪酸からなるラメラという構造(脂質混合物)からなっていま す。 肌の中でこの脂質の合成が不十分であったり、脂質が不足したりすると、肌が水分を失うコトが大きくなり、その結果、外部からの有害なモノの浸透が多くなってしまいます。そのれはまさに、乾燥肌や敏感肌で起こっているコトなのです。 こういった現象の改善として、不足分を補う為に、セラミドやスフィンゴ糖脂質を塗ることが薦められています。 さて、脂質量とセラミドの関係ですが、加齢と共にセラミドの量は減少します。また、コレステロールや脂肪酸の量も急激に減少します。また、春や夏に比べると、冬場に急激に減少 すると言われています。 冬に肌が乾燥する原因は、空気が乾燥しているからだけじゃなかったのですね。 また、洗浄剤の選択を間違えると、肌からこういたセラミドが奪われて、更なる乾燥を招きます。 ここで、ちょっとセラミドとスフィンゴ糖脂質のお話をしましょう。 セラミドと一言で言いますが、実は、セラミドIとかセラミドIIIとかかなりの種類があります。 特に、アトピー関係の改善に有効といわれているのモノが、セラミドIIIになります。あるデータによりますと、セラミドIIIを0.05〜0.5%の配合で肌の水分維持機能向上の結果が得られています。 こういったセラミドは、生体内では、スフィンゴ糖脂質やスフィンゴリン脂質といった形で存在します。 下記に、スフィンゴ糖脂質の構造を示します。 この図を見れば、スフィンゴ糖脂質とは、セラミド(黄色枠内)に糖(六角形の部分)が引っ付いたモノだと分かると思います。 こういったセラミドやスフィンゴ糖脂質は、スキンケア以外にもヘアケア商品にも配合されつつあります。 セラミドが肌に付いた場合、荒れ肌改善効果が期待されますが、髪に付いた場合は、髪の強度を上げます。 ただ、セラミドの欠点としては、水にも油にも溶けないので、化粧品への安定した配合が難しいコトです。 そこで、もう少し水なじみのよい、スフィンゴ糖脂質や、セラミド類似物質がなどが使われます。 ユビデカレノン(コエンザイムQ10)は今の流行ですが、業界的には、このセラミドの方が次世代処方と思われ、着目されています。 セラミドとスフィンゴ糖脂質と卵黄リン脂質 セラミドは、肌の角質層に存在します。そのセラミドは、角質層の下にある顆粒細胞では、糖セラミドという形で存在します。それが、スフィンゴ糖脂質 です。その更に下の基底層(メラニンのあるあたり)では、糖を持たないスフィンゴシンとう形をしています。 最近では、このスフィンゴ糖脂質を動物ではなくて、米やヒマワリから精製して、化粧品原料としています。 こういったセラミドは、年齢と共に減少します。また、アトピーの肌の方は、このセラミド量が健常人の半分程度だといわれています。 セラミドやスフィンゴ糖脂質と同じかそれ以上に使われる、良く似た成分に、卵黄リン脂質があります。 精製された卵黄リン脂質とは、ホスファチジルコリンを70〜80%、リゾホスファチジルコリンを1〜2%含みます。 この2つの成分は、細胞膜の構成成分と類似しています。特に、この2つをバランスよく配合すると、エマルジョンという小さなカプセルと造ります。これが最近流行の「ナノカプセル」というモノです。 卵黄リン脂質で構成された小さなカプセルの中には、油に溶ける成分が入ります。その油をカプセルが抱える形で水中を浮遊します。そして、必要な部位に来たら、その中の油を手放して、効果を発揮します。 この卵黄リン脂質を上手く使えば、俗に言う界面活性剤フリーでの乳液を造ることができるのです。 と、簡単に書きましたが、その技術は非常にレベルの高いものです。かなりの知識と熟練した技が必要です。 わたしもこの卵黄リン脂質を扱うのですが・・・、難しい処方ですよ(汗)。でも、できたときには、特殊な顕微鏡で化粧水を覗くと、非常に奇麗な光の球が見えるのです。そりゃぁ〜、美しいですよぉ。 石油系の原料の話 前編 石油系の原料を全て「悪」と決め付けているサイトが未だに多く存在します。 しかし、本当は石油系でも安全性の高い原料や、天然由来のエキスでも刺激の強いものもあります。 例えば、イチョウエキスやトウガラシチンキなどは刺激やトラブルが多いことは有名ですね。精油の中には、光毒性のある フロクマリンを含むものがあることも有名ですね。 天然だから安心ってこともないですし、合成系だからトラブルが高いと勝手に決めてしまって、かえって肌を悪化させる例も多く知っておられるのではないでしょか? 今回は、安全性の高い合成系の原料を、目で見る形でご紹介しましょう。 まずは、合成系の代表として「POE」のお話です。 POEとは「ポリオキシエチレン」の略です。2つの炭素と1つの酸素と4つの水素からなります。 形としては、下の図の (−−O)n となっている部分のことです。 これが、沢山繋がって、「ポリオキシエチレン鎖」と呼ばれる形を造っています。上記の図には、POEが3つ繋がった形(黄色の部分)を紹介してみました。1本のヒモのようになって いるのが分かると思います。 嘗て、石油由来の原料を「悪役」にしたてたラウリル硫酸NaにこのPOEをつけることで、刺激を抑えたのが、ラウレス硫酸Naです。 下に図の上が、刺激や脱脂力が強いことで有名なラウリル硫酸Naです。青の部分が「ラウリン酸」つまり脂肪酸の部分です。そして、下がラウレス硫酸Naです。脂 肪酸の後に黄色の部分があるのが分かると思います。ここがPOE(ポリオキシエチレン鎖)になります。 眼で見てお分かり頂けますように、POEが付くことで、「大きく」若しくは「長く」なっているのが分かると思います。 この「大きく」若しくは「長く」なるってことが刺激の緩和になるのです。 ちょっと目線を変えれば、悪役のラウリル硫酸Naだって、脂肪酸からできているのですから、半分は天然モノといえるかもしれませんね。 このように、合成系の成分、POEは、1本の鎖状であり、これをつけることで、安全性をアップさせる働きがあるのです。本当の安全性は何か?再度考え直しましょう♪ 石油系の原料の話 後編 合成系の代表として、ラウレス-○(○は数字)とかワセリン、パラフィンなど医薬品のクリームや軟膏基材に使われているものがあります。また、ミネラルオイルなどは、ベビー用 の化粧品に多用されています。 今回は、そういった安全性が高く、多用化されている原料を見てみましょう。 まずは、ラウレス-3、ワセリン、パラフィン、ミネラルオイルなどの合成系と、ステアリン酸、ステアリルアルコール、スクワラン を見てみましょう。下記の図を参考にして下さい。 ここにあげた7つの構造は基本的には1本のヒモ状です。特に、ワセリン、パラフィン、ミネラルオイルは同じ形ですね。 性状が液体だったり、クリーム状だったりするのは、そのヒモ(鎖)の長さの違いです。 例えば、ミネラルオイルは、旧名称を「流動パラフィン」と言い、パラフィンの仲間であったことが分かります。 ただ、炭素の繋がったヒモの長さが、ミネラルオイルは16〜32個であるのに対して、パラフィンは16〜40個です。 ワセリンの場合は、24個と32個と34個の3種が主になっています。 これらは非常に安全性が高く、ワセリンなどは、アトピーの方は良くお使いではないでしょうか。こんな形しているのですよ。 さて、続いてラウレス-○を紹介しましょう。○の部分は数値が入ります。その数値はPOE(ポリオキシエチレン)の数です。 今回図にしましたのは、ラウレス-3ですので、POE(黄色部分)が3つからなっているのが分かると思います。 このラウレスは、医薬品クリーム基材として使われてきました。特に、ラウレス-9は、鎮痛効果が報告されています。 ワセリンなどに比べて、部分的に酸素(O)を持つので、水に馴染みやすい性質があります。ですから、軟膏よりも水分の多いクリームに使われます。 これらの構造は、石油由来の合成(ラウレスの場合、構造の半分は天然の脂肪酸ですが)ですが、自然界のモノにも類似構造があります。例えば、脂肪酸や、そのアルコールです。 図には、炭素の数が18個のステアリン酸とそのアルコールを示しましたが、自然界には、ベヘン酸のように炭素が22個のものや、ステアリン酸が2つ付いて、18x2=36個のものなど長いタイプのものもあるのです。 こういった構造のモノは安全性が高く、安心して使用できます。 しかし、同じ1本のヒモ状でも下の図のようなモノは、ちょっと注意が必要です。 この2つも、一見、1本のヒモ状に見えますが、赤の部分が「二重結合」という構造をとっています。 この二重結合という部分は、酸化されやすく、酸化される際に、肌の状態を悪くする活性酸素を発生させてしまいます。 勿論、リノール酸などは、それ自体は肌によいのですが、酸化されるとまずいのですよね。 先に図に示しました7つの合成や天然物は、この「二重結合がない」のが特長です。 安心して使うためには、その「形」が大切なのですね。 セラミド原液の話 セラミド原液なるモノをネットで検索してみました。 検索キーワード:セラミド原液 商品1 成分:ウマスフィンゴ脂質・精製水・BG・キサンタンガム 13440円 50mL 商品2 成分:水、BG、ウマスフィンゴ脂質、キサンタンガム(セラミドは、哺乳動物の脊髄から抽出だそうです) 13440円 50mL 商品3 成分:水、BG、ウマスフィンゴ脂質、キサンタンガム(セラミドは、ウマの新鮮な脊髄から抽出だそうです) 7350円 30mL 商品4 成分:100%原液セラミド(しかし、どう見ても液状) 4095円 20mL 商品5 成分:水・リン酸・スフィンゴ脂質・フェノキシエタノール・メチルパラペン・エチルパラペン・プロピルパラペン・イソブチルパラペン(植物性セラミド 100%原液 らしいです セラミドは大豆由来らしいです) 8800円 10mL x 3本 商品6 成分:水・BG・コメヌカスフィンゴ糖脂質・水添レシチン・リゾレシチン(冷蔵庫保存だそうです セラミド濃度は1%だそうです) 4725円 20mL 商品7 成分:水、BG、ウマスフィンゴ脂質、キサンタンガム 4725円 30mL 商品8 成分:非表示(冷蔵庫保存で未開封の場合は2年間だそうです) 10290円 30mL 22050円 100mL 商品9 成分:水・BG・ウマスフィンゴ脂質・キサンタンガム (冷蔵庫保存だそうです) 4725円 30mL 商品10 成分:水、BG、コメヌカスフィンゴ糖脂質、水添レシチン、リゾレシチン、フェノキシエタノール 8400円 30mL そろそろ、飽きてきたので10個で止めましょうか。 まず、率直な感想から! 1)案外、高価なんですね。30mL程度で8000円以上が通常のようですね。 2)どれ1つとして、100%と書きながら色んなモノが入っていますね。 3)多くの商品の成分は同じですね。 4)流石にパラベンフリー、エタノールフリーが多いですね。 そして、最後、5)どれ1つ、「セラミド」というモノは入っていません(苦笑)まぁ、スフィンゴ糖脂質はセラミドに1つ糖が付いた類似系なのですが・・・。 現在、化粧品原料としては、セラミド3を初め数種のセラミドの登録があります。つまり、スフィンゴ糖脂質ではなく、ちゃんとセラミドという原料があるのです。 にもかかわらず、スフィンゴ糖脂質をもって(しかも1%程度で)セラミド原液とは・・・(苦笑) こういう背景には、セラミドが、水にも油やエタノールにも溶けないとうい理由があります。まぁ、幾つか技術はあるのですが、なかなか一般化しませんね。 ヒアルロン酸原液の場合、多くの原料メーカーは、ヒアルロン酸Na1%の原料を持っていますので、それをそのまま小分けしたものを「ヒアルロン酸原液」として売っています。その成分は、主に、ヒアルロン酸Na、水、メチルパラベン(キャリーオーバーで表記されていないらもせれませが)です。少なくともヒアルロン酸Naは入っています。そこを考えるとここに紹介した10品はゲスですね。 ○○原液!気を付けましょうね(笑) 化粧品トラブルの話 化粧品による肌トラブルを経験された方も多いのではないでしょうか? 今回は、化粧品トラブルの症状(発祥)パターンをご紹介します。 1つ目は、顔などに広く塗って直ぐにひりひりするパターン。 これは、主に、敏感肌やセンシティブスキンなどの方に多い症状で、特定の化粧品原料に肌が反応しているパターンです。モノとしてはパラベンやフェノキシエタノールや安息香酸などの旧表示指定成分や配合上限のある原料などが入っていると起こりやすいです。 ただ、フェノキシエタノールのように、極々微量でも入っているだけで、駄目な人には駄目!って原料があります。その一方、パラベンのように、濃度が薄かったら肌は大丈夫って原料もあります。しかし、濃度が薄くて大丈夫といっても、その内に反応が出ますので、ご注意下さい。 2つ目は、顔などに広く塗って直ぐに痒くなるパターン。 これは、上記にカキコした、特定の成分が肌トラブルを起している場合だけではありません。こういった症状の多くの原因は、過剰な保湿です。グリセリンや糖など保湿力が高くべとつく原料が多く入っている場合に痒みを伴う場合があります。 こういった場合、塗る量を調節するとかなり改善されます。 3つ目は、使い初めて、1週間ぐらいで調子がおかしくなるパターン。 ちょっと、パッチテストのまね事のようなことをして、大丈夫。本気で使っても初めの3日くらいは大丈夫。しかし、1週間を過ぎた頃から、何だか肌の調子が悪くなってきた!なんて経験はないですか? こういった場合は、1つ目の「濃度が薄いと大丈夫、でも濃いとトラブルが起こる原料」が含まれている可能性があります。 もう1つは、pHがあなたのお肌に合わない場合がこうなります。 まだ、洗顔料やクレンジングの場合、脱脂力があなたのお肌に合わない場合も同じことが生じます。 4つ目は、長年使っていたのに突然トラブったり、季節の変わり目にトラブルパターンです。 この場合、化粧品の保湿やエモリエント効果(油を補う効果)が自分の肌に合っていたのですが、年齢や季節変動で肌そのものの保湿力や肌バリア能力に変化が起きて、化粧品が合わなくなるパターンです。 最後に、昔の化粧品は、肌が黒くなったり、白斑ができたりと過剰なトラブルが多かったですが、そんな話は何十年も前の話です。現在の日本の化粧品ではそんな症状はまずありません。逆に、外国の化粧品を日本に輸入して使った場合にはまだそんな症状が起こる場合がります。それは、外国の化粧品原料には、日本では使えない医薬品扱いの原料が入っている場合があるからです。 こうった医薬品レベルの原料の多くは、副作用を持ちます。 「急激な効果がある=副作用が強い」と思っていて下さいね。 それから、これらのパターンにはまった場合、全成分表示をメモっていて下さいね。 案外、パラベンにかぶれているつもりが他の成分やpHで駄目だった、って勘違いもありますからね。 また、何よりも、使用を一旦中止してみて下さい。それで肌が戻るから何らかの原因がその化粧品にあるのです。 それでも改善しない場合は、その化粧品にはあなたの肌を改善させるだけの効果がないってことですね。 髪と疑似セラミドの話 成分が水を抱える力を抱水力といいます。ヒアルロン酸Naのように、1gで6Lもの水を抱えるなどがその例です。ヒアルロン酸Naのような水溶性成分ではなく、油性成分で抱水力が強いと、深くしっとりとした感触を生み出します。 抱水力が高いことで有名なラノリンと、水を殆ど抱えないことで有名なワセリンと、擬似セラミドの抱水力を比較データを紹介しましょう。 なお、今回、ご紹介する疑似セラミドは、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)という表示名称になります。 ここでは、10gの原料にその重量の何%の水を抱えることができるかを示しました。擬似セラミドはその重量の5倍もの水を抱えることができることが分かります。 また、肌荒れの原因はその肌バリア機能が低下していることが原因の1つです。今回は、人工的に荒れ肌をつくり、その荒れた部分に、ワセリンや擬似セラミドを塗った改善の度合いを紹介しましょう。 無塗布でも、自然治癒によって徐々に改善されますが、ワセリンを塗った方が、肌の表面が保護されて改善が早いことが分かります。しかし、擬似セラミドを塗った場合、更に改善が大きいことが分かります。これは、擬似セラミドが、肌バリア機能を保護だけでなく改善していることが想像されます。 続いて、擬似セラミドの髪に対する効果をご紹介しましょう。 肌に対するセラミドの話は有名ですが、髪にも効果を示します。ただ、髪の修復効果として仕事をしますので、傷んだ髪では効果を感じますが、健康な髪では擬似セラミドの効果は分かりにくいかもしれません。 今回のデータは、髪を人工的に傷めたうえでデータを取っています。 まずは、髪質の改善として、コンディショニング効果をみましょう。効果の確認の1つとして髪の帯電量を見てみました。比較として、髪に馴染みのよいとされる、ラノリンやスクワランのデータも載せています。 擬似セラミドを入れた処方の場合、ラノリンよりもはるかに優れた帯電防止効果が得られたことが分かります。 また、髪のすべりを機器で測定した結果を紹介します。風呂上りの髪にスクワランを塗っておられる方もおられるではないでしょうか?このデータもまた、スクワランやラノリンよりも優れたすべり感を与えていることが分かります。 今回紹介しました、擬似セラミド(ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル) は、セラミドそのものではありません。コレステロール誘導体という種類 に分類されます。その構造にはコレステロールとグルタミン酸(アミノ酸)を含みます。 価格の面などからシャンプーやコンディショナーに本物のセラミドを添加することは今までまずありませんでした。しかし、こういった擬似セラミドの誕生が、ヘアケア商品に新たな世界を広げさせたのも事実です。 改正特定商取引法 皆さんは、「改正特定商取引法」についてご存知でしょうか? 今回は、ちょっと化粧品の話から半分足を踏み出した話になります(汗) 「改正特定商取引法」とは、販売する目的を隠し、個室などに誘って勧誘するコトを禁止する法案です。 特に、2004年11月の改正では、訪問販売などの際、事前に商品やサービスを販売する目的の表示を義務付けていて、アンケートや無料チケットなどを装ったキャッチセールスは事実上、違法行為となりました。 既に、同年同月17日には、この法案に基づき京都の業者が、化粧品のキャッチセールスで摘発を受けています。 その手口は主婦を対象に、「アンケートに協力してもらえないか?」から始まり、「エステのモデルになってもらえれば、入会券がタダになる」と言い、「でも、うちの化粧品を使わないといけない」となり、最終的には21万円もの基礎化粧品のセットの購入契約を結ばせたものです。 21万とはいかないまでも、どことなく経験のある話ではないでしょうか? 化粧品の信頼を失わせ、疑心を大きくしている原因の1つは、「過剰な謳い」ですが、こういった「強引な販売」も大きな原因だと思われます。 ついでなのですが、この法案は、電子メールの宣伝メールにも効力があり、 電子メールの宣伝には以下のようなコトを規定しています。 (1) 表示義務について 1) 事業者の電子メールアドレスを表示すること 2) メールの表題部に「!広告!」ではなく、「未承諾広告*」と表示すること 消費者の請求・承諾に基づく場合は必要なし。 3) 再送信禁止規定の創設に伴い、消費者が広告メールの受け取りを希望しない旨を、事業者に対して連絡するための方法を表示すること 消費者の請求・承諾に基づく場合も必要。 (2) 再送信禁止について 消費者が、事業者に対して広告メールの受け取りを希望しない旨の連絡を行った場合には、その消費者に対する広告メールの再送信を禁止する と、なっています。 うむ、確かに、最近の迷惑宣伝メールは、書き方が変わったと思ったら、こういった法案の影響なのですね。 冬場の紫外線 冬場の紫外線対策は如何されているでしょうか? 下記に、月別の紫外線B波の強さを示してみました。 流石に、冬場(11月〜2月)は紫外線B波の量は少ないですね。夏場と冬場では5倍くらいの差があるでしょうか。 紫外線B波は、主に肌を赤くほてらせる働きがあります。夏場など、日焼け後に真っ赤になって苦しんだ経験のなる方も多いのではないでしょうか?しかし、意外かもしれませんが、日焼けによって黒くなる現象を起こさせるのは、この紫外線B波ではないのです。 次に、紫外線A波の強さをグラフにしてみました。 意外にも、紫外線A波は、4,5月が一番強くなっています。 更に、確かに冬場は低いですが、年間通して2倍程度の差しかありません。 紫外線A波は、主に肌を黒くする現象を起こさせます。日焼けした後、数日後に肌が黒くなるのは、この紫外線A波の仕業です。 ついつい、我々は、赤くほてらないと日焼けした気分にならないので、冬場の日焼け対策は怠りがちです。 でも、低いとはいえ、初夏の半分程度もの量が、冬場でも降り注いでいるのです。 気がついたら、ちょっと黒くなった・・・とか、気がついたらシミが・・・などは、この紫外線A波の対策を怠ったことが原因の1つかもしれませんよ。 因みに、化粧品の紫外線B波を抑える強さはSPFとして50+までの数値で表示されます。日常的な対策ならSPF18程度で十分です。 更に、紫外線A波を抑制する強さはPAで表示されます。最も強いものはPA+++と表示されています。 ハイドロキノンの話 最近は規制緩和で、ハイドロキノンやハイドロキノンモノベンジルエーテルなどがネット上で購入可能になっています。 ハイドロキノンは、米国では2%までは通常に入手可能です。また、処方箋を貰えば4%なんてのも使用されます。 アメリカのFDAなどは、2〜4%で、美白に対して安全で有効なモノと判断されているようです。しかし、実際はどうなのでしょうか? では、ハイドロキノンの歴史などを少し見てみましょう。 そもそも、ハイドロキノンとはどんな構造なのでしょうか?下記に図を示します。 六角形(ベンゼン環)にOH(水酸基)が2つ付いた化学的な構造物です。 美白で有名なアルブチンは、このハイドロキノンに糖が付いた形です。 ハイドロキノンの歴史としては、その類似成分であるハイドロキノンモノベンジルエーテルの歴史でもあります。 ハイドロキノンモノベンジルエーテルは、皮膚の色素沈着を軽減するとして治療薬として使用されていましたが、昭和20年に化粧品への配合されました。 しかし、その後、皮膚脱色力が強過ぎて、半永久的な白斑(白い色抜け)が生じるために、昭和32年に当時の厚生省より化粧品への配合が禁止になりました。 ハイドロキノン自体は、ハイドロキノンモノベンジルエーテルよりも皮膚の脱色作用は弱いと言われていますが、高い毒性を示します。 例えば、先に述べましたように、アルブチンはハイドロキノンに糖が付いた形なのですが、そのアルブチンの細胞毒性を1とすると、ハイドロキノンやハイドロキノ ンモノベンジルエーテルの毒性はその300倍といわれています。 現在、ハイドロキノンは、写真の現像やゴム工業などでも使用されています。 その歴史の中でも、1930年後半頃、ゴム製品にハイドロキノンモノベンジルエーテルを配合していた一部の作業員に脱色班(白斑)が生じた事故例が残っています。 ハイドロキノンに関しても、どの毒性は急性のモノと慢性のモノと2つ存在します。 急性の場合は、刺激やツメの脱色、炎症後の色素沈着(美白のつもりで使って、色素沈着したら、世話ないでうよね)があります。また、半永久ではないけれども、まれに白斑黒皮症を起こします。 人によっては、医師の指導の下ハイドロキノンを使用される場合があります。これは、きちんとした管理の下、プロの目で使用され、しかも、医薬の分野なので、話は違うと思います。 しかし、化粧品は、毎日使用します。一時的に効果があっても、慢性的な部分で悪化するようなモノは使用を避けるべいだと思いますし、そういったモノを何の知識もない人たちに安易に売買するコト自体、悪質ではないか?と思いますよ。 シワ改善の話 シワといっても様々なタイプはあります。 加齢によって生じるシワもあれば、太陽光に長く曝されることで生じる深いシワ、目元に現れがちな小ジワや、表情によって生じる表情ジワなど、まだまだ表現としては沢山あります。 シワの改善の方法は、今までは2つありました。 1つ目は、保湿することで、乾燥を防ぎ、シワの発生を抑える方法 2つ目は、肌の中でコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、シワを改善する方法 です。 1つ目のは、グリセリンやベタインなどの保湿成分から始まり、最近では、ヒアルロン酸Naや水溶性コラーゲンなどを塗ることで保湿をアップしていますね。 ちょっと、勘違いされているといけないので、改めてカキコしますが、肌の表面にヒアルロン酸Naや水溶性コラーゲンを塗っても、肌の内部には入っていきません。ヒアルロン酸Naや水溶性コラーゲンは、肌の表面で高い保湿を保つことで、肌に潤いを与えることが仕事です。コラーゲンの減った肌に水溶性コラーゲンを表面から塗っても、肌の内部に吸収されることはないのです。 また、2つ目は、植物エキスや酵素やビタミン的な成分を肌に与えることで、肌の細胞を活性化して、その結果、肌の内部でヒアルロン酸やコラーゲンが生成されて、シワを改善する方法です。有名な成分としては、ビタミンC誘導体がそういった働きがありますね。 そして、最近、3つ目のシワ改善の方法が生まれてきました。 3つ目は、顔の神経系に働き掛けて、表情ジワを改善する方法 です。 今までは、肌の真皮層の細胞をターゲットにしていましたが、今度は、神経系にターゲットを絞ったものです。神経も細胞の1つですし、特に神経に関しては、医学的に研究が進んでいますので、肌以上にどういったモノが効果的なのかは想像しやすい世界です。 笑いジワなどは、笑うという感情に連動して顔の神経が筋肉を動かして顔の表情を作ります。その結果、肌の表面で「ヨレ」が生じます。 そこで、表情を作る神経系を穏やかにしてやることで、「ヨレ」の発生を抑えるのです。 この発想は、「ボトックス」というモノで有名になった方法です。 しかし、ボトックスが注射によって直接神経系を抑えることに対して、化粧品は、遥かに緩和で、副作用のないものです。逆に言えば、1回使ったら効果絶大!なんてことはありませんが、使っていく内にジワジワ効くって感じです。 具体的には、ペプチドという成分がこういった効果を示します。 ペプチドとは、アミノ酸が2〜数個引っ付いたものです。もっと引っ付くと今度はタンパク質って名前になります。 どっかのCMでロック歌手がペプチドの説明を 「アミノ酸が、ド〜ンだ!」 と、言っていました。ちょっと上手い表現です。まさにそんな感じです。 わたし流に言うなら、タンパク質をスパゲティーとしたら、ペプチドはマカロニで、アミノ酸は、麦芽かな(余計分からんか? 汗) 具体的な成分名では、何種かありますが、「アセチルジペプチド-1セチル」なんかは、バックデータもあっていいと思っています。これは「チロシン」というアミノ酸と「アルギニン」とうアミノ酸が引っ付いたモノです。 この「アセチルジペプチド-1セチル」は神経系に働き掛けて、β-エンドルフィンとう成分を分泌させます。エンドルフィンは、生物自体(人なんかもしっかりあります)の持っている脳の刺激緩和成分です。エンドルフィンは、過激に反応する神経を抑えるのです。 非常に生物的に温和な方法で、表情ジワを改善しようという方法で、わたしも着目している方法の1つです。 水の話 化粧品を作るにあたり、プロのメーカーはどういった「水」を使っているのでしょうか? 一般的な化粧品に用いられる水は「イオン交換水」という水です。これは、水道水中にある金属イオンや塩素などのイオン物質を取り除いた水です。金属などのイオンがないので、この水を使って、石けんシャンプーをすすいでも、決してきしむことはありません。また、洗顔フォームを使って、顔がつっぱたりもしません。 石けんシャンプーですすぐ時に髪がきしむのは、石けんと水道水中の金属イオンが引っ付いてできた金属石けん(石けんカス)が髪に付くからです。 洗顔の後、顔がつっぱるのも、同じく肌に付いた石けんカスの為です。 イオン交換水には、その金属がないので、石けんカスができない=きしみ、つっぱりがない!ってことになります。 こういった、水に溶けている微量な金属も化粧品に影響を与えるので、化粧品メーカーでは、イオン交換水を使うのが当り前です。 たまに、ネット上でたまに「我が社の化粧品はイオン交換水を使って・・・」と、謳っていますが、化粧品を作るメーカーとして、極々一般的な話をしているに過ぎません。 こういった、金属イオンを含まない水を「軟水」といいます。飲料水で「硬水」、「軟水」とありますが、あの「軟水」です。 実は、軟水は、料理や珈琲を作るに向いている水です。逆に、「ミネラルウォーター」と称して売られている水の多くは「硬水」です。 じゃぁ、軟水はどこで手に入るの?高いの? いえいえ、日本の「水道水」は立派な軟水なのです。そりゃ、イオン交換水よりは金属イオンを含みますが、立派な軟水です。 話を戻しましょう。 化粧品メーカーの使っている「水」には、他に、「天然水」という名で「硬水」が使われる場合があります。これは、水に入っている微量金属を逆に活用した処方の場合です。こういった「硬水」は飲んでも美味しいです(因に、軟水は、何の味もないので美味しくないです)。 究極の硬水は・・・まぁ、温泉水と海水でしょうか(笑) 海水の場合、「にがり」が有名ですね。 にがりには塩化マグネシウムというモノが入っています。この塩化マグネシウムは、大気中の水分をかき集めてくる仕事をします。ですから、保湿があると言われているのですね。(海水に濡れたタオルがいつまでもべた付くのも塩化マグネシウムの為です)。 他にも、磁気処理水とかセラミック水とか得体のしれない水があります。クラスターとか「水分子の構造が・・・」などと、あやしい、あやしい話があります。 磁気処理水とかセラミック水は、現段階で、化学的に証明がされていない部分です。 化粧品は「夢」を売る分野でもありますから、こういった話も面白いですが・・・、「面白い」ってトコで止めておきましょうか(笑) 逆に「超純水」という水もあります。これは、化学的に証明された水で、水の中に、全くの不純物を含まない水です。イオン交換水よりも何倍も何も含みません(日本語の表現として、おかしい表現ですが・・・)。 「超純水で作ったら、さぞかし、良いものが・・・」 と、思うあなた!間違いです。水の他に、化粧品には様々な成分を加えます。その成分は、殆どが混合物ですので、混ぜた時点で、超純水を使う意味がなくなります(笑) 手作り化粧品に使う水は、どうしたものか・・・。 水道水を一旦沸騰させて、硝子の瓶に入れて一昼夜冷ましたものがいいでしょう。 煮沸することで、水道水中の塩素はなくなります。また、金属イオンの多くも沈殿しますので、瓶の上層の水を使うと、かなりいい水が得られますよ。 リポ酸について リポ酸というモノご存知でしょうか?化粧品の全成分表示では、チオクト酸といわれます。 コエンザイムQ10が米で流行していた時期と同時期に、美肌ビタミンの異名を持って、持て囃された原料です。 代謝改善ビタミン(補酵素)として日本でも健康食品への添加がされています。 リポ酸は、1940年に細菌の発育促進が確認され、その後、ウシの心臓から初めて精製されました。その量はウシの心臓10トンからわずか0.03gだったそうです。 いまは、合成で作られています。 コエンザイムQ10が、流行る中、この美肌ビタミンであるリポ酸(チオクト酸)も同じように出回る予定でした。 幾つかの化粧品メーカーは既に開発に着手していました。 しかし、平成16年12月28日に事件(?)は起こりました。 どこかのメーカーが、厚生労働省に「チオクト酸(α−リポ酸)は、医薬品の成分ですか?」と、聞いてしまったのです。 それに対して、厚生労働省側は、 「チオクト酸(リポ酸)は、医薬品の承認書に記載されている有効成分であり、化粧品で使用するなら、関係書類を提出するように」 と、回答をだしました(薬食審査発第1228005号)。 キジも鳴かねば撃たれまい・・・ 何も聞かなかったら、化粧品でも使えたのに・・・ 実は、この「関係書類」とは、安全性を初め様々なデータの提出であり、かなりの費用と検査数が必要です。ですから、書類を出せばいいのですが、書類作成に莫大な費用が掛かります。 逆に、もしこういった質問を厚生労働省に行っていなかったら、どうなるのか? 化粧品は、医薬品原料を使えないことになっています。化粧品の原料は、「効果を謳ってはならない」とされているので、「医薬品原料=効果のある原料」ってことが理由です。その理由から、ビタミンKも使用できなくなりました。 しかし、医薬品に使う原料が全て医薬品ではないのです。と、いうのも、法の抜け道といいますか・・・、 「医薬品的効果効能を標榜しない限り医薬品とは判断しない成分リスト」ってのがあるのです。 その中には、オリゴ糖やカテキン、クエン酸、スクワレン、セラミド、ビタミンC、流動パラフィン(ミネラルオイル)、レシチンなどが記載されています。化粧品でよく見かけますよね。そのリストに、リポ酸もあるのです。 ですから、何も言わなければ、通常の原料として使用できたのですが、医薬品でることを厚生労働省に確認した為に、リポ酸(チオクト酸)は化粧品での使用が困難になってしまいました。 また1つアンチエジング効果の期待されそうな原料が減ってしまいました(汗) |